Scherzo No.3 Op.39 / F.F. Chopin2014/10/31 22:21

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 ピアノで、ショパンを弾くことになった。曲はスケルツォ。
 スケルツォは以前、あの有名な2番を弾いていたので、今回は3番を弾くことにした。

 「弾くことにした」などと気安く言っているが、「弾く」どころではない。どえらい選択をしたものだと後悔している。やっぱりバッハにすれば良かった…
 嘆いていても仕方がない。楽譜は、2番を弾いたときに買ったパデレフスキ版がある。いつもなら安い国内版を買う私が、珍しく外版を買っている。それなりに気合いが入っていたらしい。
 以前はショパンと言えばパデレフスキ版がメジャーだったと思うが、最近はエキエル版なるものがあって、ショパン・コンクールでも使用推奨だとか。
 まぁ…私の場合…どの版を使っても同じように弾けないだけだが。

 3番を弾くことだし、誰かのスケルツォ全曲のCDを買おうと思い、王道を調べると、どうやらマウリツォ・ポリーニ1990年の録音が良さそうだ。一緒にバラードも4曲入っている。バラードはツィメルマンでもう持っているから、別の組み合わせが良かったのだが…まぁいいや。
 批評によると…「強靱にして精緻、豊潤にして繊細、豊麗にして峻烈、これほど完璧なピアノ演奏はないと評された名盤の評価の高いアルバム。」だ、そうだ。お、おおぅ…



  私が持っているこの日本版のCDは、このジャケットに、バラードとスケルツォの組み合わせになっているが、これは後で編集したものらしい。
 オリジナルのスケルツォ・アルバムでは、もっと若い頃の写真が使われていたようだ。

 解説によると、スケルツォの3番は1839年,ショパン29歳の時の作品。4曲のスケルツォの中では短い方だ。
 スケルツォと言えば3拍子なのだが、いきなり一小節に四分音符4つ。しかも調性の分からない「不気味」な始まり方。フレデリック・ショパン29歳、若い身空が、でこれでいいのか?!早世する人だから、もう晩年突入なのか?ジョルジュ・サンドのような女と付き合うとこうなるのか…?
 幸い、テーマになるとベートーヴェン調のガッコンドッカン、オクターブ+オクターブ以上地獄で…死ぬ。ちっとも幸いじゃない。

 私の愚痴を書いても仕方がないので、ここは誰かに弾いてもらう。
 最近の演奏で、動画…ユリアンナ・アヴディエヴァが上がってきた。



 うへぇ…

 この人、ずいぶん鍵盤に乗り出すように弾く。私は腕が届かないので、体ごと左右に動き、足を踏ん張らなければならないので、こうは行かない。
 比較的、威勢の良い、元気な演奏。あまりピアノ(弱音)にはしない。重々しく、それでいて爆発的な演奏ではないだろうか。アルゲリッチの演奏も聴いたのだが、彼女の場合はもっとテンポが速く、軽やかに弾いている。一体どうしたらあんなテンポで弾けるのか、皆目分からないないが。
 アヴディエヴァの演奏は、CDで聴くポリーニに解釈がやや似ている。最初のテーマでの付点の跳ねが小さい。(彼らが使っている版は付点ではないのか…?)
 どうでも良いが、彼女、アイシャドーが濃すぎないか?!まぁ、男装っぽい格好良い衣装に、ばっちりお化粧でオシャレにするのは良いのだが。ピアニストというのはどうしても伏し目がちなところを見られるので、もう少し控えた方が良いのではないかと。

 せっかくピアノを弾くのだから、ショパンを、どうせならスケルツォをと思ったのだが、やはり無謀な挑戦だった。やっと譜読みが終わったばかりだが、一体、テンポがどの程度上がるのか、まったく想像できないでいる。
 巨匠達、若いピアニストたちの演奏を聴いて、少しは参考にしたいところだが、とてもそのレベルについていけない。  やれやれ。