Ayrton Senna ― 2014/05/01 21:35
アイルトン・セナが死んで20年になる。
1994年、サン・マリノGP。イモラのタン・ブレロ。F1を見るようになって間もない頃。
私はデイモン・ヒルを応援していて、セナは当然勝つとして、そんな中でヒルにも頑張って欲しいなどと思っていた。そんな中、突然のセナの死だった。とにかく衝撃的で、休み明けに学校に来るかどうか、同級生に心配された。
セナの記録は、今となっては特に輝かしいものではなくなっている。勝利数、チャンピオン回数、ポールポジション、ファステスト・ラップ ― それでも、セナは特別だ。
神経質でやや気むずかしく、シャイで、信心深く、涙もろい。もの凄いレーサーなのに、憎たらしさがなくて、ファンに愛されやすい人だったのだと思う。中嶋悟さんは、デビューの年にチームメイトだったセナに親切にしてもらった想い出を語っている(もっとも、それは中嶋さんがプロストやマンセルのようにセナと同等のライバルではなかったからだとも言っているが)。
そして独特の影があって、少しミステリアス。要するに格好良かった。
私は長い間、一つのタグホイヤーの腕時計を使い続けているが、これはセナの影響で購入したもの。もちろん、セナ・モデルのような高価なものではないが、とにかくタグホイヤーを購入するきっかけはセナだった。
私は基本的にF1というモータースポーツが好きなので、誰が走ろうが、誰が強かろうが、全レースを楽しむ。セナがいなくなっても、F1が大好きだし、これからもきっとそうだろう。
それでも、セナは特別だ。全てのF1ファンにとって特別だ。
ジョージ・ハリスンは有名なF1好き。レーサーの友人も多く、セナももちろん、その一人。
映画[Living in the Material World]のエクストラ映像で、ジョージがハンディ・カメラを片手にパドックをうろつく映像があるが、ゲルハルト・ベルガーの部屋に入ってきて、「アイルトンは?」などと暢気なことを言っている。
ビートルズのドキュメンタリー[Anthology] の中に登場する、ジョージの家のキッチン(?)の壁に、マクラーレン・フォード時代のセナの写真が飾られているのも有名な話だ。
面白いところでは、セナの映像に、トム・ペティ&ザ・ハートレブレイカーズの "Learning to Fly" をかぶせた動画がある。
画像も音声も悪いが、曲のセンスは抜群に良い。この曲は常々、F1向きだと思っていた。
ほとんどがマクラーレン時代の映像。鈴鹿でのプロストとの接触や、1992年モナコでのマンセルとの死闘、1993年ブラジルでの母国優勝 ― セナがいた、そういう時代のF1。
今も昔も、F1には色々ある。悲しい事故や、嫌になるようなゴタゴタもある。それでも、F1が大好きだ。
1994年、サン・マリノGP。イモラのタン・ブレロ。F1を見るようになって間もない頃。
私はデイモン・ヒルを応援していて、セナは当然勝つとして、そんな中でヒルにも頑張って欲しいなどと思っていた。そんな中、突然のセナの死だった。とにかく衝撃的で、休み明けに学校に来るかどうか、同級生に心配された。
セナの記録は、今となっては特に輝かしいものではなくなっている。勝利数、チャンピオン回数、ポールポジション、ファステスト・ラップ ― それでも、セナは特別だ。
神経質でやや気むずかしく、シャイで、信心深く、涙もろい。もの凄いレーサーなのに、憎たらしさがなくて、ファンに愛されやすい人だったのだと思う。中嶋悟さんは、デビューの年にチームメイトだったセナに親切にしてもらった想い出を語っている(もっとも、それは中嶋さんがプロストやマンセルのようにセナと同等のライバルではなかったからだとも言っているが)。
そして独特の影があって、少しミステリアス。要するに格好良かった。
私は長い間、一つのタグホイヤーの腕時計を使い続けているが、これはセナの影響で購入したもの。もちろん、セナ・モデルのような高価なものではないが、とにかくタグホイヤーを購入するきっかけはセナだった。
私は基本的にF1というモータースポーツが好きなので、誰が走ろうが、誰が強かろうが、全レースを楽しむ。セナがいなくなっても、F1が大好きだし、これからもきっとそうだろう。
それでも、セナは特別だ。全てのF1ファンにとって特別だ。
ジョージ・ハリスンは有名なF1好き。レーサーの友人も多く、セナももちろん、その一人。
映画[Living in the Material World]のエクストラ映像で、ジョージがハンディ・カメラを片手にパドックをうろつく映像があるが、ゲルハルト・ベルガーの部屋に入ってきて、「アイルトンは?」などと暢気なことを言っている。
ビートルズのドキュメンタリー[Anthology] の中に登場する、ジョージの家のキッチン(?)の壁に、マクラーレン・フォード時代のセナの写真が飾られているのも有名な話だ。
面白いところでは、セナの映像に、トム・ペティ&ザ・ハートレブレイカーズの "Learning to Fly" をかぶせた動画がある。
画像も音声も悪いが、曲のセンスは抜群に良い。この曲は常々、F1向きだと思っていた。
ほとんどがマクラーレン時代の映像。鈴鹿でのプロストとの接触や、1992年モナコでのマンセルとの死闘、1993年ブラジルでの母国優勝 ― セナがいた、そういう時代のF1。
今も昔も、F1には色々ある。悲しい事故や、嫌になるようなゴタゴタもある。それでも、F1が大好きだ。
Maggie May ― 2014/05/04 20:50
先日、ロッド・スチュワートがカバーした "If Not for You" を聞いたついでに、ロッドのアルバムを続けて聞いていた。
70年代初頭前後のロッドは最高。[Every Picture Tells a Story] は間違いなく、ロック史に残る大名作だ。中でも、"Maggie May" が最高傑作であることは、言うまでもない。
こんな凄い曲、いったいどうやって作ったのだろうかと思うし、プロデューシングも凄まじいと思う。
冒頭に短いギターソロがあるが、これはギタリストのマーティン・クイッテントンによる "Henry" という曲だそうだ。この曲がまず衝撃的だ。そして沈黙がややあって、あの美しい本編イントロが始まる。おどろいたことに、コンピレーションアルバムなどでは、この "Henry" を省いたものが多いそうだ。確かに、ライブの様子見ても、この部分は演奏されない。私は、絶対に "Henry" 込みでの、名曲だと思う。
そして何と言っても、あのマンドリン音色!あの長いソロ!ロッドの発案なのだろうか。この1曲だけで、マンドリンという楽器が弾きたくなる。
有名な話だが、アルバムのクレジットにおいて、マンドリン奏者に関して、
"The mandolin was played by the mandolin player in Lindisfarne. The name slips my mind."
