Great Day2016/08/04 20:17

 アメリカのコメディ・グループ,ザ・ロンリー・アイランドのメンバー,アンディ・サムバーグによる "Great Day"。
 公開されたのは数年前だが、私はこの映像を昨日はじめて見た。これに関する情報をどこかで見ていたのだろうか。すっかり忘れていたのか?

 鼻の下に「白い粉」をつけたデニスが朝っぱらからハイになって、「訳もなく今日は良いになりそう!」と歌いまくるミュージカル映画のパロディ。
 部屋は荒れ、別れた妻や子供から手紙は来ない。でもどういう訳だが超ハッピー!仕事もクビになったけど、どこへでも行けそうな気分。どこに居たってハッピー、楽屋でも大親友たちとつるんじゃう!



「出て(ピー!)行け」
「はぁ?!」
「今すぐ」
「トム!」

 この動画、SNLで公開されたので、トムさんが出てきてもおかしくはない。そこらに居た大スターだったのか。
 飄々とご本人登場。しかも一瞬。スターの無駄遣い。楽しい。やはりコメディとロックは切り離せない。

Walls2016/08/08 20:41

 2016年8月6日は、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの [She's the one] の発表から20周年だそうだ。

 このアルバムが発売された頃、私はTP&HBのファンになってまだそれほどの年月が経っていなかった。音楽雑誌を買うという習慣もないし、発売日を前もって知って心待ちにして買うということもまだしていない頃だった。
 ただあるとき、歯医者の待合室で、すごく良い音楽を聞いた。あれは、"Walls" だったと思う。アルバム冒頭の "Walls (Circus)" だったのか、アコースティックな "Walls (No. 2)" だったのかは、定かではない。とくにかく、 "Walls" だった。
 その後、発売からどれくらいして、このアルバムを購入したのかは覚えていない。かなり経ってからではないだろうか。

 "Walls" はどちらが好きかというと、難しい。昔は "No.3" が好きだったような気がするが、あのゴージャスでカラフルな "Circus" もたまらなく好きだ。最初のカウントも含めて。
 ミュージック・ビデオはこの曲の厚み、色彩、不思議な浮遊感をうまく表している。あのTシャツはジョージからもらった物か、似ているけど違うのか?



 ライブで演奏されることの少ない曲だが、2003年の"Sound Stage" で演奏している。スコット・サーストンの活躍がグッと来る。オリジナルには無いピアノのソロも格好良い。可愛いリッケンバッカー型のマンドリンを弾きながら微笑むマイクも良い。演奏が終わった後に、満足そうにトムさんの背中を見つめている。
 そして、こういう曲を聴くといつも思うのだ。ハウイが居たら、さぞかし素敵だったろうと。

Tosca2016/08/12 20:47

 プッチーニのオペラ「トスカ」を Blu-ray で見た。

 21世紀になってからの新しい画像が良いと思ったのだが、Amazon で検索すると、以外と選択肢が少ないのに驚いた。イタリア語のオペラなので、字幕も必須だ。
 あまり多くない選択肢から選ばれたのが、2006年アレーナ・ディ・ヴェローナ。野外劇場でドカンドカンと大砲を撃ちまくる。この会場は夏期のオペラ公演で有名。マリア・カラスのイタリアでのデビューもこの場所だったそうだ。

 トスカというと、歌姫トスカとその恋人で画家のカヴァラドッシ、トスカに横恋慕するスカルピアの愛憎劇。トスカには気の強さ、激しさが求められ、同時に最初から最後まで金切り声を上げ続ける強靱さが必要。
 カヴァラドッシのアリア「星は光りぬ」とトスカの「歌に生き、愛に生き」が有名。トスカを知らなくても、この曲に聞き覚えのある人は多いだろう。
 「トスカ」の鍵となるのは、スカルピアだと思う。バリトンの悪役。この役どころが弱いと、オペラ全体が締まらない。私自身が、テノールよりバス,バリトンの方が好きなので、この舞台でもルッジェーロ・ライモンディが演じるスカルピアが一番良かった。
 こちらは、第一幕のフィナーレ「テデウム」。マーラーに言われれば「鐘が鳴りっぱなし」の騒々しく、荘厳で、エネルギーに満ちた名場面だった。



