Wild Thing2016/06/11 14:51

 ソングライターズ・ホール・オブ・フェイムの授賞式が賑々しく行われ、豪華なゲストと共に、今回の受賞者であるトム・ペティもマッドクラッチを率いて登場した。
 殿堂入りしたのはソングライター・トム・ペティなので、率いるのはマッドクラッチでも、ハートブレイカーズでも何でも良いし、ウィルベリーズだって構わない。なんなら、独りでも良いのだが…マイクがいないところで仕事をすると、碌でもないことになりかねない。
 しかし、受賞記念パフォーマンスとなると、やはり上手い方のバンドが良かったかも知れないという気も。

 同時に殿堂入りしたメンバーのなかに、チップ・テイラーの名前があった。
 この人が何者かはピンとこなかったが、演奏シーンで、"Wild Thing" をやっていたので、この名曲の作者であることがわかった。

 "Wild Thing" といえば、映画「メジャーリーグ」で使用されたバージョンが有名だが、最初にヒットさせたのは、ザ・トロッグズ。1965年というのだから、古い話だ。



 ザ・キンクスっぽくて、なかなか格好良い。
 普通なら、ギターソロに入るところが、ここではオカリナ。ストーンズもリコーダーを使った、60年代後半のブリット・バンドではフルートなども多用される。これも、中々面白い選択だ。

 ジミ・ヘンドリックスもライブでカバーしており、あの有名なギターを燃やすシーンは、この曲の演奏中だったそうだ。



 ジミ・ヘンドリックスはこの写真でも分かるように、右利き用のギターを、左利きの向きで弾いていたとのこと。どうやら、弦は上下逆に張っていたらしいのだが、そうするとヘッド,ペグにかかる力が、元々の想定と違ってしまい、楽器が傷まないのだろうか?
 私は主にピアノ弾きで、ピアノのメンテナンスは調律師さんまかせ。現にいま、調律の真っ最中。ギターはピアノほど音域が広くないので、大した問題は無いのだろうか。

 最後は、もちろんトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの "Wild Thing"。1980年くらいの映像だろうか。このセッションの映像はよく見る。
 騒々しい演奏に迫力があり、パワーみなぎる格好良さが最高。トムさんの緊張感と開放感を自在に操るヴォーカルも良いし、何と言ってもマイクのギターがイカしている。トムさんが勢い余ってギターをマイクスタンドにぶつけるのも可愛い。
 スタンとハウイの居る、この編成のハートブレイカーズはやはり、唯一無二の良さがある。