「マンドリンは、リンディスファーンのマンドリン奏者による。名前はど忘れした」
…と、ある。本当にど忘れしたのだか、締め切りに追われていたのだか。当のマンドリン奏者,リンディスファーンのレイ・ジャクソンには失礼な話だ。しかし、このヘンテコなコメントも込みでなんとなく好き。
当然、ライブバージョンも多くあるが、ここではアンプラグド。ロニー・ウッドと一緒。
いつものように、ロニーにキス。この頃までのロッドは、声もしっかりしていたし、素晴らしい。
"Maggie May" は、ロッドの声にあまりにも合いすぎているし、特徴のありすぎる曲の作り,プロデューシングのため、カバーはやりにくいかも知れない。
そんな中、登場するのが、ザ・ポーグス。
イントロは良いのだが…ヴォーカルが入るなり、台無し感炸裂。いや、悪くはないのだが… "Maggie May" はちょっと違う。
こういうのを聞くと、いかにロッドがあのハスキーヴォイスで、デリケートで美しく表現しているかを思い知らされる。そしてやはり、あのマンドリンの素晴らしさは、なにものにも代えがたいと、再認識するのだ。
70年代初頭前後のロッドは最高。[Every Picture Tells a Story] は間違いなく、ロック史に残る大名作だ。中でも、"Maggie May" が最高傑作であることは、言うまでもない。
こんな凄い曲、いったいどうやって作ったのだろうかと思うし、プロデューシングも凄まじいと思う。
冒頭に短いギターソロがあるが、これはギタリストのマーティン・クイッテントンによる "Henry" という曲だそうだ。この曲がまず衝撃的だ。そして沈黙がややあって、あの美しい本編イントロが始まる。おどろいたことに、コンピレーションアルバムなどでは、この "Henry" を省いたものが多いそうだ。確かに、ライブの様子見ても、この部分は演奏されない。私は、絶対に "Henry" 込みでの、名曲だと思う。
そして何と言っても、あのマンドリン音色!あの長いソロ!ロッドの発案なのだろうか。この1曲だけで、マンドリンという楽器が弾きたくなる。
有名な話だが、アルバムのクレジットにおいて、マンドリン奏者に関して、
"The mandolin was played by the mandolin player in Lindisfarne. The name slips my mind."
「マンドリンは、リンディスファーンのマンドリン奏者による。名前はど忘れした」
…と、ある。本当にど忘れしたのだか、締め切りに追われていたのだか。当のマンドリン奏者,リンディスファーンのレイ・ジャクソンには失礼な話だ。しかし、このヘンテコなコメントも込みでなんとなく好き。
当然、ライブバージョンも多くあるが、ここではアンプラグド。ロニー・ウッドと一緒。
いつものように、ロニーにキス。この頃までのロッドは、声もしっかりしていたし、素晴らしい。
"Maggie May" は、ロッドの声にあまりにも合いすぎているし、特徴のありすぎる曲の作り,プロデューシングのため、カバーはやりにくいかも知れない。
そんな中、登場するのが、ザ・ポーグス。
イントロは良いのだが…ヴォーカルが入るなり、台無し感炸裂。いや、悪くはないのだが… "Maggie May" はちょっと違う。
こういうのを聞くと、いかにロッドがあのハスキーヴォイスで、デリケートで美しく表現しているかを思い知らされる。そしてやはり、あのマンドリンの素晴らしさは、なにものにも代えがたいと、再認識するのだ。
Jimi Hendrix and I ― 2014/05/07 20:56
前回のディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] のテーマは、 "Classic Rock"。「ロック」は音楽のロックではなく、岩の方で、岩や石に関する曲の特集だった。
今回の放送で、数ヶ月来の疑問が解決した。
去年11月末、ロンドンに滞在した折、ロンドン自然史博物館へ初めて行った。広大な館内の東側には Red zone と呼ばれる所があり、ここは地学関係の展示場所となっている。鉱物や宝石を展示しているかと思えば、それらのなれの果てとして、鍋やフライパンまである。
レッド・ゾーンの入り口は3階分を吹き抜けにしたホールになっており、ここに大きな地球を模したオブジェと、その中を突き抜ける長いエスカレーターが設置されている。
周囲には宇宙に浮かぶ星々が描かれ、それらを連想させる神々の彫刻が並んでいる。地球のオブジェは真っ赤に照らし出され、激しい溶岩流や地中の熱を表現する。
そして、大きな音で音楽が鳴っているたのだ。
この曲が、何なのかが思い出せなかった。絶対に知っている、かなり有名な誰かの、かなり有名な曲なのに、どうしても思い出せない。
ロンドンにいる間、ずっと気にしていたのだが、いつの間にかそのことを忘れていた。
このたびのディラン様ラジオで、やっと解決した。
ジミ・ヘンドンリックスの "Third Stone from the Sun" だったのだ。「太陽から三つ目の石」とは、もちろん地球のこと。
この「回答」は、日曜日に録音したディラン様ラジオを聞いた月曜日の朝に得た。その日は、さらにジミ・ヘンドリックスを聴くことになった。
映画「ウィズネイルと僕」 [ Withnail and I ] を映画館で見たのだ。劇中歌として、ジミヘンによる "All Along The Watchtower" が流れる。
この映画に関しては、なんともコメントしがたい。
