David Crosby2023/01/24 19:53

 デイヴィッド・クロスビーが亡くなったのだが、自分との距離感でいうと、ジェフ・ベックよりもクロスビーの方が近い感覚がする。やはりザ・バーズが好きだし、クロスビー・スティルス&ナッシュ、もしくはクロスビー&ナッシュのアルバムも持っているからだろう。

 彼を偲ぶ動画としては、まずザ・バーズの "Mr. Tambourine Man" からチェック。彼の楽曲ではないが、数年後からしたら「詐欺!」という次元に若く可愛いデイヴィッド・クロスビーは、まず視覚に覚えさせる価値があるだろう。



 こうして改めてカラーで動く初期バーズを見ると、彼らかなりイケていたなぁとしみじみと思う。

 お次は、クロスビー自身の楽曲,ヴォーカルである、[Younger Than Yesterday] からの曲 "Everybody's Been Burned" ―― かなり独特なマイナー曲調で、かつ不気味というか、不穏な雰囲気がクロスビー独特の個性になっている。こういう個性の人は私が愛好するロックンロール・ジャンルでは少ない方だ。これを当時25歳くらいだったクロスビーが作ったというのは、かなり独自の道を行っていたと思う。



 最後に、やはり盟友と言うべきグレアム・ナッシュとのデュエットを見よう。
 人格者として有名なナッシュにとっても、クロスビーは難しい存在だっただろう。逆にナッシュというロック界随一の人格者がいたからこそ、クロスビーもこの世界で孤立しなかったのではないかと、赤の他人ながら思わずにはいられない。
 1971年のこの演奏、クロスビーの豊かな声が際立ち、ナッシュのサポートも美しい。これを見ると、ロック界は一つの豊かな音楽的存在を失ったのだ、でもその音楽は残り続けるのだという、思いを強くした。