Maggie May2014/05/04 20:50

 先日、ロッド・スチュワートがカバーした "If Not for You" を聞いたついでに、ロッドのアルバムを続けて聞いていた。
 70年代初頭前後のロッドは最高。[Every Picture Tells a Story] は間違いなく、ロック史に残る大名作だ。中でも、"Maggie May" が最高傑作であることは、言うまでもない。



 こんな凄い曲、いったいどうやって作ったのだろうかと思うし、プロデューシングも凄まじいと思う。
 冒頭に短いギターソロがあるが、これはギタリストのマーティン・クイッテントンによる "Henry" という曲だそうだ。この曲がまず衝撃的だ。そして沈黙がややあって、あの美しい本編イントロが始まる。おどろいたことに、コンピレーションアルバムなどでは、この "Henry" を省いたものが多いそうだ。確かに、ライブの様子見ても、この部分は演奏されない。私は、絶対に "Henry" 込みでの、名曲だと思う。
 そして何と言っても、あのマンドリン音色!あの長いソロ!ロッドの発案なのだろうか。この1曲だけで、マンドリンという楽器が弾きたくなる。
 有名な話だが、アルバムのクレジットにおいて、マンドリン奏者に関して、

"The mandolin was played by the mandolin player in Lindisfarne. The name slips my mind."
「マンドリンは、リンディスファーンのマンドリン奏者による。名前はど忘れした」


 …と、ある。本当にど忘れしたのだか、締め切りに追われていたのだか。当のマンドリン奏者,リンディスファーンのレイ・ジャクソンには失礼な話だ。しかし、このヘンテコなコメントも込みでなんとなく好き。

 当然、ライブバージョンも多くあるが、ここではアンプラグド。ロニー・ウッドと一緒。



 いつものように、ロニーにキス。この頃までのロッドは、声もしっかりしていたし、素晴らしい。

 "Maggie May" は、ロッドの声にあまりにも合いすぎているし、特徴のありすぎる曲の作り,プロデューシングのため、カバーはやりにくいかも知れない。
 そんな中、登場するのが、ザ・ポーグス。



 イントロは良いのだが…ヴォーカルが入るなり、台無し感炸裂。いや、悪くはないのだが… "Maggie May" はちょっと違う。
 こういうのを聞くと、いかにロッドがあのハスキーヴォイスで、デリケートで美しく表現しているかを思い知らされる。そしてやはり、あのマンドリンの素晴らしさは、なにものにも代えがたいと、再認識するのだ。