この手の映画を「素晴らしい」と評価できるほど、私は「通」ではない。良さを語れれば格好良いのだろうけど、とにかく私には無理。残念。英国映画に期待するコメディ要素もイマイチ。
よく分かったのは、英国の食事は見るだけでも不味いということ、そして英国の田舎暮らしに夢を持たない方が良いということ。
それから、キング・カーチスによる "A Whiter Shade of Pale" は格好良いということかな。
今回の放送で、数ヶ月来の疑問が解決した。
去年11月末、ロンドンに滞在した折、ロンドン自然史博物館へ初めて行った。広大な館内の東側には Red zone と呼ばれる所があり、ここは地学関係の展示場所となっている。鉱物や宝石を展示しているかと思えば、それらのなれの果てとして、鍋やフライパンまである。
レッド・ゾーンの入り口は3階分を吹き抜けにしたホールになっており、ここに大きな地球を模したオブジェと、その中を突き抜ける長いエスカレーターが設置されている。
周囲には宇宙に浮かぶ星々が描かれ、それらを連想させる神々の彫刻が並んでいる。地球のオブジェは真っ赤に照らし出され、激しい溶岩流や地中の熱を表現する。
そして、大きな音で音楽が鳴っているたのだ。
この曲が、何なのかが思い出せなかった。絶対に知っている、かなり有名な誰かの、かなり有名な曲なのに、どうしても思い出せない。
ロンドンにいる間、ずっと気にしていたのだが、いつの間にかそのことを忘れていた。
このたびのディラン様ラジオで、やっと解決した。
ジミ・ヘンドンリックスの "Third Stone from the Sun" だったのだ。「太陽から三つ目の石」とは、もちろん地球のこと。
この「回答」は、日曜日に録音したディラン様ラジオを聞いた月曜日の朝に得た。その日は、さらにジミ・ヘンドリックスを聴くことになった。
映画「ウィズネイルと僕」 [ Withnail and I ] を映画館で見たのだ。劇中歌として、ジミヘンによる "All Along The Watchtower" が流れる。
この映画に関しては、なんともコメントしがたい。
この手の映画を「素晴らしい」と評価できるほど、私は「通」ではない。良さを語れれば格好良いのだろうけど、とにかく私には無理。残念。英国映画に期待するコメディ要素もイマイチ。
よく分かったのは、英国の食事は見るだけでも不味いということ、そして英国の田舎暮らしに夢を持たない方が良いということ。
それから、キング・カーチスによる "A Whiter Shade of Pale" は格好良いということかな。
Call Me the Breeze ― 2014/05/10 20:10
エリック・クラプトンが、去年亡くなったJJケールの追悼アルバムを制作し、7月末に発売される。タイトルは [The Breeze, An Appreciation of JJ Cale]。
エリック・クラプトン&フレンズ名義となっており、トム・ペティ,マーク・ノップラー,ジョン・メイヤーなどが参加する。フレンズ…フレンズか。トムさんってクラプトンの…友達だったのか。まぁ、友達だろうな。
Eric Clapton and Friends Honor JJ Cale with new tribute LP
トムさんが3曲も登場するので、これは買わねば。
TP&HBはいくつかJJケールの曲をカバーしているが、ここでは "Call Me the Breeze" をピックアップ。
1999年4月23日ドイツ,ハンブルグでのライブの模様。
これは凄い。みどころ満載の名演。
1999年というと、TP&HBのアルバムで言うと [Echo]。トムさんは人生の辛く暗い部分との戦いにあり、ハウイの様子が非常に悪くなりはじめた頃。バンドとしては重苦しい時期だが、そういう時だからこそ、互いに支え合い、ハートブレイカーズとしての友情が深まった時期だと思う。私はこの頃のアルバムも演奏も好き。
何と言っても、最初から最後までほぼ一緒に歌うトムさんと、ハウイのコンビネーションが素晴らしい。この二人はまず声がよく似ている。さらに、音楽的な呼吸の合い方が完璧。軽やかで、格好良い。
こういうライブを聴くたびに、ハウイという希有のミュージシャンの凄さを思い知らされる。TP&HBにとって、とてつもない損失だった。あの素晴らしい二人のボーカルは二度と帰ってこない。
最高の見所は、ベンモントによる長いピアノ・ソロ。革新的なギタリストだったJJケールの曲ではあるが、ここで一番華やかなのはピアノ。
元気一杯、ヤマハの88鍵上を駆け回るベンモント。これだ。私が彼のソロ・アルバムに期待していたのはこういう怒涛のピアノプレイだ。
マイクは、この時期によく見る妙なシャツを着ている。なんというか…キンギョソウのような中途半端なフリル。胸もとのフリルも中途半端だし、袖口も中途半端。シャツそのものの素材も謎。変に柔らかい感じ。幼稚園児のスモックみたいにも見えるし、パジャマみたいにも見える。髪が短いのでなおさら…。
エンディングのトムさんとのツイン・リードは、二人ですごく練習したこと間違いなし。こういう練習のあとの見えるしっかりした演奏というものが大好き。フィーリングだけにまかせて適当に流すよりも、計算されて、バランスがとれていて、そして何と言っても上手い演奏というものは素晴らしいと思う。
アメリカでは夏のフェストなどで、TP&HBが登場するとの情報が出ている。ロックな新譜も楽しみだし、ライブも楽しみだ。
エリック・クラプトン&フレンズ名義となっており、トム・ペティ,マーク・ノップラー,ジョン・メイヤーなどが参加する。フレンズ…フレンズか。トムさんってクラプトンの…友達だったのか。まぁ、友達だろうな。
