Mike Campbell Songs2016/02/05 22:40

 2月1日に66歳の誕生日を迎えたマイク・キャンベルについて、Ultimate Classic Rocks が、"Top 10 Mike Campbell Songs" なるものを選出していた。

Top 10 Mike Campbell Songs

 これ、別に読者の投票の結果とかではなく、Ultimate Classic Rocksが独自に選んでいるらしい。
 私としては意外だったのが、"You Wreck Me" が入っていないこと。これはマイクの代表曲の一つではないだろうか。ミック・ジャガーのソロ・アルバム収録曲候補になったり、忘れた頃にトムさんが歌詞をつけて、直して、名曲なったり。そしてライブでは欠かせない超人気曲。



 ちょっと変わった選曲かも知れないが、[The Last DJ] 収録の、"Blue Sunday" も好きだ。マイクの曲にしては、リズミックよりもメロディック寄りの、美しい曲。
 もちろんトムさんとの共作なので、この動画ではひたすら若トムさんと一緒。単独で聴くよりは、やはりあのアルバムの一連の流れの中で聴くのがお勧め。



 もう一つ、私がマイクの名曲として挙げたいのが、"The Guitars のテーマ曲"。
 TP&HB公式サイトのビデオコーナーで、ファンクラブ会員だけが試聴できる、マイクが所有ギターをあれこれ楽しく語るビデオ集、"The Guitars" のエンディングで流れる、インストゥルメンタル曲が素晴らしく美しくて好きだ。
 ぜひとも、これにトムさんが美しい歌詞をつけて歌って欲しい。"Good Enough" の先例もあるので、可能性は皆無ではなかろう。

América Latina Olé Tour2016/02/10 22:22

 ザ・ローリング・ストーンズが、南米ツアー真っ最中だ。南米の皆さん、羨ましい。
 そして相も変わらず元気なストーンズの面々。やっぱり格好良い!



 このツアーに関しては、公式がライブ映像を小出しにしてきている。
 ここでもう一つ、"Street Fighting Man"



 Tシャツだけになると、キースのお腹周りにかなり肉が付いていることが分かる。でもまぁ、もともと痩せていたし、あの年齢だから、変にやせ衰えるよりは良いか。

 先日、iPodの充電をしくじり、通勤中にスマホで音楽を聴かなければならなくなった。そもそも、スマホで音楽を聴くということを想定していないので、何も入れていない。仕方が無いので、YouTubeで長いライブでも聴くことにして、ストーンズの1981年ハンプトンを選んだ。

 この1981年ハンプトンは、何と言ってもアンコールの "Satisfaction" で、ステージに乱入したファンを、キースがぶん殴る事で有名だ。
 そのシーンは、曲が始まって早々、1分くらいに登場する。



 久しぶりに見ても、やっぱり凄いぞキース、格好良いぞキース!たしか、殴られたファンの治療費もキースが出したんじゃなかったかな。
 記憶していたよりも、キースが早めに乱入者に気付いて視線をやり、悠々とギターを外しているのが笑える。「ミックはびびっている」なんてコメントも囁かれているが、そんなことはない。ミックも大した物で、落ち着いて歌い続けている。
 それにしても、この風船、ちょっと多すぎないだろうか…

 このライブ映像、最後の方になると、ミックがほぼ裸。
 ほぼ裸のミックが、例の奇天烈なダンスをしまくるライブ映像。それを電車の中で見ながら、ニヤニヤしている私。アヤシイ。かなりアヤシイ。素ッ頓狂な裸踊りを食い入るように見ながら、ニヤニヤは怪しすぎる。
 やはり、通勤には音楽専用プレイヤーが絶対必需品。決して充電に失敗しないよう、いまいちど自分を戒める。

David Bowie2016/02/14 20:44

 ディヴィッド・ボウイが亡くなって、一ヶ月余りが経った。
 大きなニュースだったので、何人かから、ファンだったかと訊かれたが、私はファンではなかった。才能豊かで巨大な存在だったが、私の趣味には合っていなかったらしく、聴こうと思ったことも無いし、アルバムも持っていない。たぶん、私は眉毛のしっかりした顔が好きなので、眉毛無しのボウイの印象が強すぎるのだろう。ミュージシャンを眉毛で判断されてはたまらないだろうが、とにかくそんなもの。
 かと言って、まったく無縁だったのかというと、そうとも言い切れない。主に、ボウイの曲をカバーしたものが、少し好きだったりする。

