The Fool on the Hill2022/07/26 21:48

 ホルンがどうの、オタマトーンがこうのと、要するに私は器楽が好きなのだ。歌が歌えないので(要は音痴)、楽器の演奏に走る。面白い楽器も好きだ。
 様々な楽器が効果的に用いられている楽曲の一つが、ザ・ビートルズの "The Fool on the Hill" ―― ポールによる1967年の名曲である。



 なんと言っても印象的なのは、全曲に渡ってフィーチャーされているフルート。これは専門のフルート奏者3人が演奏していると、予想がつく。
 私はリコーダーも本職の人か、フルート奏者が吹いていると思ったのだが、確認してみると、ポールが自らリコーダーとティン・ホイッスルを吹いているそうだ。リコーダーやティン・ホイッスルというのは、あれでけっこう難しい。音程と音量の調整が難しく、正確に演奏しようと思ったらかなり耳が良くないといけない。
 ポール、本当に上手い。ヴィヴラートがちょっと大袈裟で、タンギングが多いところは少し素人臭いが、それ以外は完璧ではないだろうか。ポールのこういう器用さが、彼の可愛くないところだ。モーツァルト型の万能天才で、音楽なら何をやらせても出来てしまうタイプだろう。管楽器にはそれなりの勘が必要だが、親から最初に買い与えられた楽器がトランペットというのだから、攻略できてしまうらしい。

 この曲、フルートやポールの演奏する楽器の他にも、ジョンとジョージがハーモニカや、ジョウ・ハープを演奏しているし、リンゴはドラムズのみならず、マラカスとフィンガー・シンバルも演奏している。
 ビートルズ後期の作品なので、ライブ映像がないのだが、このオランダのビートルズ・トリビュート・バンドが素晴らしい再現をしている。笛もさることながら、大きなハーモニカでの再現性が素晴らしい。
 このバンド、面白いなぁ。ちょっと気になる。