 「トスカ」はオペラ上演中のハプニング・エピソードには事欠かない。トスカがスカルピアを殺害するシーンで実際に怪我をさせたとか、ナイフが無くて仕方なく絞め殺したとか、ロウソクの演出が決まりなので、延焼が発生するなどの騒ぎが多い。
 第三幕のフィナーレ,つまりオペラのラストシーンは、トスカがサンタンジェロ城から身投げするのだが、トランポリンで歌手が壁の向こうから何度も跳ね上がったという伝説もあるし、兵隊がトスカに続いて次々飛び降りたとかいう話もある。
 私が見たディスクのトスカは飛び降りるのではなく、サンタンジェロ城先端の天使像の上で十字をかざすというシーンで終わっている。ちょっと中途半端ではないだろうか。演出としては難しいところだろうが、ぜひとも飛び降りて欲しかった。

Break-up2016/08/16 21:28

 夜中にテニスを見ていたら、ニュース速報が流れた。何事かと思ったらSMAPが解散だという。
 「あら、まぁ」と思った。

 大好きなグループが解散してしまうというのは、ファンにとっては悲しいことだろう。しかも、長期にわたって活動していただけに、喪失感も大きいに違いない。特にファンだというわけでなくても、多くの人が慣れ親しんだグループなので、寂しさもある。
 解散の原因について、あれやこれやと内情を探ったり、悪者を物色したり、周囲がどうこうと言いたてるのが盛んなようだが、当人達も立派な大人だ。彼らの解散という決断こそが、一番大きいだろう。そこに善も悪もない。彼らはそういう道を選んだ。

 思えば、私は好きなバンドに解散されてしまったという経験が無い。ビートルズはファンになった時点で、とっくの昔に解散していたし、メンバーの一人は故人だった。ハートブレイカーズとストーンズは相変わらずバンドをやっている。この二組は経年による活動の自然消滅はあっても、はっきりとした「解散」は今更ないと思う。
 シスター・ヘイゼルが解散したら、ちょっとショックだ。
 ジョージは若くして亡くなってしまったが、せっかく生きているのに別れ別れになってしまうのとは、また悲しみの種類が違う。

 SMAPのメンバーは、帰るべきグループを失い、それぞれ自分だけの活動に入るのだろう。5人全員が集まらなくても、何人かは一緒に仕事をすることもあるだろうか。
 生きてさえいれば(不幸にして、誰かが亡くなっても)、いつかまた、一緒に素敵な何かを作ることが出来るかも知れない。
 ファンにはそういう希望があっても良いと思う。

Something to Believe in2016/08/20 22:26

 シスター・ヘイゼルの新譜から、"Something to Believe in" のリリック・ビデオが公開された。リリック・ビデオというジャンルがあるのか。



 このアルバム、スリーブに載っている歌詞の文字が小さすぎて、読めていなかったのだが、実は歌詞にトムさんが登場することに、初めて気付いた。
 冒頭にそれは登場する。

I’m not the King of America, I’ve got a blue collar heart
Put together with rusted old bolts and discarded radio parts
Just a kid from Gainesville watching Petty with my lighter in the dark


 「子供のころ、ゲインズヴィルでペティを見ながら、暗闇の先に光を見ていた」くらいの感じだろうか。

 シスター・ヘイゼルは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズと同じく、フロリダ州ゲインズヴィルの出身。ハートブレイカーズは身近であり、同時に憧れだった。ビートルズほど遠い存在ではないけれど、でも輝かしいスーパースターのハートブレイカーズ。
 後に、スタン・リンチがヘイゼルと仲良くなって、今でも一緒に仕事をしている。
 そろそろ、ハートブレイカーズとも何か仕事をしてくれないかしらと思う。ツアーのオープニング・アクトなんてしてくれたら、最高なのだが。

Rebels2016/08/24 22:28

 シスター・ヘイゼルの話題をもう一つ。
 3月に、シスター・ヘイゼルによる "Rebels" のカバーが公開された。アコースティックな演奏で、メイン・ヴォーカルはいつものケン・ブロックではなく、ドリュー・コープランド。スタン・リンチとの交流がもっとも深いのも、ドリューだ。



 これは中々良いではないか。トムさんが最初に作ったデモ・トラックもこんな雰囲気だったのではないだろうか。あれこれいじくっても満足いかず、最初のトラックを聴いたらその良さに、すっかり嫌になって壁をぶん殴ったトムさん。
 ブリッジに移るところのコードがちょっと明確でないのが惜しい。それから、このバンドはキーボードが居ないのが寂しい。トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのサウンドを特徴付けるものとして、ベンモントのキーボードが欠かせないと言うことが良く分かる。

