It's Best Frend's Birthday2018/02/01 21:51

 マイク・キャンベルが自分のバンド、ザ・ダーティ・ノブズのライブで、友人であるトム・ペティのために、"Something Good Coming" と、Runnin' Down a Dream" を演奏したという。
 ダーティ・ノブズのライブで、ハートブレイカーズの曲をやるのは初めて。





 これはもう、多くを語る必要はないだろう。トムは世を去り、その親友であり、相棒だったマイクは、この世に生き、音楽を奏でている。
 マイクの歌が、あまりにもトムさんに似ていて、言葉を失う。最初は他人だった夫婦が、長年連れ添うと、似てくるという現象と同じだろう。しゃべり方もそっくりだ。

 そして生きる世界を異にしてもなお、二人は魂の親友であり、相棒であり続けている。いま、この瞬間も ―
 マイク、お誕生日おめでとう。トムさんも、きっとそう言っている。

Day Tripper / I'm Looking Through You2018/02/06 19:13

 NHKの語学番組、「旅するドイツ語」。ウィーン編に続いて、ベルリン編も見ている。

 観光地,名所案内としては、やはりベルリンはウィーンに比べて分が悪い。その不足分を、ニクラス(クマ系)とベルナルド(ガリガリ系)という若い俳優コンビが、月に一回ベルリン以外の街をネイティブ・ドイツ語を話しながらめぐるというコーナーで、埋めている。このコンビ、無駄にイチャイチャするので面白い。
 アニメコーナーでルートヴィッヒくん(なぜかサムライ口調)と、ヴォルフガングくん(数字に弱い)が文法のまとめをするのは、ウィーン編と同じ。カラヤン氏は赤いスポーツカーをぶっ飛ばしている。月に一度、大喜利のようなことをするのだが、ゲストが凝っていて面白い。シャイすぎてほとんど喋れないブラームスに、オレ様すぎるヴァーグナー、そして金持ちすぎて話が合わないメンデルスゾーンなど。

 さて、この番組。ドイツ語のくせに、テーマ音楽がビートルズ。"Day Tripper" から始まる。最高なんだけど、突っ込まずにはいられない…。分かっている。ドイツ語でビートルズみたいな、素敵ロックはないのだ…
 エンディングもビートルズで、"I'm Looking Through You"





 "I'm Looking Through You" と言えば思い出すのが、ザ・ウォールフラワーズによるカバー。
 確か、これは映画のサウンドトラックとして収録されていたのだと思う。凄く良い曲だし、演奏も良い。
 しかし。しかしだ、ジェイコブ・ディラン!きみに期待するのは、そうじゃない。じゃぁ何だと言われると困るのだが ― "Taxman" かな? ― とにかく、どうしてポールの曲なんだろうって、思う。格好良いけどね。

Multi-Format [Concert For George] Reissue2018/02/10 20:12

 2018年2月23日、[CFG] こと 「コンサート・フォー・ジョージ」のリイシュー版が、世界同時発売される。

 さぁ、いまこそ!名作 [CFG] を買うときです!

 今回のリイシューは、ジョージの生誕75年を記念してのもの。形態によって四つのバリエーションがある。これまでもBlu-ray化や、期間限定のフリー視聴などなど、様々なかたちでCFGは送り出されてきた。まるで "The Last Waltz" だ。それほどの価値のある、極上のコンサート、[CFG]。

 今回は初めてアナログ盤が出る。私はアナログ盤を集める趣味がないのでこれは遠慮する。さらにデラックス・ボックスは、コンサート当日に飾られたタペストリーの断片が入るという、マニア向けのシロモノだ。
 私は、CDとBRボックスを予約した。すでにDVDも、BRも、CDも持っているが、CFGはいくらあっても良い。買って人にプレゼントしたことも、一度や二度ではない。
 そもそも、トレイラーからして既に名作。