Eric Clapton and Friends Honor JJ Cale with new tribute LP
トムさんが3曲も登場するので、これは買わねば。
TP&HBはいくつかJJケールの曲をカバーしているが、ここでは "Call Me the Breeze" をピックアップ。
1999年4月23日ドイツ,ハンブルグでのライブの模様。
これは凄い。みどころ満載の名演。
1999年というと、TP&HBのアルバムで言うと [Echo]。トムさんは人生の辛く暗い部分との戦いにあり、ハウイの様子が非常に悪くなりはじめた頃。バンドとしては重苦しい時期だが、そういう時だからこそ、互いに支え合い、ハートブレイカーズとしての友情が深まった時期だと思う。私はこの頃のアルバムも演奏も好き。
何と言っても、最初から最後までほぼ一緒に歌うトムさんと、ハウイのコンビネーションが素晴らしい。この二人はまず声がよく似ている。さらに、音楽的な呼吸の合い方が完璧。軽やかで、格好良い。
こういうライブを聴くたびに、ハウイという希有のミュージシャンの凄さを思い知らされる。TP&HBにとって、とてつもない損失だった。あの素晴らしい二人のボーカルは二度と帰ってこない。
最高の見所は、ベンモントによる長いピアノ・ソロ。革新的なギタリストだったJJケールの曲ではあるが、ここで一番華やかなのはピアノ。
元気一杯、ヤマハの88鍵上を駆け回るベンモント。これだ。私が彼のソロ・アルバムに期待していたのはこういう怒涛のピアノプレイだ。
マイクは、この時期によく見る妙なシャツを着ている。なんというか…キンギョソウのような中途半端なフリル。胸もとのフリルも中途半端だし、袖口も中途半端。シャツそのものの素材も謎。変に柔らかい感じ。幼稚園児のスモックみたいにも見えるし、パジャマみたいにも見える。髪が短いのでなおさら…。
エンディングのトムさんとのツイン・リードは、二人ですごく練習したこと間違いなし。こういう練習のあとの見えるしっかりした演奏というものが大好き。フィーリングだけにまかせて適当に流すよりも、計算されて、バランスがとれていて、そして何と言っても上手い演奏というものは素晴らしいと思う。
アメリカでは夏のフェストなどで、TP&HBが登場するとの情報が出ている。ロックな新譜も楽しみだし、ライブも楽しみだ。
Don't Bother Me ― 2014/05/13 21:53
Rolling Stone Magazineの最新5月22日号の、Playlist Special My Favorite Music というコーナーで、トム・ペティがジョージ・ハリスンの10曲を選んでいるという。
もちろん、速攻で買いに走る!タワレコに無くても、慌てず騒がず、紀伊國屋へ素早く移動!
おお、あったあった。ローリング・ストーンの…最新…ごう…
わー!なんだこりゃー!!
何の嫌がらせの表紙だ?!私が買うときに限って、どうしてどうして、こうなの?!
Rolling Stone Issue 1209 May 22, 2014
ゆるさん、どこの誰だか知らないが、ニール・パトリック・ハリスとやら!レジに持っていくのが恥ずかしいじゃないか。悪いことに、複数いるレジ係さんの中でも、若いお兄さんと目が合う。うわぁ。
電車の中で早速読もうにも、読めないじゃないか!読んだけど。
トムさんが選んだ10曲については、発売されたばかりだし、全曲は上げないが、なかなか面白い。
ジョージの代表曲と言えば誰でも思い浮かべる曲もあれば、びっくりするような曲も挙げている。"Here Comes the Sun" は本当にロック界に燦然と輝く大名品だし、"If I Needed Someone" はバーズ大好きトムさんなら当然だろう。
私が、「トムさんと意見が合う!」…と思ったのは、"Don't Bother Me"。
事実上、ジョージのソングライターとしてのデビュー曲で、発表は1963年。ジョージ20歳の時の曲である。トムさんはこうコメントしている。
これはぼくが手に入れた最初のビートルズのアルバム [Meet the Beatles] に入っていた。それまでに聞いたロックにはない、一番クールな曲だと思うよ。ジョージはこの曲を好きじゃなかった。ぼくはよく、どうして?と訊いた。「え、ぼくは好きだよ。すごく。いま、きみがこれをやっても良いと思うけどな。」するとジョージは言った。「そんなことあるかい。」
私もトムさんと同意見で、この曲はすごく格好良くて好きだ。あの時代のちょっと斜に構えたみたいな、すねたみたいな、それでいてユーモアのある格好良いジョージのイメージに良く合っている。スピードがあって、ちょっとブルーで、ポールの曲には無いクールさがある。
この曲の評価をさらに高めたのは、エイタン・ミースキーによるカバー。ジョージのトリビュート・カバー・アルバム [He Was FAB: A Loving Tribute to George Harrison] に収録されている。
特にギターソロがすごく格好良い。このカバーで、"Don't Bother Me" の評価が高くなった人も多いのではないだろうか。
トムさんもお気に入りなら、ぜひともハートブレイカーズでカバーしてほしい。マイクが最高のギター・プレイを聴かせてくれるに違いない。
マイクと言えば、マイクの選ぶジョージの10曲もやってほしい。
もちろん、速攻で買いに走る!タワレコに無くても、慌てず騒がず、紀伊國屋へ素早く移動!
おお、あったあった。ローリング・ストーンの…最新…ごう…
わー!なんだこりゃー!!
何の嫌がらせの表紙だ?!私が買うときに限って、どうしてどうして、こうなの?!
