Any Day Now2014/05/25 19:38

 映画 [Any Day Now]邦題「チョコレートドーナツ」を見た。

 1970年末のLA。歌手を夢見るゲイバーのダンサー,ルディと、弁護士でゲイであることを隠しているポール。このカップルが、母親が逮捕されてしまったダウン症の少年マルコを引き取り、家族として暮らし始める。
 やがてその幸せな暮らしが周囲の圧力で壊され、ルディとポールは法廷闘争でマルコを取り戻そうとする。ヒューマンドラマであり、同時に法廷ドラマでもある。



 ルディとポールのカップルが、どうにもモンティ・パイソンのエリック・アイドルとジョン・クリーズに見えて仕方がなかった…
 まず泣く映画であり、いろいろ考えさせる映画でもある。

 原題の [Any Day Now] は、もちろん予告編にも登場する "I Shall Be Released" の歌詞の一部だ。この曲が、映画の中で非常に重要な役割を担っている。
 ルディが熱唱する映画のバージョンも良いが、やや大袈裟さがこの曲の良さを削いでいるかも知れない。

 "I Shall Be Released" はボブ・ディランの曲であり、ザ・バンドの演奏が有名だ。
 ほかにも色々なカバー・バージョンがあるし、ディラン自身も録音している。ジョー・コッカーのバージョンなどは、熱いけど、一方で淡々とした感じもあり、説得力がある。
 面白いところでは、ビートルズのバージョンというものもある。どうやら、[Let It Be] のセッションの合間に録音されたらしい。



 歌っているのは、ディラン大好きジョージ。何気なく歌っているが、そこがまた素敵。ジョンのコーラスはややうるさいか。

 あれこれ、"I Shall Be Released" の別バージョンを聴いたのだが、やはり [The Last Waltz] の破壊力は半端ではなかった。
 演奏そのものは意外と淡々と進むのだが、その単純さがこの曲の説得力となっている。それでいて、力一杯サビを歌うパワーが素晴らしい。