 クラプトン,ジェフ・リン,TP&HB, ポール,リンゴ,ビリー・プレストン,ゲイリー・ブルッカー,ジョー・ブラウン,サム・ブラウンなどステージの中心に立つミュージシャンたちのみならず、バンドを構成する大物ミュージシャン ― ジム・ケルトナー,レイ・クーパー,ジム・キャパルディ,ジュールズ・ホランド,マーク・マン,アルバート・リー,ジム・ホーン,そしてクラウス・フォアマン…その他大勢 ― 豪華すぎて舞台の床が抜けそうで、しかも若かりし頃のジョージとまったく同じ容姿(少し小さいだけ)のダニーがいる。
 ついでに、客席にいるスティーヴ・ウィンウッドとビル・ワイマンを捜すという、おまけつき。
 インド音楽のパートもかなり魅力的で、CFGのBRをウクレレの先生(ギタリスト)にプレゼントしたら、インドパートにはまっていた。
 忘れてはいけない、モンティ・パイソン!私はこれでパイソン・ファンになった。
 映像作品としては、コンサートの完全版はもちろんだが、劇場上映版のインタビューや、リハーサル風景なども必見だ。

 「でも、ジョージ本人はいないじゃん?」と言った友達がいた。
 私に騙されたと思って、とにかく見ろ!…と言ったら、次に会ったとき彼は「泣いちゃったよ…」と報告してきた。
 そう、ジョージの追悼コンサートでジョージ本人はいないのに、ジョージはまちがいなく「いる」のだ。絶対そう確信できる。
 何度見ても、ボロボロ泣ける。

 今回のリイシューを見たら、今までとはまた違う感慨だろう。当時52歳だったトムさんと、ハートブレイカーズが「若手」として活躍している。
 "Taxman" はこのコンサートで一番にロックな格好良さであり、"Handle with Care" はまさに夢の実現。そして、ここでは "I Need You" をあげておこう。CFGで演奏された中で、ジョージのもっとも初期の曲だ。
 いわゆる、「ギタリスト声」というそうだ。ああいう、ジョージやトムさんのようなやや薄くて、儚げで、でも説得力のある声。ビートルズでの録音時、ジョージは23歳くらいだったと思うが、52歳のトムさんが、あの若さ、若さ故の苦さ、胸がいっぱいになるような切なさを、完璧に再現している。
 ロイヤル・アルバート・ホールの天井 ― そしてその上の空を見上げ、歌を捧げるトム・ペティ。歌い終わり、ちょっとだけうつむくトム・ペティ。ああ、きっとジョージとトムさんは一緒に歌っていたのだろう。そして今もきっと、一緒に歌っている。



 ことが [CFG] となると、もはや落ち着いてなどおられず、片っ端から人をつかまえて、勧めたくなる。ジョージや出演者のファンでもなくても、勧めたくなる。音楽が好きなら、きっと何かを得るはず。 ― いや、音楽に特に興味のない友人に、「パイソン物」として貸したら、「あのコンサート、いいね」という感想が返ってきたことすらある。
 きっと、音楽を抜きにしても、人間が生きていること、友達がいるということ、友達への愛情を表現するということが、どれほど人の心を動かすのか ― そして、それをいきいきと、明るく、そして感動的に伝えきっているものこそ、[CFG] だからだろう。

 さぁ、いまこそ!「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです!見るのです!本当に、本当に素晴らしいから!

CFG: Fashion Check !2018/02/16 22:31

 何度でも言うが、私は [CFG] こと、「コンサート・フォー・ジョージ」が大好きだ。
 どのくらい好きかと言うと、[CFG] のポスターを1万円で買ったくらいだ。
 ビートルズグッズ専門店に問い合わせた当初は、無いとのことだった。その後、店から入手できたが、1万円でどうかというオファーが来たのだ。即購入。5万円でも買っただろう。

 さて、今日は [CFG] のファッション・チェック!

 まず女性陣から言えば、サム・ブラウンの圧勝だろう。大胆なドレスで、圧倒的な歌唱力。帽子も格好良いし、それを拾う仕草、小さい頃からよく知っているダニーの手を取る仕草、どれも姐さん、貫禄十分です。
 オリヴィアはこのコンサートのために、ドレスをあつらえたのだろう。雰囲気に合っていて、とても素敵だ。

 さて、男性陣。
 一番多いのは、スーツでびしっと決める面々。ジェフ・リン,ポール、そしてトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズは細身のスーツで格好良い。マイクがちょっと怪しい感じだが、でも格好良い。
 アメリカのツアー中にロンドンに飛んでくれたハートブレイカーズ。そういえば、トムさんの脂肪吸引疑惑が囁かれたのはこの頃だったか。
 アメリカからびしっとスーツで、気合い十分で乗り込んできたハートブレイカーズ、その前に現れたのは…