Rolling Stone Issue 1209 May 22, 2014
ゆるさん、どこの誰だか知らないが、ニール・パトリック・ハリスとやら!レジに持っていくのが恥ずかしいじゃないか。悪いことに、複数いるレジ係さんの中でも、若いお兄さんと目が合う。うわぁ。
電車の中で早速読もうにも、読めないじゃないか!読んだけど。
トムさんが選んだ10曲については、発売されたばかりだし、全曲は上げないが、なかなか面白い。
ジョージの代表曲と言えば誰でも思い浮かべる曲もあれば、びっくりするような曲も挙げている。"Here Comes the Sun" は本当にロック界に燦然と輝く大名品だし、"If I Needed Someone" はバーズ大好きトムさんなら当然だろう。
私が、「トムさんと意見が合う!」…と思ったのは、"Don't Bother Me"。
事実上、ジョージのソングライターとしてのデビュー曲で、発表は1963年。ジョージ20歳の時の曲である。トムさんはこうコメントしている。
これはぼくが手に入れた最初のビートルズのアルバム [Meet the Beatles] に入っていた。それまでに聞いたロックにはない、一番クールな曲だと思うよ。ジョージはこの曲を好きじゃなかった。ぼくはよく、どうして?と訊いた。「え、ぼくは好きだよ。すごく。いま、きみがこれをやっても良いと思うけどな。」するとジョージは言った。「そんなことあるかい。」
私もトムさんと同意見で、この曲はすごく格好良くて好きだ。あの時代のちょっと斜に構えたみたいな、すねたみたいな、それでいてユーモアのある格好良いジョージのイメージに良く合っている。スピードがあって、ちょっとブルーで、ポールの曲には無いクールさがある。
この曲の評価をさらに高めたのは、エイタン・ミースキーによるカバー。ジョージのトリビュート・カバー・アルバム [He Was FAB: A Loving Tribute to George Harrison] に収録されている。
特にギターソロがすごく格好良い。このカバーで、"Don't Bother Me" の評価が高くなった人も多いのではないだろうか。
トムさんもお気に入りなら、ぜひともハートブレイカーズでカバーしてほしい。マイクが最高のギター・プレイを聴かせてくれるに違いない。
マイクと言えば、マイクの選ぶジョージの10曲もやってほしい。
Full Moon and Empty Arms ― 2014/05/16 21:11
ボブ・ディランが公式ページで、フランク・シナトラが歌った "Full Moon and Empty Arms" のカバーを発表している。
年内になんらかのアルバム・リリースが決まっているらしく、その中に収録されるだろうとのこと。カバー・アルバムになるのかな?
私はシナトラを全く知らないので、この曲を聴くのは初めてだ。どんな曲だろう?
ええと…これは…あれでしょう…?
ラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番。数あるピアノ・コンチェルトの中でもトップクラスに有名な名曲ではないか。
Wikipediaで確認したところ、1945年にラフマニノフのピアノ・コンチェルト2番第3楽章のメロディをもとに、バディ・ケイとテッド・モスマンという人が作ったのがこの "Full Moon and Empty Arms" で、同年にフランク・シナトラが録音して有名になったそうだ。
原曲の作曲こそ1901年ごろだが、ラフマニノフが亡くなったのは1943年。著作権上の問題はなかったのだろうか?それとも著作権という概念がなかったとか?
シナトラの録音も聴いてみたのだが、どうも原曲の凄さを知っていると、台無し感が否めない。
確かに甘く美しく、独特のメロディなのだが、ここだけを取り出してしまうと、甘ったるいだけのベタっとした曲に聞こえる。第一楽章から始まるあの重さ、荘厳で峻険さすら感じさせる曲想の中から湧き出るからこそ、あの甘美な美しさが映えると思うのだが。
原曲はリヒテルで。"Full Moon and Empty Arms" のメロディは、23分ごろから。
リヒテル…完全にボスはピアニストだ(かつて、グールドとバーンスタインがピアノ・コンチェルト(ブラームスだったかな?)の解釈で意見が合わず、「指揮者とソリスト、どちらがボスだ?」と報道された)。
この曲はやはり冒頭の「鐘」から最後まで全て聞いて欲しい。最近では、フィギュア・スケートでよく使われている。
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)。身長2メートル、巨大な手をもつピアノ・ヴィルトゥオーソでもあるロシア人作曲家。
おそらく、私は一生彼の曲を弾かないだろう。手の条件が悪すぎる。私は目一杯手を広げても1オクターヴ(8度)しか届かず、ピアニストとしては手が小さすぎるが、一方ラフマニノフは12度は届いたという。いや、それ以上かも知れない。
とにかく、ピアノ・コンチェルト第2番など、冒頭の左手がいきなり届かない。アウト!
まぁ、たとえ手が大きかったとしても、あんな難しい曲、絶対に無理だと思うが。
ディランの "Full Moon and Empty Arms" に話を戻すが、とにかく曲が甘いだけに、あのだみ声が…映える。良いかどうかはともかく。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとディランがツアーをしていた80年代、ドラマーのスタン・リンチがリハーサルを抜け出して、フランク・シナトラのコンサートに行こうとしたら、ディランが「俺も行く!」と言いだし、二人で見に行ったという可愛い話がある。
ディランもシナトラが好きなんだなぁ。スタンとのエピソードもさることながら、このカバーを聴いてもよく分かる。
しかし、私は甘い曲があまり好きではないので…いずれ発売されるであろうアルバムがどうなるのか、ちょっと心配。そろそろエッジの効いた、ハードなサウンドが聴きたいですよ、ディラン様。
年内になんらかのアルバム・リリースが決まっているらしく、その中に収録されるだろうとのこと。カバー・アルバムになるのかな?
私はシナトラを全く知らないので、この曲を聴くのは初めてだ。どんな曲だろう?
ええと…これは…あれでしょう…?
ラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番。数あるピアノ・コンチェルトの中でもトップクラスに有名な名曲ではないか。
Wikipediaで確認したところ、1945年にラフマニノフのピアノ・コンチェルト2番第3楽章のメロディをもとに、バディ・ケイとテッド・モスマンという人が作ったのがこの "Full Moon and Empty Arms" で、同年にフランク・シナトラが録音して有名になったそうだ。
原曲の作曲こそ1901年ごろだが、ラフマニノフが亡くなったのは1943年。著作権上の問題はなかったのだろうか?それとも著作権という概念がなかったとか?
シナトラの録音も聴いてみたのだが、どうも原曲の凄さを知っていると、台無し感が否めない。
確かに甘く美しく、独特のメロディなのだが、ここだけを取り出してしまうと、甘ったるいだけのベタっとした曲に聞こえる。第一楽章から始まるあの重さ、荘厳で峻険さすら感じさせる曲想の中から湧き出るからこそ、あの甘美な美しさが映えると思うのだが。
原曲はリヒテルで。"Full Moon and Empty Arms" のメロディは、23分ごろから。
リヒテル…完全にボスはピアニストだ(かつて、グールドとバーンスタインがピアノ・コンチェルト(ブラームスだったかな?)の解釈で意見が合わず、「指揮者とソリスト、どちらがボスだ?」と報道された)。
この曲はやはり冒頭の「鐘」から最後まで全て聞いて欲しい。最近では、フィギュア・スケートでよく使われている。
セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)。身長2メートル、巨大な手をもつピアノ・ヴィルトゥオーソでもあるロシア人作曲家。
おそらく、私は一生彼の曲を弾かないだろう。手の条件が悪すぎる。私は目一杯手を広げても1オクターヴ(8度)しか届かず、ピアニストとしては手が小さすぎるが、一方ラフマニノフは12度は届いたという。いや、それ以上かも知れない。
とにかく、ピアノ・コンチェルト第2番など、冒頭の左手がいきなり届かない。アウト!
