Last Night on Earth (Noah and the Whale)2018/04/27 21:34

 映画「ボブという名の猫」を見た時、劇中で使われている音楽が良かったので、それを作った人、チャーリー・フィンクを聞こうと思った。なんでも、ノア&ザ・ホエール Noah & The Whale というバンドをやっていたという。過去形だ。2015年に解散している。
 何枚かアルバムがあるが、試聴したところ2011年の [Last Night on Earth] が良さそうだったので、購入した。



 これはかなり当たり。大好き。
 物の記事によると、このバンドは2006年結成のUK バンドで、British Indie Rock とか、Folk Band とか言われている。曲そのものはまさにフォーク・ロック。アレンジがポップでやや80年代風。
 このアルバムを聞いて連想するのは、ボブ・ディラン、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ、ジョージの Dark Horse レーベル時代、特に [Cloud Nine]、ウィルベリーズ、ザ・ヘッド&ザ・ハート、クラッシュ・テスト・ダミーズ。

 まずは、シングルカットされた "L.I.F.E.G.O.E.S.O.N"。アルバムのタイトルはこの曲の歌詞から来ている。



 お次は、"Waiting For My Chance To Come"。トム・ペティが80年代中盤に作って提供したのだとしても、驚かない。断っておくが、音楽は好きだがチャーリー・フィンクの容姿はタイプではない。



 気に入ったバンドや人が出てくると、Tom Petty とともに検索してしまうのが習慣になっている。喪失感をそうやって埋めているのだろう。
 案の定、フィンクはトム・ペティをお気に入りのミュージシャンにあげていた。こちらなどでは、直接の影響について述べている。

Noah and the Whale: 'Going out with our head held high'
Charlie Fink: 'I've accepted who I am'

 ドキュメンタリー映画 [Runnin' Down a Dream] を見たフィンク、ソングライティングについて語られたのを聞いて影響を受けたのだと言う。曰く、"Don't bore us, get to the chorus." 長ったらしいジャムなどしていないで、さっさとサビを歌え ― だから歌詞を書きまくったとのこと。
 この"Don't bore us, get to the chorus." というのは、実はトムさんではなくマイクの台詞だ。TP&HBがオールマン・ブラザーズ風の長いインストルメンタルのジャムを長々とやるタイプのバンドではない、という話の流れ上、マイクが述べているのだ。「ぼくらにはスローガンがあった。Don't bore us, get to the chorus."」
 まったくその通りで、我がロックンロールはそうではなくてはいけない。



 この "Don't bore us, get to the chorus." という言葉は、ほかにどこか、オリジナルがあるのだろうか。1990年代にはほかのアーチストのアルバムタイトルにもなっている。

 ノア&ザ・ホエールのことを、しばらく「ノア&ザ・シャーク」だと勘違いしていた。TP&HBのファースト・アルバムのレコーディング・スタッフに、ノア・シャークという人がいたせいだと思う。
 ともあれ、TP&HBと浅からぬ縁があるようで、無いような。でもすごくお気に入りのアルバムを見つけたので、猫の映画のサウンドトラックとともに何度も聴いている。