 カジュアル勢。
 まず、クラプトン。…ユニクロ…?ユニクロ?そして覚えておかなければならないのは、クラプトンのソックスは、白いということ。どこで分かるのか?それは見てのお楽しみ。ヒント、前半。
 そしてダニー。インド風の上下でとても清楚で可愛い…すごくセンスのあるチョイス。哀れな感じなんて微塵も無くて、天使…?!というか、ジョージ…?彼の佇まいも、このコンサートを温かく、心地よいものにしている一つの要素だろう。
 そして、なぜかひとり南国気分の、ジョー・ブラウン。娘とは正反対の、アロハー!な、リラックス・スタイル。このアロハがコンサートのトリで、号泣させる。

 そして、どう分類すれば良いのか分からない、大ボス。それがリンゴ。
 追悼コンサートなのに、真っ赤なジャケットにハデハデ刺繍、カジュアルなボトムズ。リンゴだから合っているファッションなのだろう。
 若い頃からそうだが、リンゴは何を着ても様になる。

 さぁ、「コンサート・フォー・ジョージ」を買うのです…見るのです!ジョージ・ファンならずとも、ぜひ。

Figure Skating: Olympic Game2018/02/20 21:11

 週末は、フィギュアスケートで大盛り上がりだった。
 私はどうしていたかというと、当然、大盛り上がりだった。どのくらいかと言うと、金曜日のランチは「フィギュア師匠」と中継が見られる店で落ち合い、がっつり第4組を見て、勝手に採点し、最終組への展望を語り合った。そしてその後はネットなどの一切の情報を遮断し、人のお喋りも聞こえないようにイヤホンを装着して仕事を終え、SPの結果を知らないまま急いで帰宅し、家族にテレビを点けるべからずと言い、ビデオで見たというほど。
 そして月曜日は、採点詳細をプリントアウトし、再び師匠と同じ店で落ち合い、総括をするという徹底ぶり。

 私がこのブログの記事で「良い」と名をあげたSPの三名は、いずれもミスしており ― ネイサンはミスどころか、致命傷だった ― 師匠曰く「デス・ノートか!」だそうだ。
 「トゥーランドット」は良かったじゃないかと言ったら、冒頭の 4Lo を成功していれば、金だったろうとのこと。なるほど。

 ペアには興味がないが、アイス・ダンスはかなり好き。贔屓にしているシブタニ・ペアがメダルを取ったのは嬉しかった。

 曲について、いくつか質問を受けた。
 金メダリストのSP。ショパンの「バラード1番」は、誰の演奏か?これは分からない。冒頭がツィメルマンっぽいが、断言できないし、コーダはまったく違う。むしろ、あのコーダの弾き方はかなり特殊なので、誰かの演奏を編集して速くしているか、このプログラムのために録音したか、どちらかだろう。
 金メダリストのFP。冒頭の笛は誰の、何か。これも分からない。少なくとも、私が知っている雅楽関係者ではない。伶楽舎の人もピンときていなかった。そもそもあの笛は、龍笛ではなくて、能管かも知れない。もしくは、龍笛を能管吹きしている可能性もある。

 銀メダリストのSP。ヴィヴァルディの「四季,冬」だが、今シーズンの途中で、編集が替わってはいないだろうか。その通り。シーズンはじめは、編集で終盤の同じ小節を2回繰り返していた。不自然で気持ち悪かったのだが、オリンピックでは編集を替えて、繰り返しをなくし、不自然さが解消していた。
 銀メダリストのFP。「トゥーランドット」の歌手は誰か。これは以前にもここに書いた。あれはホセ・カレーラス以外の誰でもないだろう。私は今回のオリンピックでカレーラスの凄さを再認識した。

 刑事さんのSP(けっこう好き)。演奏者は、誰か。ゲイリー・ムーアっぽいなと思いながら確認したら、その通りだった。

 女子は男子ほど、私のなかで盛り上がってはいない。ただし、長洲未来のことはとても応援している。
 実は、彼女のことは一度このブログで記事にしている。

 2016年4月5日 Demons

 この時は「特に好きな人ではない」と言っているが、その後、見方がかわった。今の女子シングルにして3Aに挑戦し、団体戦で認定,加点されている。あの気迫を前面に押し出した演技には感動してしまった。