まぁ、たとえ手が大きかったとしても、あんな難しい曲、絶対に無理だと思うが。
ディランの "Full Moon and Empty Arms" に話を戻すが、とにかく曲が甘いだけに、あのだみ声が…映える。良いかどうかはともかく。
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズとディランがツアーをしていた80年代、ドラマーのスタン・リンチがリハーサルを抜け出して、フランク・シナトラのコンサートに行こうとしたら、ディランが「俺も行く!」と言いだし、二人で見に行ったという可愛い話がある。
ディランもシナトラが好きなんだなぁ。スタンとのエピソードもさることながら、このカバーを聴いてもよく分かる。
しかし、私は甘い曲があまり好きではないので…いずれ発売されるであろうアルバムがどうなるのか、ちょっと心配。そろそろエッジの効いた、ハードなサウンドが聴きたいですよ、ディラン様。
Rock stimulates the economy ― 2014/05/19 20:36
3月23日に記事にした、ジョージ使用のリッケンバッカー。オークションが行われ、65万7000ドル,日本円にして約6700万円で落札されたそうだ。
ジョージ・ハリスン使用のギター、予想上回る6700万円で落札
なんともはや、凄まじいものだ。このギターで6700万円では、もっと有名なギターだったらどうなるのだろう…
一方、ボブ・ディラン。
何となくテレビを点けていたら、ディラン様の歌声の流れるCMが登場して、ぶっ飛んでしまった。
曲は、1962年ガスライトでのライブ, "Motherless Children"。この選曲も渋い。
それにしても、ディラン様がクライスラーの車であるジープのCMに使われるとは思わなかった。数年前の、キャデラックの印象が強かったので。キャデラックは、もちろんGM。
前々回の Theme Time Radio Hour のテーマが [Cadillac] だったのも、キャデラックのCMと無関係ではないだろう。実際、ディランが登場したキャデラックのCMの最後には、ラジオの告知もある。
このCMは2007年だそうだ。
一方、なんでも今年2014年のスーパーボウルのCMで、ディランがクライスラーのCMに登場したそうだ。
"Things Have Changed"。ボブ・ディラン、アメリカを語る。アメリカ、車、クライスラー… スーパーボウルのCMだから特別ということもあるが、格好良すぎて羨ましい。
ともあれ、この流れでディランがクライスラー/ジープのCMに使われているのだろう。
そういえばストーンズも、"Start Me Up" がWindows95, "Janpin' Jack Flash" がX boxなど、マイクロソフトのプロモーションに使われたかと思えば、"She's a Rainbow" がアップルのiMacのCMに使われたりもした。
自分が好きな音楽が、イカした製品の格好良いCMに使われるのは、悪い気はしない。それにしても、ジープのCMはあと2ヶ月早く流せなかったかなぁ?
ジョージ・ハリスン使用のギター、予想上回る6700万円で落札
なんともはや、凄まじいものだ。このギターで6700万円では、もっと有名なギターだったらどうなるのだろう…
一方、ボブ・ディラン。
何となくテレビを点けていたら、ディラン様の歌声の流れるCMが登場して、ぶっ飛んでしまった。
曲は、1962年ガスライトでのライブ, "Motherless Children"。この選曲も渋い。
それにしても、ディラン様がクライスラーの車であるジープのCMに使われるとは思わなかった。数年前の、キャデラックの印象が強かったので。キャデラックは、もちろんGM。
前々回の Theme Time Radio Hour のテーマが [Cadillac] だったのも、キャデラックのCMと無関係ではないだろう。実際、ディランが登場したキャデラックのCMの最後には、ラジオの告知もある。
このCMは2007年だそうだ。
一方、なんでも今年2014年のスーパーボウルのCMで、ディランがクライスラーのCMに登場したそうだ。
"Things Have Changed"。ボブ・ディラン、アメリカを語る。アメリカ、車、クライスラー… スーパーボウルのCMだから特別ということもあるが、格好良すぎて羨ましい。
ともあれ、この流れでディランがクライスラー/ジープのCMに使われているのだろう。
そういえばストーンズも、"Start Me Up" がWindows95, "Janpin' Jack Flash" がX boxなど、マイクロソフトのプロモーションに使われたかと思えば、"She's a Rainbow" がアップルのiMacのCMに使われたりもした。
自分が好きな音楽が、イカした製品の格好良いCMに使われるのは、悪い気はしない。それにしても、ジープのCMはあと2ヶ月早く流せなかったかなぁ?
Hypnotic Eye / Tour 2014 ― 2014/05/22 21:02
トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの大きなニュースが入ってきた。
まずは、少し前にちょっとだけ情報の出ていた新譜 [Hypnotic Eye]。7月29日に発売される。
そして、8月3日から10月10日まで、北米大陸28カ所,主にアリーナ級の会場でのライブ・ツアーが行われる。
これらの情報発表と同時に、お金のかかっていないプロモーション動画も公開された。
おお!出ました、トムさんの小芝居!この人は普通系,自然体系の演技より、こういうヘンテコな芝居のほうが上手い。モッサリ・ノッソリしているようで、無性に可愛らしいところがたまらない。ステレオの向こう側からニューっと出てきたり、ピョコンとひっこんだり…。どうしよう。可愛い。着ぶくれモッサリ髭オヤジなのに…
最初に流れるハードなギター・リフの曲はマイクの曲かな?
