Gershwin Award 19962022/08/07 17:34

 私の記憶の中で、長い間ちょっとした謎だったことがある。
 まだインターネットでトム・ペティ・ファンを出会う前、日本のラジオ番組(たぶん J-Wave) を聴いていたら、珍しくトム・ペティ関連のニュースが伝えられた。日本語でトム・ペティの名前を聞くのですら珍しいことだったので、日本でただ一人のファンだと思っていた自分は、ラジオの前で大興奮した。
 そのニュースの記憶は、こうだ。トム・ペティがアメリカのある大学(たぶん西海岸)の公演でスピーチをした際に、学生の一人にギターを借りて新曲を披露したという。ここでラジオDJが、「いい人過ぎる!」と言ったので、大きくうなずいたものだ。もっとも、このころはトム・ペティのファンになりたてで、彼のパーソナリティはよく知らなかったのだが。なんとなく、その曲が “Walls” だったと思い込んでいた。

 改めて Here Comes The Heartbreaker!(さすがの情報量) で確認すると、これはやはりUCLAの “George and Ira Gershwin Lifetime Musical Achievement Award” で、1996年4月のことだった。2008年から始まった「ガーシュイン賞 Gershwin Prize(米国議会図書館が授与する)」とは別のものらしい。
 最近、YouTube にその際の動画があがった。途中で映像がなくなるが、ともあれ便利な世の中だ。



 いろいろ情報の訂正が必要だ。演奏したのは “Angel Dream” であり、ギターは最初から用意されていたらしい。トムさんが「ギター無しステージに立つのは緊張するんですよ。ギターあります?」と言って、ストラトキャスターが登場したので、これが「学生の一人から借りた」という話に変化したらしい。
 まだ45歳のトムさん。やっぱり若いし、髪もツヤツヤ。この時期によく着用している丸型メガネも、この時はとても似合っていた。
 この会合自体が、UCLAの同窓会の組織らしく、手作り感がある。既にベテラン大物ミュージシャンだったトムさんが、この授賞式に出席してくたのは、LA在住が長く、UCLAにもそれなりの愛着があるからだろう。
 こういう歴史的なスピーチや、演奏がもっと共有されると嬉しい。