 最初にボウイの楽曲カバーを聞いたのは、ショーン・マリンズの "Changes"。
 そもそもは、マリンズがジョージの "What Is Life" をカバーしており、その収録アルバムである "The First Ten Years" を購入したのが始まり。このアルバムに、"Changes" が収録されていたのだ。例によってクレジットをまったく見ていなかったため、マリンズのオリジナルだと勘違いし、良い曲だと思っていたのだ。
 このアルバムを買ったという話をお友達のYさんにしたところ、「それ、チェ、チェ、チェ、チェチェイジ~ンズ!が入っているアルバムだな!」と言われ、初めてボウイのカバーであることを知ったといわけ。もちろん、Yさんはボウイのファンだった。



 2004年の3月、ボウイが最後となる来日ツアーを行ったときのこと。そのYさんから、チケットが余ったから、一緒にボウイのライブに行かないかと誘われた。もちろん大喜びでついて行ったのだが、残念ながらあまり覚えていない。たしか、良く分からない前座が余計だった。
 しかし、"All the Young Dudes" という曲がとても良かったという記憶が焼き付いた。
 そのことを、CDショップでぶらぶらしながら友人のCさんに話したところ、「じゃあ、これを買うんだ!」と勧められたのが、モット・ザ・フープルのアルバム [All The Young Dudes]。
 ボウイの話をして、フープルを勧められるというのも斜め上を行く選択だが、とにかく私はこのアルバムトラックでもある、"All The Young Dudes" のカバー・バージョンがとても気に入った。



 ボウイのカバーで、最後に聴いたのは "Starman"。一種のスーパーバンドである、ゴールデン・スモッグのアルバム [Blood on the Slacks] に収録されていた。
 どこか別の所で聴いたような曲だとは思っていたが、ボウイとはピンときておらず、この曲のオリジナルが彼であることを知ったのはごく最近のことだ。



 かように、デイヴィッド・ボウイと私は、すれ違い続けた。彼のアルバムを買うきっかけをつかめぬまま、今日にいたる。
 眉毛のことはともかく、何かの拍子でアルバムを買うかも知れないし、買わないかも知れない。
 それでも、最後の来日となったライブを見に行っているし、上記のようにまったく無縁とも言えない。ロック界が失った偉大な才能が惜しまれ、ちょっと寂しい気持ちがするのも正直なところだ。

George Harrison's 10 Greatest Guitar Moments After the Beatles2016/02/19 22:29

 エリック・クラプトンのこれから出る新譜[I Still Do] 収録の、"I Will Be There" には、Angelo Mysterioso がアコースティック・ギターとヴォーカルで参加するという。
 げげッ!そ、それは!おのれクラプトン、ここでそんなカードを切ってくるとは!!そちもワルよのぉ!!
 アンジェロ・ミステリオーソと言ったら、ジョージのこと。クリームのアルバムに微かに参加したとき、そのようにクレジットされた。要するに、ジョージの声とギターが、クラプトンの新譜にフューチャーされるというわけらしい。

George Harrison guests on new Eric Clapton album

 クラプトンの新譜なんて、まったく買う気も無いし、もちろんライブに行く気もないのに。どうしよう。ジョージ。ジョージジョージジョージ。
 ダウンロードで1曲買いできるのだろうか。いや、しかし。そういう買い方は好きじゃない。ディスクを買うか…

 ジョージと言えば、[George Fest] の発売も控えているところ。雑誌[Guitar World] のオンライン記事に、"George Harrison's 10 Greatest Guitar Moments After the Beatles" 「ビートルズ以降のジョージハリスン10選」というものが載っている。