「デビューアルバムの頃を彷彿とさせる」と言っているだけに、懐かしいような素敵なサウンドが次から次へと登場するのが嬉しい。特に1分34秒ごろのコーラスが素敵。ビートルズ的というか、ジェフ・リン的というか、[Full Moon Fever] 的でもの凄く好み。
更に1分47秒ごろからの曲も格好良い。"You Wreck Me" 的でワクワクする。
やっぱり、ロックンロールは最高だ!…そう思わせてくれるアルバムになることを期待している。
一方、北米ツアー。2ヶ月強のツアーで大陸をいつものように廻る。個人的には、野球好きなのでボストン,フェンウェイパークが気になる。行けないけど。野球場での、野外コンサートになるのだろうか。
Very Special Guest はスティーヴ・ウィンウッド。これまた贅沢な…!2008年のツアーも、彼がスペシャル・ゲストだったが、素晴らしかった。TP&HBとの共演もあったし。そして、2012年ロンドンでも、私は彼らの共演を見ている。
今回も楽しみ。今まで、"Very"ってついていただろうか?"Very Special" なだけに、期待も高まるというものだ。
ツアーには慣れているだろうけど、くれぐれも体調に気をつけて。無事に大勢集まったファン達を楽しませて欲しい。
その前に、新譜発売に向けてテレビ出演や、動画の公開などもあるだろう。楽しみな、楽しみな夏になる。
まずは、少し前にちょっとだけ情報の出ていた新譜 [Hypnotic Eye]。7月29日に発売される。
そして、8月3日から10月10日まで、北米大陸28カ所,主にアリーナ級の会場でのライブ・ツアーが行われる。
これらの情報発表と同時に、お金のかかっていないプロモーション動画も公開された。
おお!出ました、トムさんの小芝居!この人は普通系,自然体系の演技より、こういうヘンテコな芝居のほうが上手い。モッサリ・ノッソリしているようで、無性に可愛らしいところがたまらない。ステレオの向こう側からニューっと出てきたり、ピョコンとひっこんだり…。どうしよう。可愛い。着ぶくれモッサリ髭オヤジなのに…
最初に流れるハードなギター・リフの曲はマイクの曲かな?
「デビューアルバムの頃を彷彿とさせる」と言っているだけに、懐かしいような素敵なサウンドが次から次へと登場するのが嬉しい。特に1分34秒ごろのコーラスが素敵。ビートルズ的というか、ジェフ・リン的というか、[Full Moon Fever] 的でもの凄く好み。
更に1分47秒ごろからの曲も格好良い。"You Wreck Me" 的でワクワクする。
やっぱり、ロックンロールは最高だ!…そう思わせてくれるアルバムになることを期待している。
一方、北米ツアー。2ヶ月強のツアーで大陸をいつものように廻る。個人的には、野球好きなのでボストン,フェンウェイパークが気になる。行けないけど。野球場での、野外コンサートになるのだろうか。
Very Special Guest はスティーヴ・ウィンウッド。これまた贅沢な…!2008年のツアーも、彼がスペシャル・ゲストだったが、素晴らしかった。TP&HBとの共演もあったし。そして、2012年ロンドンでも、私は彼らの共演を見ている。
今回も楽しみ。今まで、"Very"ってついていただろうか?"Very Special" なだけに、期待も高まるというものだ。
ツアーには慣れているだろうけど、くれぐれも体調に気をつけて。無事に大勢集まったファン達を楽しませて欲しい。
その前に、新譜発売に向けてテレビ出演や、動画の公開などもあるだろう。楽しみな、楽しみな夏になる。
Any Day Now ― 2014/05/25 19:38
映画 [Any Day Now]邦題「チョコレートドーナツ」を見た。
1970年末のLA。歌手を夢見るゲイバーのダンサー,ルディと、弁護士でゲイであることを隠しているポール。このカップルが、母親が逮捕されてしまったダウン症の少年マルコを引き取り、家族として暮らし始める。
やがてその幸せな暮らしが周囲の圧力で壊され、ルディとポールは法廷闘争でマルコを取り戻そうとする。ヒューマンドラマであり、同時に法廷ドラマでもある。
ルディとポールのカップルが、どうにもモンティ・パイソンのエリック・アイドルとジョン・クリーズに見えて仕方がなかった…
まず泣く映画であり、いろいろ考えさせる映画でもある。
原題の [Any Day Now] は、もちろん予告編にも登場する "I Shall Be Released" の歌詞の一部だ。この曲が、映画の中で非常に重要な役割を担っている。
ルディが熱唱する映画のバージョンも良いが、やや大袈裟さがこの曲の良さを削いでいるかも知れない。
"I Shall Be Released" はボブ・ディランの曲であり、ザ・バンドの演奏が有名だ。
ほかにも色々なカバー・バージョンがあるし、ディラン自身も録音している。ジョー・コッカーのバージョンなどは、熱いけど、一方で淡々とした感じもあり、説得力がある。
面白いところでは、ビートルズのバージョンというものもある。どうやら、[Let It Be] のセッションの合間に録音されたらしい。
歌っているのは、ディラン大好きジョージ。何気なく歌っているが、そこがまた素敵。ジョンのコーラスはややうるさいか。
あれこれ、"I Shall Be Released" の別バージョンを聴いたのだが、やはり [The Last Waltz] の破壊力は半端ではなかった。
演奏そのものは意外と淡々と進むのだが、その単純さがこの曲の説得力となっている。それでいて、力一杯サビを歌うパワーが素晴らしい。
1970年末のLA。歌手を夢見るゲイバーのダンサー,ルディと、弁護士でゲイであることを隠しているポール。このカップルが、母親が逮捕されてしまったダウン症の少年マルコを引き取り、家族として暮らし始める。
やがてその幸せな暮らしが周囲の圧力で壊され、ルディとポールは法廷闘争でマルコを取り戻そうとする。ヒューマンドラマであり、同時に法廷ドラマでもある。
ルディとポールのカップルが、どうにもモンティ・パイソンのエリック・アイドルとジョン・クリーズに見えて仕方がなかった…
まず泣く映画であり、いろいろ考えさせる映画でもある。