 実のところ、例の「フィギュア師匠」も、私も、今回のオリンピックで一番のヒットは、長洲とアダム・リッポンの胸キュン友情物語なのだ。

Four years ago, USA’s Adam Rippon, Mirai Nagasu shared burgers and a dream. Now they’re Olympic medallists

 代表落ちをした4年前、二人で泣きながら屋根でハンバーガーを食べ、そして今ふたりはチーム(&ルーム)・メイトで、長洲は会心のFPでガッツポーズ、リッポンが泣き、長洲にキスをして、団体で銅メダルを取る。

 師匠「映画だ!これは映画化モノの友情物語だ!」
 私「屋根でのハンバーガーは、夜のシーンにして、曲はトム・ペティを流してやる!」(勝手に決める)

 リッポンはメダル級の人ではないが、自分を貫いていて、けっこう好き。
 そして、長洲は明日からシングルの試合。彼女の渾身の滑りと、客席のリッポンに注目だ。

 師匠「デス・ノートだから、言わない方がよくない?」
 もう遅い。

Concert for George (not reissue)2018/02/24 22:04

 さぁ![CFG] こと、「コンサート・フォー・ジョージ」リイシュー版の発売!見るぞ!…と思ったら、まだ手元に届かない!!

 ……………!!

 よし、旧版のBlu-rayを見よう!

 我ながら何をやっているのか、分からなくなってきた。

 しかしまぁ、もう何十回見たか分からないし。泣きはしないだろうと。高をくくる。
 駄目だった…やはり、パイソンのところと、エンディングで泣いてしまった…

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズで号泣するかと思ったら、それがそうでもない。なんだか凄くロックンロールなバンドが出てきて、"Taxman" を演奏するところなんて、ゾクゾクするほど格好良い。マイクの短いソロは、このコンサートの中でも最もイカした演奏だろう。
 マイク・キャンベルといえば、ハートブレイカーズが演奏を始めようとするとき、トムさんと顔を見合わせ、「いいよ」と言う声が PA に拾われている。待てよ、もしかしてステージ上でマイクが出した声が、PAに拾われて聞こえるって…これが初めてのことではないだろうか?
 トムさんももちろんだが、マイクも出てきたときから笑顔全開で、ジェフ・リンやダニーの顔をみると、さらに笑顔が輝く。このコンサートに参加したことが本当に誇らしく、嬉しく、幸せなことだったのだろう。
 "I Need You" で、泣きはしなかったが、トムさんの美しいグレイッシュ・ブルーの瞳が印象的だった。ほんとうに、美しい目をしていた。

 [CFG] を見ていると何から何まで、細かいことがいちいち素敵に思える。
 アヌーシュカのピアスが最高。あれ、欲しい。
 ジム・ケルトナーのシャツはボブ・ディラン。
 "Handle with Care" でトムさんのカウントに続いて一発目のドラムが鳴るとき、背後でマイケル・ケイマン(ストリングスの編曲・指揮者)が手を「パン!」と叩いている。
 リンゴが出てきたとき、とっさにクラプトンが振り返って、「ちょっと待った!」をやっている。そしてビートルめがけて、ジェリー・ビーンズが飛んでくる。ダニーがびびる。
 ポールが歌っている間も、後ろで大熱唱するクラプトン。
 花びらの散る "I'll See You in My Dream" でダニーの肩を抱くクラプトン。ダニーがオリヴィアと抱き合うと、ウルウルした目をして、小さく "Yeah" と呟くクラプトン。

 クラプトンは、本当に、本当に素晴らしい仕事をした。"While My Guitar Gently Weeps" の最後で、演奏と終わらせるために振り返った姿は、クラプトン史上もっとも格好良い。燃え尽きたみたいに、うつむいてしまうクラプトン。それに声をかけるダニー。美しい。
 そしてジェフ・リン。彼のヴォーカルの良さがすごく味わえる。"Something" などはサポート役に徹しているが、その存在感、美しさ。彼はソングライティングや、プロデューシングなどで高評価だが、そのヴォーカルも素晴らしいと思う。
 そして共演者と顔を合わせると、「テヘッ」と笑ってみせる。素敵。