George Harrison's 10 Greatest Guitar Moments After the Beatles

 ジョージ自身のソロワークスなんて、どのギターも特筆するべき素晴らしさなのだが。
 他のアーチストのレコーディングからも多くピックアップしており、ジョンの "Gimme Some Truth" などは偉大なる名演だと思う。
 ベリンダ・カーライルの曲での演奏も有名で、クラプトンが「ジョージの演奏はラジオから聞こえてくればすぐわかる!あれもきみか!」と言ったプレイだ。
 他のアーチストにゲストとして演奏したもので言うと、私はまずニッキー・ホプキンズの "Waiting for the Band" を推したい。



 か細い音だが、確かにジョージの演奏。ニッキーの弱々しい声を優しくサポートするような、慈愛の音色とはこのこと。

 ジョージ晩年の演奏では、ジム・キャパルディの "Anna Julia" が好きだ。そものそも、この曲がとても素敵。



 この動画、どうやらアップした人が細工をしたらしく、ジョージのプレイが始まるや、ジョージの画像を挿入してきた。本当に短い演奏だが、始まるや「来たッ!」と思わせる威勢の良さ、ドキドキ感がたまらない。

 もうひとつ、私がたまらなく好きなのが、アイルランドのバンド,ルビーホースの "Punchdrunk"。2002年のアルバム [Rise] に収録されているから、これも晩年の演奏だろう。曲も良いし、絡みつくようなジョージのギターも素晴らしい。
 動画サイトには、ライブ映像なら上がっているのだが、やはりジョージのギターがないと意味が無い。
 収録アルバム[Rise] は、他の曲も粒ぞろいなので、とてもお勧めだ。

レココレプレゼンツ CRT Vol. 199 ジョージ・ハリスン祭り2016/02/23 22:20

 エリック・クラプトンの新譜に、Angelo Mysteriosoの名前でジョージがフューチャーされているらしい!という情報に驚喜してたら、今度はそれを否定する記事が出てきた。

Update: Eric Clapton posts that George Harrison does not appear on his new album

 ECのFacebookに、“There is no truth to the rumor that George Harrison plays or sings on the forthcoming album 'I Still Do".....,” というコメントがあったというのだ。
 しかし、訳が分からないのが、そのコメント自体が、削除されているということ。本当に否定するなら削除する意味が分からない。
 それよりも、Angelo Mysteriosoとクレジットしておいて、それがジョージでは無いという方が、よっぽど意味が分からない。本当に「アンジェロ・ミステリオーソ」というイタリア人がセッション・ミュージシャンとして参加しているならともかく。
 たしかに、クリームの時は冠詞がついて L'Angelo ではあったが。実はジョージ以外の別人、EC自身、想像(妄想)上の人物、ダニー、などなど、いろいろ想像しても、やっぱり変だ。これがジョージではないとしたら、すごくセンスが悪い。
 「聴いてのお楽しみ☆」なんてお気楽でいる訳にはいかない。ジョージか否かで、買うか、買わないかの瀬戸際なのだ!

 日曜日は、毎年恒例「レココレ プレゼンツ CRT Vol.199 ジョージ・ハリスン祭り」だった。毎度の事ながら参加。萩原さんに「ジョージ以外の時も来てね」と言われる。すみません。トムさんやって。
 今回は、間近に迫った、「ジョージ・フェスト」の話題で持ちきりだった。

 めでたいことに、この度、本秀康さんがオフィシャルな仕事で参加するとのこと。これは素晴らしい。
 通常、私は国内版の解説とか、ブックレットとかにはあまり魅力を感じないし、要らぬ小説だの、詩だのを追加された日には激怒するのだが、本さんは別格。めでたいことこの上ない。日本版が絶対お勧めだ。

 パネリストのみなさん、2002年の [Concer for George] から12年経って、ダニーが立派に成長したことに感無量。たしかに、あのときは本当に可愛くて涙を誘うだけのマスコットのような存在だったが、今回は貫禄のある立派なミュージシャンとして活躍している。さらに、豪華でジョージへのリスペクトのあふれる素晴らしいコンサートを、プロデュースしたその手腕も絶賛されていた。
 いくつか観賞した演奏では、ますますジョージに声や発音が似てきている。しかし、ジョージほど柔軟で滑らかではなく、固くてエッジの聴いた声や演奏をしている。それも個性として中々好感が持てる。