 それにしても、ヘイゼルもずいぶん貫禄がついたというか、何と言うか。相変わらずルックスはイケてない!今となっては、ジェットが一番イケてる容姿になってしまった…。ライアンなんか、昔は可愛かったのだが…。末っ子キャラで凄腕ギタリストで、なぜか色んな所で服を脱ぎ始める坊やだったのに…



 "Rebels" ついでに、本家のTP&HB。1985年ライブ・エイドの映像。



 トっ、トムさん…!ジョン・レノンになりたいのか、ロジャー・マッグインなのか、はたまたニール・ヤングなのか、着地点を見失った八名信夫。35歳。他のメンバーは全員サングラスでキメて格好良いのに。マッグイン・サングラスがまったく頭蓋骨の形にフィットしないらしい。そもそも、アレは似合わないのだ。
 それはともかく、やっぱり本家は良い!格好良い!でも演奏はしにくそう。1985年でこの規模のライブとなると、モニターも万全では無いのだろうか。特にスタンがやりにくそうで、最後はやや走る。そして、トランペットのソロが始まった途端、トロンボーンをアップにする謎のカメラワーク。

 さらについでなので、ドライヴ・バイ・トラッカーズによるカバーも貼り付ける。
 これは中々不思議な演奏。途中まではまぁ、普通かと思うのだが、サビに入るなり "Hey, hey, hey" の音程が微妙に低い。かなり妙な転調をしているような。どうしてこうしようと思ったのか、普通にやってこうなったのか、とにかく不思議な演奏だ。

Key change2016/08/29 21:40

 ランダムにアルバムを聴いていたら、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの2010年 [Mojo Tour] にあたった。たしか、ファンクラブ特典で無料ダウンロードできたのだと思う。
 アルバム [Mojo] の楽曲もふんだんに盛り込まれているが、最後はお決まりの "American Girl"。私も一番好きな曲。やはりライブはこれがないと締まらない。

 そう言えば、このライブ演奏では、"American Girl" のキーが低い。
 オリジナルのキーと比べて、どの程度低いのだろう。私の絶対音感はアヤシイ。バンド活動も40年になろうとすれば、メインヴォーカルの音域も変わるのも当然だろう。クラシックとは違って、ポップスのバンドはキーを変えられるのは良いことだ。
 音域の違いを反映するのなら、少なくとも3度,もしかしたら4度くらいは低いかも知れない…?

 まずは、オリジナル・スタジオ録音と同じキーで歌っている、若い頃の演奏。チョコミント・シャツのトムさん。エンディングのソロでマイクの耳元でなにか言っているトムさん。キーはDメジャー。



 こちらは、2014年。2010年と同じキー。



 何と、キーはC!つまり、「レ」から「ド」に二度(全音)下がっただけ。これは意外。
 ついでに、"Free Fallin'" と "I Won't back down" で確認したが、この二曲は2014年もオリジナルと同じキーで歌っている。

 "American Girl" はいつから二度下がったのだろう?
 2008年のサマー・ツアーでは、C。下げている。



 2008年2月のスーパーボウルは?



 これはDだ。オリジナルのキー。念のために2006年のデビュー30周年ライブも確認。



 やはりD。どうやら、2008年のスーパーボウルと、サマーツアーの間に、下げたらしいのだ。

 それにしても、どうしてわずか二度だけ下げたのだろう。高音域の点でいうと、"Free Fallin'" や "I Won't Back Down" もかなり高いが、キーは下げていない。
 となると、ライブでの演奏順が理由だろうか。そういえば、[Mojo] の演奏などは、かなりリラックスした演奏で、若い頃のような緊密な雰囲気はない。それはトムさんだけではなく、ベンモントもかなり緩い。
 最後はリラックス、観客の幸せな歓声の波に乗り、キーもちょっとだけ下げて。そんな感じだろうか。それはそれで、別に悪い事とも思えない。長くバンド活動を続けるには、緊張と弛緩のバランスを取り、継続をするための努力を惜しまないのも大事に違いない。
 この僅かなキーチェンジが、大好きなバンドを聞き続けられる一つの要素なのかも知れない。