 編集も良い。最後の方になると総立ちになる観客に視界が阻まれる感じに、臨場感がある。

 そして、相変わらず感心するのが、"Wah-Wah" におけるトムさんの位置取りの妙。あれほど完璧な立ち位置があるだろうか。クラプトンの顔を見て大笑い、ダニーを見てニコニコ。見事な金髪を輝かせ、ややいい加減にギターを弾くトム・ペティ。彼がもうジョージのところへ行ってしまった悲しみよりも、あの輝くばかりの存在に幸福感が溢れる。

 [CFG] を見ると、何もかもが素敵で、まとまりがなく、爽やかな感動と満ち足りた気持ちが残る。そして人間は捨てたもんじゃないし、友達っていいな、そう思う。

CRT ジョージ・ハリスン生誕祭2018/02/28 21:29

 リイシュー版「コンサート・フォー・ジョージ」も届いて、一安心。[CFG] はいくつ持っていても構わない。



 リマスターではないので、画質も何もまったく変わらない。国内版はまだ出ていないと思うが、日本語の字幕もあるので、今回のリイシュー版で十分だ。
 そのような訳で、また見ている。

 日曜日は、毎年恒例、レココレ・プレゼンツ CRT ジョージ・ハリスン生誕祭だった。これまた例年の如く、参加する。

 今年の本秀康さんは、「インドに行く!」だそうだ。以前にも行って野犬に襲われていたが、今回は数日リシケシュに滞在して、修行プログラムみたいなものを実践するそうだ。
 ジョージ・ファンを極めると、インドに行くことになるのだろうか。もっとも、私はインドに行こうという気は今のところ起きていない。

 さて、これまた毎年恒例、本さんの妄想タイム。いろいろ楽しい想像をめぐらして、面白い。
 今年面白かったのは、「CFGでのジェフ・リンの服装がダサすぎる」だった。
 細身のスーツに身を包んで格好良いと思っていたので、ちょっとビックリした。本さん曰く、あの帽子はおかしいとのこと。なるほど、絵を描くひとは違う。そこで本さんが言い出したのが、
「あの帽子は、ジョージの遺品ではないのか?」ということ。2000年 [All Thing Must Pass] のプロモーション映像で、ジョージが被っていた帽子と似ているのだという。
 私も確認してみたが…どうも、違うようだ。ジョージの帽子の方が深いだろう。それにしても、そういう想像は楽しい。年中友達にプレゼントをしていたジョージのことだから、何かの拍子に帽子をくれてもおかしくない。

 [CFG] の話になり、これがどれほど良いか ― まったく無駄な人が居ないと言う。「なんでこの人?」という人が一人もいないというのだ。同感だ。
 ゲイリー・ブルッカーがジョージの親しい友人だということを、クラプトンがどう知ったかということを、本さんはこう想像していた。
 「クラプトンとジョージが一緒にメシ食ってるときに、ゲイリー・ブルッカーから電話がかかってきて、ジョージが15分くらい電話し続けて、クラプトンが『この俺と一緒にいるのに、こんなに放置されるほどの相手って一体何もんだ?!』となる」
 もちろん、そんなことはないだろう。ブルッカーとジョージは古い付き合いだろうから、クラプトンとも長いだろう。…いや、ひょっとして?70年くらいにそういうことがあったかも知れない…

 [CFG] の映像もたくさん見た。"Handle with Care" と、"I Need You" を大画面で見られたことはとても幸せなことだった。
 あのポールが聞き分け良いなんて希有な機会で、演奏も最高だった…ということで、[For You Blue], [Something] と続けて観賞。後者は、リハーサルを見ていたマイク・キャンベルが、「ポール・マッカートニーと、エリック・クラプトンの高音ハーモニーだなんて!」と鳥肌モノに感動していた演奏だ。私もこの演奏は名演だと思う。
 ポールはあのメンバーの中でも、ジョージの十代を知っている数少ない人の一人で、振り返るとそこにいるダニーの姿に、ドキっとして、思うところがあるだろうという話にもなった。もっとも、[CFG] の時ダニーは二十代だが。

 そして、本さんはこうも言った。「ジョージが死んじゃったのは悲しいけど、この時期で良かったですよ。トム・ペティも、ビリー・プレストンも出てくれて」
 その通りだ。あのときでないと、あのメンバーは揃わなかった。

 色々な成り行きと、幸運、友情と愛情と、最高の音楽とで、「コンサート・フォー・ジョージ」は出来ている。
 さぁ、今こそ、[CFG] を買うのです、見るのです、人にプレゼントするのです!