Jerry Lee Lewis singing Shakespeare2014/11/06 21:50

 誰かになぜこのラジオ番組をやっているのかと尋ねられたら、ジェリー・リー・ルイスがシェイクスピアを歌ような曲を流せるから。だからやるのさ。

 先日のディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] のテーマは、"Blood"。いろいろな「血」に関する曲が紹介される中、気になったのは、ジェリー・リー・ルイスの曲だった。シェイクスピアの作品関連だと言う。
 残念ながら、ピーター・バラカンさんの解説には取り上げられなかった。

 話は、まず「マクベス Macbeth」から始まる。…ディランが居る場所も、私が今居る場所も劇場ではないので「マクベス」と言うが、劇場では "The Scottish Play" と言いましょう。

 王位を奪うべく、国王ダンカンを殺害したマクベス。その妻が有名なマクベス夫人。マクベスが持ち帰った血まみれの短剣を取り上げ、他人にその罪をきせる人物である。後に彼女は夢遊病となり、彷徨いながら手をこすりあわせ、「どうしても、血が落ちない」という有名な場面を演じることになる。
 「マクベス」全体から言うとマクベス夫人の出番はあまり多くないのだが、この強烈なキャラクターのため、シェイクスピアの数ある名キャラクターの中でも特に有名になった。
 ディランがそのことを紹介している間に流れたのは、多分ヴェルディのオペラ [Macbeth] だと思うのだが、どうだろう。

 さて、いよいよ曲を流すとなったら、「マクベス」ではなく、「オセロ Othello」に話が変わる。「嫉妬は緑色の目をした怪物 Jealousy; It is the green-ey'd monster.」という言葉が有名な作品だ。

 なんでも、[Catch My Soul] という、「オセロ」を元にしたミュージカル舞台作品が1960年代に作られたのだという。その後、映画にもなり、オセロ役はリッチー・ヘイヴンズが務めた。
 この作品のアメリカ舞台版のオリジナルキャストでは、イアーゴをジェリー・リー・ルイスが演じていたそうだ。
 イアーゴと言えば、これまたあまりにも有名なキャラクター。タイトルロールのオセロよりも強烈な印象を残す人で、ヴェルディのオペラ「オテロ」においても、一番有名なのは、「イアーゴの信条」だ。
 ともあれ、そのような訳でジェリー・リールイスがイアーゴに扮して歌う、"Lust of the Blood" を、ディランは流したというわけ。



 確かに、冒頭に "Cassio loves her." という言葉が出てくる。どうやら、先に出世して気に入らないキャシオを陥れてやるぞとやる気満々のイアーゴの気持ちを歌っているようだ。
 舞台や映画の出来は分からないし、ジェリー・リー・ルイスの歌とピアノがとても上手い以外に、特筆するような曲でもない。しかし確かに、冒頭にあげたディランの言葉、「ジェリー・リー・ルイスがシェイクスピアを歌う」というのが面白い。
 本当に、ディラン様ラジオは勉強になる。

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