Mike Campbell and the Dirty Knobs2022/01/28 21:43

 マイク・キャンベルのバンド、ザ・ダーティ・ノブズの新曲が YouTube 公開され、同時にセカンドアルバム [External Combustion] が3月2日に発売されること、更に3月から7月にかけて、全米ツアーを行うことが発表された。
 うわぁ!2020年にファースト・アルバムを出して、もうセカンド・アルバムだなんて、凄い!マイク、よっぽど曲想が尽きないんだな…

 全米ツアーなんてアメリカ人が羨ましすぎる。まぁ、この時期に本当に出来るのかどうか分からないが、ワクチン・パスポートや、陰性証明などを活用するのだろう。いいな…いいな…行きたいな…こっちは家からも出られないというのに。思いはアメリカに飛ぶ。ブルックリンの会場の地図見たりして。ああ…近くに良い感じのホテルもある…!
 ツアーのライブ会場は主にライブハウスだが、時々けっこうな大きさのころがある。カリフォルニアの Shoreline Amphitheatre なんて、私が生まれて初めてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズを見た、野外円形音楽堂ではないか。
 埋める自信があるんだな…思えば、マイクはどんどん「トム・ペティ化」しているし、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの曲もけっこう演奏してくれる。バンド名だって、ただの「ダーティ・ノブズ」から、「マイク・キャンベル&ザ・ダーティ・ノブズ」に改めたらしい。下手したら、ゲストによっては "Handle with Care" すらやりかねない。
 「国の宝:トム・ペティ」を失ったアメリカ人や、その他の国のロック・ファンたちは、意外にも未亡人のマイクが大活躍して、しっかりハートブレイカーズ・ファンの心を掴んでくれたことに、感謝しているのだろう。少なくとも、私はそうだ。

 さて、新曲の "Wicked Mind" である。イカしたゴキゲン・ロックンロールに、珍妙なミュージック・ビデオ。マイクの微妙な演技!若いハートブレイカーズ時代の、恥ずかしそうで控えめな青年と同一人物とはとても思えない
 そしてノブズのバンド・メンバーも、表情豊かに演じてくれる。



 完全に TP&HB 楽曲のオマージュのようで、そのくせ統一感があって、格好良い。エンディングなんて完全に "You Wreck Me" だ。
 これでよく分かるのは、マイクがギターという楽器の力を心底信じていて、その響きの良さを誰よりも理解し、愛していると言うことだ。
 格好良いコードをガシャガシャ弾きまくって、切れよく決めれば、極上のロックンロールになる。ことは単純だが、意外とギターを信じ切らないと出来ない。マイク・キャンベルという希有のミュージシャンだからこそ出来たサウンドかも知れない。
 面白いことに、マイクはけっこうブリッジ(トムさんは小節数に関係なくミドル・エイトと呼んでいた)に特色があることが分かる。後にギター・ソロの見所になるのだが、やり過ぎずに済ませる潔さとのバランスの絶妙。

 もう最高。このクォリティのアルバムが届くのかと思うと、待ち遠しくて仕方がない。
 ありがとう、マイク。マイクのおかげで、どれほどトムさんを失った喪失感から救われているか、計り知れない。