R.I.P. Denis Ten2018/07/23 20:52

 カザフスタンのフィギュアスケーター、デニス・テンが殺害されたというニュースは、衝撃的だった。私は朝のニュースで知ったのだが、大声で「ええッ?!」と叫んでしまった。
 好きなスポーツの選手が、現役中に亡くなるというのはなかなか無いが、不幸にして私がF1を見始めて間もない頃に、セナが事故で亡くなっている。衝撃的であり、二度と起こってほしくはなかったが、一方で、元々危険なスポーツでもある。
 しかし、フィギュアスケーターが、しかも殺害されるだなんて。そんな悲劇、私は経験したことがない。
 それを思うと、ジョン・レノンが殺害されたときの衝撃たるや、想像を絶する。

 デニス・テンはバンクーバー・オリンピックの後から、トップクラスにのしあがって来た。最初はグランプリ・シリーズでお馴染み…という存在だったが、2014年ソチ・オリンピックでのフリーの大逆転劇で、銅メダルを獲ったのは凄かった。
 何せ、ソチのフリーと来たら金,銀メダリスト双方がグダグダで、私もフィギュア師匠(2018年2月18日の記事に登場)も、「もう一回やり直せ!」と異口同音に叫んでいたのだ。ダークホースではあったが、テンの銅メダルは立派なものだった。

 翌2014-2015年シーズンが、テンのもっとも良い時期だったろう。
 グランプリ・シリーズではジャンプが決まらず、なかなか上にあがってこなかったのだが、フリー・プログラムの良さはかなり早い内から分かっていた。選曲、衣装、振り付け、それを表現するテンの、優雅さ、力強さ、しなやかさ ― 雰囲気全てが合っていた。
 それが結実したのが、2015年の四大陸選手権だった。四大陸選手権というのは、存在意義がやや曖昧な大会だが、その分力が抜けて、意外に良い演技が飛び出して来ることがあるので、面白い。



 ほぼ、完璧。本田さんも絶賛。
 ふとしたつなぎの、視線、仕草、空気感までも完璧に支配されている。この表現スポーツで、ここまで出来た演技というのは、そうそう見られる物ではない。それほど素晴らしかった。氷上に倒れ込んだテン自身にも、きっとそれが分かっていたに違いない。
 結果はダントツの金メダル。当然。

 私はこの時のデニス・テンが忘れられない。あの、完璧なプログラム。あの達成感。テンが登場するたびに、あれの再現を祈っていた。
 残念ながら、昨シーズンはコンディション不良で振るわなかったが、男子選手なので、まだまだ行けたはずだ。無論、ジャンプの質も量も変わってきている中、彼が世界選手権で金メダルを取れるかというと話は別。しかし、見るのが楽しみな選手だった。そういう存在が、残酷にも殺害されるだなんて。そんな事があってたまるか ―
 R.I.P, Denis. I miss you.

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