 面白い企画だったのが、「コンサート・フォー・ジョージ」と、今回の「ジョージ・フェスト」の、 "Handle With Care" を見比べるという試み。
 両者は貫禄、余裕、上手さ、初々しさ、一体感、色々な所が違って、同時に同じだったりるする。





 どちらも、涙が出るほど素敵だ。
 ただし、ギター・ソロに関してはマイク・キャンベルが際立っている。「フェスト」の方も凄く頑張っているけど、やっぱりマイクの伸びやかさ、清々しさ、突き抜けた爽やかさとパワーは凄い。それから、ハーモニカもやっぱりあった方が良いな。
 "Everybody got somebody..." のところは、みんなでマイクに飛びつく感じで、「フェスト」が素敵。とにかく、どちらも捨てがたい。

 ジョージのファンなら、[Goegrge Fest]必須のアイテムになりそうだ。もちろん、[Concert for George] は言うまでもなく。ジョージが亡くなった翌年も、そして13年後も、沢山の人に、様々な世代の人に愛されて、愛され続けるジョージへの想いを再認識できるだろう。

George Fest (その1)2016/02/27 21:21

 いよいよ、お待ちかねの [George Fest: A night to celebrate the music of George Harrison] のBru-Ray とCDのセットが届いたので、昨日は試験勉強はそこそこに、ピアノは完全にサボって早速Blu-Rayを観賞した。
 購入したのは、もちろん日本語字幕と、本秀康さんのイラスト付き国内版。先日のCRTでもらったCRT200回記念ステッカーと一緒に撮影!



 まず結論から言うと、これは買いだ。出演者の誰も知らなくても、ジョージの音楽が好きだったら、絶対に買い。

 当然比較対象となる、2002年の [Concert for George] はジョージの音楽のみならず、その人生を称え、出演者達は直接の友人,家族としてのジョージに想いを捧げている。言わばジョージその人と密着し、ほぼ溶け合ったような濃密なイベントだった。
 一方、今回2014年の [George Fest] では、演奏者の多くはジョージを直接は知らず、ファンとして、ジョージの音楽の素晴らしさをお祭り的に発散している。「ジョージの音楽ってこんなに凄いんだ!」という軽やかな感情は、私たちのうような一般的なファンと大差がないだろう。
 [Concert for George] はあれだけハッピーな雰囲気なコンサートではあっても、やはりジョージを喪った悲しみという、痛みがどこかにある。[George Fest]にはそれが無い。むしろ感傷などなくても、純粋にジョージの音楽には影響力があり、それを愛する人はどんどん増えていくだろうという、いちファンとして、他人ながら自信に満ちた、前向きで晴れやかな躍動感をみなぎらせている。

 もちろん、今回の [George Fest] の出演者の中に、自分の好きなミュージシャンが居れば、とてもラッキーだ。
 私はそういう幸運には恵まれていない。知っている人といえば、ダニーとベン・ハーパー,ノラ・ジョーンズ,ブライアン・ウィルソン,アル・ヤンコヴィックくらいのもので、アン・ウィルソンがハートの人だということは、気がつかなかった。
 Blu-Rayを見始めた頃は、いちいちウィキペディアで演奏者を確認していたのだが、そのうちどうでも良くなってきた。誰が演奏しているのかもさることながら、いずれもジョージの名曲で、それを深い理解と喜びで、素晴らしい演奏に再現しているのを見るだけでも幸せだ。
 つまり、純粋にジョージの楽曲の良さを思い知ることが出来た。ジョージがあれほどのハンサムかどうか、度を超した友達想いか、インド哲学に傾倒していたか、ユーモアが大好きだとか、とにかくジョージの良さの他の諸々のことはさておき、音楽単独だけでジョージの凄さを知ることが出来る。

 ジョージのカバーアルバムとしても優れているし、それが一夜のライブコンサートで行われたという凄まじい事実の記録としても特筆するべきものだろう。もしかして、来年のグラミーを獲るかも知れない。少なくとも、ノミネートくらいはされるような気がする。

個々の楽曲についてはまた次回。