All Things Must Pass / Session Outtakes and Jams2021/08/24 20:24

 [All Things Must Pass / 50th Anniversary] の最後を飾る5枚目が、[Session Outtakes and Jams] ―― これがかなり楽しい。

 初っぱなから、感動の超名曲 "Isn't it a Pity" を、"so shity" と歌い出し、「この曲、いったい何テイク目だ。おなじことばっかりやってるんだけど ――」という笑える歌詞から始まる。
 長時間、スタジオに缶詰めになると、そう歌いたくなる気持ちはよく分かる。

 アルバムに収録された本編バージョンが、本当にベストだったのか考えさせられたのは、"Art of Dying" だ。これが Take 1 だと言う。この初期バージョンの方が良いではないか。



 アルバム収録バージョンもギターが何重にも鳴るハードな響きだが、分厚いブラスの音がパンパカ鳴りすぎるという印象もある。それに対して、このバージョンは、シンプルでいい。
 似ているのは、ビートルズの "While My Guitar gently Weeps" だろう。あの曲にブラス隊を重ねるような野暮なことを、さすがのビートルズはやったりしない。
 うーん、この判断はどうだったのだろう?そもそも、誰の趣味か?フィル・スペクターか?ジョージ・ファンは、何か都合が悪いことがあると、何でもポールかフィル・スペクターのせいにする、悪い癖がある。ジョージ自身の判断だったかも知れない。
 ともあれ、アルバム収録バージョンは、ブラスを省いて、クラプトンとジョージのギターバトルに終始して欲しかった。

 面白い選曲だったのが、"Get Back" ―― あのビートルズの、"Get Back" である。



 [Concert for Bangla Desh] のリハーサルやジャムで、レオン・ラッセルが何を歌おうかとなったときに、「みんなが知っている曲」ということで、"Jampin' Jack Flash" が選ばれたのは、有名な話。
 この "Get Back" が演奏されたのも、同じような理由だろう。"Get Back" のシングルが発売されたのが前年の春。1年以上経っていたから、みんなちゃんと覚えていたのだろう。
 それにしても、この "Get Back" 格好良い!悪いけど、本家ビートルズの "Get Back" よりも数段格好良いじゃないか。さすがジョージ、絶好調である。

 最後に嬉しかったのが、"It's Johnny's Birthday" の、オリジナル。アルバムに収録された、グニャグニャしたのじゃないバージョンが聞きたかったのだ。
 本当に、ジョージが仲の良い友達と楽しく音楽をやっている感じが出ていて最高だ。

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