ウィリアム・バード2008/09/14 20:45


 アメリカ南北戦争の間、南部連合国の首都だったリッチモンドに関する記事において、その町の命名者,William Byrdという人物が話題に上った。
 16世紀から17世紀にイングランドで活躍した音楽家と、同姓同名だ。そこで、同じ名前の音楽家の方について記してみる。

 音楽家,ウィリアム・バードは1540年生まれ,1623年没。ちょうど、エリザベス一世治世と重なる。彼自身はカソリックだったが、プロテスタントの女王に保護され、国教会のために宗教音楽を多数残した。
 その一方で、世俗音楽も多く残している。鍵盤楽器のための曲が有名。楽器の名前は一般にチェンバロ ― 言語などによっては、ハープシコード,ヴァジナールと呼ばれる。

 私がバードのヴァジナール曲集のCDを買ったのは、その音楽や演奏家に興味があったからではない。
 ウィリアム・バードの、Byrdというファミリー・ネームの綴りに惹かれたからである。そう、あのThe Byrdsと同じ綴りだからという、およそきっかけにもならないような理由である。

 演奏者は、Andreas Staier、ドイツ人。チェンバロ演奏の名手で、バードのようなルネッサンスから、バッハのようなバロックを取り上げたアルバムを多く作っている。
 このアルバムはウィリアム・バードのヴァジナール曲のみを収録している。タイトルは、収録曲の一つ " John come kiss me now " から取っている。400年ほど前のタイトルだが、とてもかわいらしい。

 肝心の曲に関する感想だが…どの曲も同じに聞こえてしまう。私の耳はその程度だ。私には、音だけではきついのかもしれない。
 これが、エリザベス朝の衣装や調度、登場人物とともに映画の中に使われると、グッと肉薄してくるのかも知れない。