Badfinger (1974) ― 2015/05/06 21:03
去年の9月、ニューヨークへTP&HBを見に行くまでは集中的にTP&HBを聴いており、帰国後は何を聴こうかと考えていたとき、なんとなくiPodをアーチスト名のZから遡っていく作業を始め、いまだに続けている。
ストーンズとTP&HB, ディラン,ジョージ,ビートルズは除外し、とうとうバッドフィンガーまで来た。
バッドフィンガーというと、どうしてもメンバーの悲しい死のイメージが先行してしまうが、その暗いフィルターをつねにかけるのは気の毒という物だ。たとえば、シューマンというクラシックの有名な作曲家がいるが、彼が晩年苦しみ、その死因ともなった病気のイメージばかりを先行させて彼をイメージするのは気の毒で、作曲家のみならず、演奏者、文筆家、としてシューマンが溌剌と活躍していたイメージも、もっと広まって良いと思っている。
まぁ、シューマンはともかく ―
バッドフィンガーの代表作というと、有名な "No Matter What" や、"Without You" が収録された [No Dice] だろうか。私もこの両曲が大好きだ。特に後者はどのカバーも、バッドフィンガーのオリジナルの前には色あせてしまう。
1974年の [Badfinger] は、アップルからワーナーに移籍して最初のアルバム。移籍を印象づけるためにこのタイトルになったらしく、当初は [For lover or money] にしようとしていた。
せっかくの移籍第一弾だが、セールスはふるわなかったとのこと。CD化も、1990年代にドイツと日本でのみ行われ、アメリカでは2007年になってからやっとCDになったという。不遇なアルバムと言って良いだろう。
しかし、収録されている曲は粒ぞろいだ。特に冒頭に飛び出す "I Miss You" が美しい。
バッドフィンガーというと、ビートルズ的なポップの味わいも重要だが、同時にキンクスやザ・フーのような、後に「パワー・ポップ」と呼ばれる威勢の良さ、爆発力も魅力だ。
そのバッドフィンガーが、いきなりこの穏やかで、オルガンの荘厳な調べに彩られる "I Miss You" をアルバムの最初にもって来たのだから、意表をつかれるとともに、ああ、やられた、降参という不思議な感動を味わう。
さらに凄いのが2曲目の "Shine on"。
爽やかで美しく、格好良くて爽快な名曲。飾り気が少なく、アメリカ・ウェスト・コーストの香りをさせつつ、UKのお洒落で大人びた雰囲気を発揮している。特にうめくような、むせぶような、でも実はさりげないギター・ソロも良い。
決して彼らの代表作とはされないだろうが、このアルバムも、たくさん聴かれると良いと思わずにはいられない。
ストーンズとTP&HB, ディラン,ジョージ,ビートルズは除外し、とうとうバッドフィンガーまで来た。
バッドフィンガーというと、どうしてもメンバーの悲しい死のイメージが先行してしまうが、その暗いフィルターをつねにかけるのは気の毒という物だ。たとえば、シューマンというクラシックの有名な作曲家がいるが、彼が晩年苦しみ、その死因ともなった病気のイメージばかりを先行させて彼をイメージするのは気の毒で、作曲家のみならず、演奏者、文筆家、としてシューマンが溌剌と活躍していたイメージも、もっと広まって良いと思っている。
まぁ、シューマンはともかく ―
バッドフィンガーの代表作というと、有名な "No Matter What" や、"Without You" が収録された [No Dice] だろうか。私もこの両曲が大好きだ。特に後者はどのカバーも、バッドフィンガーのオリジナルの前には色あせてしまう。
1974年の [Badfinger] は、アップルからワーナーに移籍して最初のアルバム。移籍を印象づけるためにこのタイトルになったらしく、当初は [For lover or money] にしようとしていた。
せっかくの移籍第一弾だが、セールスはふるわなかったとのこと。CD化も、1990年代にドイツと日本でのみ行われ、アメリカでは2007年になってからやっとCDになったという。不遇なアルバムと言って良いだろう。
しかし、収録されている曲は粒ぞろいだ。特に冒頭に飛び出す "I Miss You" が美しい。
バッドフィンガーというと、ビートルズ的なポップの味わいも重要だが、同時にキンクスやザ・フーのような、後に「パワー・ポップ」と呼ばれる威勢の良さ、爆発力も魅力だ。
そのバッドフィンガーが、いきなりこの穏やかで、オルガンの荘厳な調べに彩られる "I Miss You" をアルバムの最初にもって来たのだから、意表をつかれるとともに、ああ、やられた、降参という不思議な感動を味わう。
さらに凄いのが2曲目の "Shine on"。
爽やかで美しく、格好良くて爽快な名曲。飾り気が少なく、アメリカ・ウェスト・コーストの香りをさせつつ、UKのお洒落で大人びた雰囲気を発揮している。特にうめくような、むせぶような、でも実はさりげないギター・ソロも良い。
決して彼らの代表作とはされないだろうが、このアルバムも、たくさん聴かれると良いと思わずにはいられない。
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