Alone in the Universe ― 2015/11/23 10:44
ジェフ・リンズELOの新譜 [Alone in the Universe] が届いた。
これはELOというバンドのアルバムなのか、ジェフ・リンという一人のアーチストのアルバムなのか、良く分からない。その区別に関して特に強い思い入れがないので、まぁ、要するにウィルベリー兄弟のあの人のアルバムということにしている。
梱包を解くと、いきなり3D仕様になっていたので、びっくり。ジャケットにお金かけているなぁ!…と、思ったらカードだった。
さて、私が持っているELO, ジェフ・リン関連のアルバムというと、あまり多くない。[The Very Best of Electric Light Orchestra],[Discovery],[A New World Record],[Zoom], そして[Armchair Theatre]と、[Long Wave]。
これらを踏まえて聴くと、今回の新譜は70年代のELOの再来というよりは、[Zoom] の延長であり、なおかつ[Long Wave] のテイストを強く反映した作品と、捉えられた。
特に[Long Wave] でリンが深い尊敬と愛情で表現した憧れが、色濃く出ていると思う。これぞELO!という壮大で(ある意味、大袈裟な)ポップ感覚よりも、センチメンタリズム、ロマンティシズムが前面に押し出されている。"I'm Leaving You" などは、[Long Wave] に入っていてもまったく違和感がないだろう。
かといって、多くのELOファンが「これじゃない…」などとは決して思わない、ポップ・センスも豊富にあふれたアルバムだ。解説文のそこかしこに、過去のELO作品を引き合いに出していることからもそれは確かだろう。
もっとも、私自身は特にELOの大ファンだというわけではないので、過去の作品とのリンクをそれほど強くは感じていない。
私のお気に入りの曲は、"Dirty to the Bone"と、"Ain't It a Drag"。
前者は、とても印象的なパッセージから始まるイントロから、もう名曲確定。それほどテンポの速い曲ではないが、リン独特の疾走感が気持ち良い。
そして思わず笑ってしまうのが、ギター・ソロ。ジョージ・ハリスンが弾いてくれそうなソロだが、明かにジョージよりも音のつなぎが固いし、伸びが足りない。ジョージならもっとスラーをなだらかに、溶け込むように弾くし、最後のフレーズは1オクターヴ上げるだろう。それが、なんだか素人じみた固さで、一生懸命に、余裕のない感じにリンが演奏するのだから、可愛いような、微笑ましいよな。かえって、ジョージやマイク・キャンベルほど上手すぎない良さがあって、ちょっと嬉しかった。
"Ain't It a Drag" は聴いて直ぐに、ザ・ウォールフラワーズを連想した。ジェイコブ・ディランがいかにも作りそうな爽やかで、少しだけもの悲しい、アメリカの良質なロック・サウンドに思えた。そこに、ちょっと古くさいくらいがちょうど良い、マージ―・ビートのエンディングがうまくつながってゆく。短いが、ジョージ風のギターサウンドがチラっと聞こえるが、こちらは完璧に滑らかだ。
"When I Was a Boy" のビデオは、ジョージの "When We Was Fab" や、ビートルズの "Free as a Bird" のような、判じ物に彩られていて、楽しい。えっと、あれは…やっぱりトムさんなんだよね?!
