You and Me (Clubhouse Version)2018/08/31 22:11

 さて、周知のとおり、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのボックスセット,[An American Tresure] から、第二弾,"You and Me (Clubhouse Version)" が発表された。
 先だって募集されていた、ファンからの写真,動画をコラボレートしたPVが素晴らしい。



 最初にトムの話す声がして、ギターが取り出され、ソファのそばにそっと置かれる。彼はそこに居るのだ。
 その向こうで、ベンモントがピアノに向かう ― 

 この曲について、「ピアノはトム・ペティが弾いており、彼のタッチに合わせてベンモントがピアノを弾いている」という情報に接したのだが、私にはこれがちょっとした混乱なのだ。
 あのピアノの音、全てトム・ペティが弾いている?そしてベンモントはピアノを弾く振り(いわゆる手パク)をしているの?だとしたら、トムさんのピアノは大したもので、全く専任のキーボード奏者としても通用する!ソロの作り方なんてベンモント以外の何者でもない。40年以上一緒にいると、やっぱり伝染るのか。
 いや、それともピアノの一部はトムさんのもので、ベンモントが被せて録音しているのか。あまりにも上手すぎて、私にはその線も捨てきれない。それほど、このピアノは素晴らしいと思う。

 ビデオに登場する写真や動画の数々が、トム・ペティへの愛情と愛惜に満ちていて、胸が一杯になる。
 特に「分かるなぁ…」と共感したのが、ライブをノリノリで見ながら、涙を拭く女性の動画。そうだ、あの感じ。最高の音楽に浸って、幸せなのに、なぜか涙が出るのだ。
 感動で涙が出るのかも知れないが、同時にこの幸せは、いつか ― コンサートのことだから、もうすぐ終わるということを、知ってしまっているからかも知れない。

 アメリカでのライブを予約して、その日が来るのが待ち遠しいようで、憂鬱だった。特に出発の前日はひどく。ああ、始まるということは、終わりが始まるとうことなのだ。そう思うと、切なくて仕方が無かった。
 "You and Me (Clubhouse Version)" のトムさんの歌声は、そんな記憶を笑い話にしてくれそうな、でもやっぱりどこか悲しくて。人生はそういうものなのだと、むしろ爽快な気持ちまでも、呼び起こすのだ。

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