The Head and the Heart2017/09/16 20:40

 テレビでミュージック・ビデオを見て、少し気になっていたのだが、バンド名と曲名を記憶していなかったために、私の中で行方不明になっていたバンドが、インターネットのおかげでわかった。
 シアトル出身の6人組 ”インディ・フォーク・バンド”,The Head and the Heart ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハート 。私が見たのは、彼らの3枚目にして、メジャー・レーベルとしては最初のアルバムである [Signs of Light] からのシングル、"All We Ever Knew" だった。



 聞き直すと、やはり良い曲だったので、iTunes store でアルバムを購入した。
 後悔した。
 これはダウンロードではなく、ディスクを買うべきバンドだった。そのようなわけで、デビュー作からアルバム3枚を、先ほど注文したところ。

 シンプルで美しいメロディに、アコースティックとエレクトリックの上手いブレンド、厚みのある豊かなコーラスなどが目一杯詰まっており、[Signs of Light] には、ほぼ捨て曲が無い。一曲だけ、"Oh My Dear" だけは素の作りすぎて退屈だったが、それ以外は粒ぞろいで、素晴らしいロック楽曲ばかりだ。
 フィドルを入れているところが、バンドの特徴になっているが、別にこのフィドルが、もの凄く上手いというわけでもないし、彼女のヴォーカルもさほどのものではない。しかし、そういう絶妙な加減での「親近感」が、ロックの良さには必要なのだ。

 こういう、最近の音楽らしくオーバープロデューシング気味ながらも、フォークロックの要素が強く、「強さ」よりも「弱さ」に対する共感や、押しつけではない「美しさ」への憧れ、近所の若者たちが、既に巨大音楽産業の中心ではなくなっているロックンロールへの、忠誠心を表すような音楽 ― そういうものに、どうしても心を奪われてしまう。
 ジェイホークスや、ウォールフラワーズ、ルビーホース、シスター・ヘイゼルなどが好きになる感覚に、絶妙にマッチしてくるのだ。彼らに共通することは、ビートルズや、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのファンであり、実際の関わりもあるところだ。
 要するにFab やTP&HBファンである私と好みが同じなのだから、彼らが作るの音楽を好きになって、当然だろう。
 アルバム [Signs of Light] のプロデューサーは、ジェイ・ジョイスという人物なのだが、この人はウォールフラワーズとルビーホースとも仕事をしているので、彼らの音楽に共通する肌触りを感じるのは頷ける。

 散々 [Signs of Light] をヘヴィ・ローテーションして、さっきやっと知ったのだが、このザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートというバンド、TP&HBと縁の深いバンドだった。
 今年2月、トム・ペティがMusiCareを受賞したときのトリビュート・ライブに出演して、"You Got Lucky" を演奏していたのだ。
 何たる迂闊さ!ジェイコブ・ディランや、アイルトン・ウィルベリー、ジェフ・リンなどに目を奪われて、全く気づいていなかった。
 しかも、7月のハイドパークでもルミニアーズ,シェルターズと共に、名を連ねているではないか。
 偶然テレビでMVを見て、気になるには当たり前すぎるバンドだった。

 こうなると、MusiCare トリビュート・ライブの映像のソフト化を速く実現してほしい。
 ザ・ヘッド・アンド・ザ・ハートは、彼ら自身のライブでも "You Got Lucky" をレパートリーに入れており、そのオーディエンス・ショットで、いまは我慢して、彼らの最初の2枚のアルバムの到着を待っている。

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの制作者名最初のアルファベット半角大文字2文字は?

コメント:

トラックバック