22016/05/20 22:21

 いよいよ、マッドクラッチの新譜 [2] の発売日!

 だが、現物はまだ来ない。発送通知も来ない。

 想定内である!少しも慌てず騒がず、朝イチにiTunesで購入して、出勤すべし。
 ところが、ちょっと目を離した隙に、PCが(と言うかOSが)勝手にOSのバージョンアップを始める。やめろぉおおお!そんな物に付き合っている暇は無い!
 朝っぱらから(5時)PCと大乱闘を演じ、なんとか購入,ダウンロード成功。以降、通勤中ずっと聴いている。



 これはたぶん、マッドクラッチの一作目よりも好きだ。トムさんの貫禄十分、安心感満載の楽曲の中に、ランドル・マーシュ,トム・レドン,ベンモント,そしてマイクの曲が溌剌と活躍している。
 上達著しいのは、マイクとベンモントのヴォーカル。彼らが初めて公式にリード・ヴォーカルの歌を録音したときは、それはそれは、伸びしろが大きかったのだが、ずいぶん成長して、良い歌手になっている。もちろん、トムさんには大きく引き離されているが。人間は、いくつになっても、成長するものだ。
 マイクのオリジナル曲というと、歌詞は「あたまに穴があきました~!」の印象が強いのだが、それに比べてもずいぶん成長している…?いや待て、まだクレジットをちゃんと確認していない。まさか、詞はトムさんが書いたとかないよね…?

 ちょっと意外なのは、ランドル・マーシュがなかなかイケる歌手だということ。なんだか初々しくてちょっと素人っぽいけど、"Beautiful World" に合っている爽やかな声だ。

 ランドル・マーシュついでだが、実はデビュー作の頃から、気になっていたのが、彼のドラム。どうも良くないというのが私の感想で、今回も残念ながらこの認識は変わらなかった。
 ただ普通に刻んでいる間は良いのだが(それだって大変なことだが)、ちょっとオカズなど入れると、バタバタした感じでどうも馴染めない。一度気になり出すと、ずっと気になってしまう。私にとって、このバンド唯一の欠点は、ドラムなのだ。

 そうめったには味わえない、私の好物にも、今回のマッドクラッチの今回の新譜ではありつける。
 即ち、「バンドで普段はリード・ヴォーカルを務めない人が歌うとき、本来のリード・ヴォーカルがバック・ヴォーカルに回る」というシチュエーションが好きなのだ。
 キースの後ろに聞こえるミックの声、ジョー・ペリーの後ろに聞こえるスティーヴン・タイラーの声。ビートルズやウィルベリーズのように全員が立派なシンガーだと成り立たない、この「リード・ヴォーカリストが、シンガーとしては劣るメンバーのサポートに駆り出される感じ」が大好き。
 今回の新譜では特にベンモントの "Welcome to Hell" と、マイクの "Victim of Circumstance" でそれが堪能できる。それにしても、この二人歌い方がトムさんに似てきている。これだけ長く一緒に音楽をやれば似るというものか。夫婦も似てくると言うし。

 これは珠玉のロック・アルバムであり、いつかやってみたロック・バンドの形でもある。広く売れるポテンシャルもあるし、人にも勧められる。極めて親しみやすく、人なつこいアルバムだ。