ジェフ・リンはちょうど今頃、アメリカで発売記念ライブを行い、来年はヨーロッパ・ツアーとのこと。ファンは待った甲斐があったというものだろう。
これはELOというバンドのアルバムなのか、ジェフ・リンという一人のアーチストのアルバムなのか、良く分からない。その区別に関して特に強い思い入れがないので、まぁ、要するにウィルベリー兄弟のあの人のアルバムということにしている。
梱包を解くと、いきなり3D仕様になっていたので、びっくり。ジャケットにお金かけているなぁ!…と、思ったらカードだった。
さて、私が持っているELO, ジェフ・リン関連のアルバムというと、あまり多くない。[The Very Best of Electric Light Orchestra],[Discovery],[A New World Record],[Zoom], そして[Armchair Theatre]と、[Long Wave]。
これらを踏まえて聴くと、今回の新譜は70年代のELOの再来というよりは、[Zoom] の延長であり、なおかつ[Long Wave] のテイストを強く反映した作品と、捉えられた。
特に[Long Wave] でリンが深い尊敬と愛情で表現した憧れが、色濃く出ていると思う。これぞELO!という壮大で(ある意味、大袈裟な)ポップ感覚よりも、センチメンタリズム、ロマンティシズムが前面に押し出されている。"I'm Leaving You" などは、[Long Wave] に入っていてもまったく違和感がないだろう。
かといって、多くのELOファンが「これじゃない…」などとは決して思わない、ポップ・センスも豊富にあふれたアルバムだ。解説文のそこかしこに、過去のELO作品を引き合いに出していることからもそれは確かだろう。
もっとも、私自身は特にELOの大ファンだというわけではないので、過去の作品とのリンクをそれほど強くは感じていない。
私のお気に入りの曲は、"Dirty to the Bone"と、"Ain't It a Drag"。
前者は、とても印象的なパッセージから始まるイントロから、もう名曲確定。それほどテンポの速い曲ではないが、リン独特の疾走感が気持ち良い。
そして思わず笑ってしまうのが、ギター・ソロ。ジョージ・ハリスンが弾いてくれそうなソロだが、明かにジョージよりも音のつなぎが固いし、伸びが足りない。ジョージならもっとスラーをなだらかに、溶け込むように弾くし、最後のフレーズは1オクターヴ上げるだろう。それが、なんだか素人じみた固さで、一生懸命に、余裕のない感じにリンが演奏するのだから、可愛いような、微笑ましいよな。かえって、ジョージやマイク・キャンベルほど上手すぎない良さがあって、ちょっと嬉しかった。
"Ain't It a Drag" は聴いて直ぐに、ザ・ウォールフラワーズを連想した。ジェイコブ・ディランがいかにも作りそうな爽やかで、少しだけもの悲しい、アメリカの良質なロック・サウンドに思えた。そこに、ちょっと古くさいくらいがちょうど良い、マージ―・ビートのエンディングがうまくつながってゆく。短いが、ジョージ風のギターサウンドがチラっと聞こえるが、こちらは完璧に滑らかだ。
"When I Was a Boy" のビデオは、ジョージの "When We Was Fab" や、ビートルズの "Free as a Bird" のような、判じ物に彩られていて、楽しい。えっと、あれは…やっぱりトムさんなんだよね?!
ジェフ・リンはちょうど今頃、アメリカで発売記念ライブを行い、来年はヨーロッパ・ツアーとのこと。ファンは待った甲斐があったというものだろう。
コメント
_ TKJ ― 2015/11/23 20:51
_ NI ぶち ― 2015/11/26 21:58
>TKJさん
デラックス盤だって、言われて初めて気付きました。ほんとだ、デラックス・エディションって書いてある…
ウィルベリー兄弟の声にあてはめるのって分かります!ほんと、すごく思います。ここはジョージの声、ロイの声…ってあてはめますよね。
今回のツアーは盛り上がって居るみたいですね。ロンドンは早くも追加とか。
ワールド・ツアーとまでは行かなくても、日本だけ公演ってのもアリですよね。東京2回,大阪2回とか、十分イケるような気がします。来日しようものなら、見に行きます!
デラックス盤だって、言われて初めて気付きました。ほんとだ、デラックス・エディションって書いてある…
ウィルベリー兄弟の声にあてはめるのって分かります!ほんと、すごく思います。ここはジョージの声、ロイの声…ってあてはめますよね。
今回のツアーは盛り上がって居るみたいですね。ロンドンは早くも追加とか。
ワールド・ツアーとまでは行かなくても、日本だけ公演ってのもアリですよね。東京2回,大阪2回とか、十分イケるような気がします。来日しようものなら、見に行きます!
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Dirty To The Boneなんですが、この曲、Wilburysがやったら(多少アレンジが違っても)面白いと思いました。メインヴァースをTom、アンサーボーカルをDylan、She'll drag you down until you drownの箇所はJeffでin sorrowをDylan、その後のコーラスパートをGeorge、そしてShe's dirty to the boneをRoyが歌ったら妙にはまるのではないかと思いました。
またAin't it a DragはTom Pettyのリードでも聴いてみたいようにも感じました。
多分Zoomが失敗したから、かなりファンのニーズを研究して出してきたのであろうなと思います。インタビューでも「もういやだ」と言っているストリングスをそれなりに絡めてきているところとか。私はZoomも今では好きですが、自分の中での位置が定まるまでに少々時間がかかりました。このアルバムは1回目からすとんと落ちたので、その辺の工夫に感心しました。
そうそう、あれはTom以外に考えられないでしょう。