静嘉堂文庫美術館 ミュージアム・コンサート「雅楽 宮田まゆみ」2023/02/25 23:06

 今日は、丸の内に移転した静嘉堂文庫美術館に行った。
 かねてから静嘉堂に行きたいと思っていたし、例の有名な曜変天目茶碗も見たかったのだ。そしてこのたび、美術館のホワイエで、宮田まゆみ先生を中心とした雅楽コンサートがあるというので、これは良いチャンスだ。

 曜変天目が展示されているかどうかは、タイミングがあるので分からないのだが、今日はラッキーなことに展示されていた。小さい、小さいとは聞いていたが、本当に小さい。そして曜変は美しい。可愛くて神秘的で、大袈裟ではない。いかにも日本人好みの宝物だ。

 コンサートが行われたのは、美術館のホワイエ ―― そういえばホワイエって厳密にはどういう意味だろう?ググってみると、「劇場やホール等の入口から観客席までの広い通路のこと」とのこと。
 このホワイエ、床はピカピカの大理石(もどき?)天井も壁も漆喰なのか、がっちがちである。要は絨毯やソファで布部分が多い音楽ホールとはまったく逆の質感で、見るからにこれは音がとんでもない反響をしそうだ。

 まずは宮田まゆみ先生の笙ソロで、雙調調子。笙と言う楽器は基本的に和音を奏でる楽器だが、一本一本の管からは蚊の鳴くような音しかしない。そういうわけで、笙のソロは程よく響き、相性が良かった。
 問題は、篳篥(中村仁美先生)、龍笛(八木千暁さん)が加わる合奏。特に、龍笛の音は大変だった。高音が高すぎ、大きすぎ、響き過ぎで、許容範囲を振り切ってしまい、左耳がキーン!と痛んだ。
 芝祐靖先生の各楽器のための独奏曲があり、最後に静嘉堂所蔵の前田青邨の大作「蘭陵王」にちなんで、その曲を三管で演奏した。だいたい旋律は分かっているので、龍笛の最高音が来るたびにビクビクしなければならなかった。

 とはいえ、小さな会場でシンプルな演奏。こういう雅楽のコンサートも良いなと思った。できれば、絨毯があるところで。