原題の [Any Day Now] は、もちろん予告編にも登場する "I Shall Be Released" の歌詞の一部だ。この曲が、映画の中で非常に重要な役割を担っている。
ルディが熱唱する映画のバージョンも良いが、やや大袈裟さがこの曲の良さを削いでいるかも知れない。
"I Shall Be Released" はボブ・ディランの曲であり、ザ・バンドの演奏が有名だ。
ほかにも色々なカバー・バージョンがあるし、ディラン自身も録音している。ジョー・コッカーのバージョンなどは、熱いけど、一方で淡々とした感じもあり、説得力がある。
面白いところでは、ビートルズのバージョンというものもある。どうやら、[Let It Be] のセッションの合間に録音されたらしい。
歌っているのは、ディラン大好きジョージ。何気なく歌っているが、そこがまた素敵。ジョンのコーラスはややうるさいか。
あれこれ、"I Shall Be Released" の別バージョンを聴いたのだが、やはり [The Last Waltz] の破壊力は半端ではなかった。
演奏そのものは意外と淡々と進むのだが、その単純さがこの曲の説得力となっている。それでいて、力一杯サビを歌うパワーが素晴らしい。
Will Lee's Story ― 2014/05/28 22:31
「大人のロック!」という雑誌がある。ダサいタイトルだが、とにかく「大人のロック!」だそうだ。しかし、ホームページでバックナンバーを見る限り、看板に偽りありで、実際には「ほぼビートルズ」。ほぼビートルズで、時々ゼッペリンとか、時々クィーンとか。
「大人のロック!」というくらいなら、バーズや、ザ・バンドや、TP&HBくらいあっても良さそうだが。
そもそもこの雑誌、創刊当時にちらりと立ち読みをして、内容の怪しさにおどろいたことがある。バングラデシュ救済コンサートがなぜか「カンボジア救済」だったり、ジェイコブ・ディランがボブ・ディランの「ひとり息子」だったり。
それはともかく、このたび、この「大人のロック!」特別編集版のムックとして、「ジョージ・ハリスン 至福のサウンド」なるものが発売された。
一応、購入。
この手のムックの場合、よく冒頭にインタビュー記事などがあるが、この本も例外ではない。これって要らないと思う。
それ以外は、ジョージのレコーディングやライブの情報など、かなり詳細に網羅しているようで、資料的になかなか良いと思う。
特に目新しい情報、ビックリするような情報はなかったのだが、一つ長年の疑問が解けた。ゲイリー・ムーアと、ジョージはどういう縁で友人になったのかということ。
これまで、その問いに答えた人がおらず、今年のCRTジョージ祭りで、本秀康さんも知らないと言っていた。
この本によると、ゲイリー・ムーアはジョージと同じヘンリー・オン・テムズの住人で、その縁での交友なのだと言う。
確認してみると、確かにご近所だった。ただしゲイリー・ムーアは、正確にはヘンリー・オン・テムズではなく、その6キロほど南の集落シップレイクの住人である。鉄道の駅一つ分離れている。
ベーシストのウィル・リーが、インタビューでこんな話をしていた。
ぼくはイングランドで、ゲイリー・ムーアとアルバムを作っていたことがある。録音していたスタジオは、ジョージ・ハリスンの家フライアー・パーク・オン・ヘンリー・オン・テムズにとても近かった。
ちょうどウィンブルドン選手権の時期で、休み時間には大きなテレビで試合を見ていた。ある日の夕暮れ、ぼくらはロジャー・ウォータース所有の大きなお屋敷内のスタジオの食堂で、夕食をとっていた。すると、ふたつの人影がこちらに近づいてくるのが窓越しに見えた。よくよく見ると、それはジョージ・ハリスンと、ジョン・マッケンローだった。
ぼくらは一日中、ウィンブルドンのマッケンローを見ていたんだ。その彼が目の前にいるもんだから、もうびっくりさ。一体、ここで何やってるんだ?
二人は、ぼくらが町に居ると聞いて、ジャムでもやろうと、やって来たんだ。
ジョージ、マッケンローともお友達だったのか…。相変わらずだなぁ。
このウィル・リーの話に出てくる「ロジャー・ウォータース所有のお屋敷」というのは、ピンク・フロイドの人の家のことだろうか。おそらく、シップレイクに住んでいるゲイリー・ムーアにとって、便利なところにあったのだろう。デイヴィッド・ギルモアもテムズ川沿いにスタジオを持っている(ボートハウス?)が、これとは別だろう。
ちなみに、ウィル・リーの話は、さらに続く。
そんな訳で、ジョージはぼくらを彼の家に招待してくれたり、いろいろした。
1年後のある日、ぼくの留守電にメッセージが入っていた。
「やぁ、ウィル。ジョージ・ハリスンだ。例のテレビ番組からきみをかっさらって、アルバート・ホールで一晩、一緒にプレイしてもらいたいんだ。電話して。」
弟のロブは、ジョージの真似が得意だった。だからこのメッセージも、弟だと思って、折り返しの電話はしなかった。その日の夜になって、ぼくは弟に電話で言った。「さっきのジョージのもモノマネ、そっくりだったな。」すると弟が言った。
「電話してないよ。」
「わぁぁぁ!電話しなきゃ!」
電話をしてみると、ジョージが、彼自身の最後のコンサートとなる、ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートに、招いてくれるとのことだった。あれは93年のことだったと思う。
本当に、まじで大興奮だった。アンコールにはリンゴが登場して、”While My Guitar Gently Weeps” と “Roll Over Beethoven” を一緒にプレイした。ほんと、信じられないよ。まさに、ロックンロール・ヘヴンだった。ぶっとんでいた。どんなにものすごいことだったか、言葉ではとても表現できない。
ジョージが留守電で言っていた「例のテレビ番組」というのは、CBSの番組 [Late Show with David Letterman] のこと。ウィル・リーは、この番組のハウスバンドの一員。
ジョージ最後の主役ライブとなったロイヤル・アルバート・ホールは1992年なので、93年というのはリーの勘違いだろう。マッケンローは1993年を最後に引退しているので、その辺りは間違っていない。
このロイヤル・アルバート・ホールでのライブには、ゲイリー・ムーアや、ちょうど英国ツアーが終わったばかりのハートブレイカーズのマイク・キャンベルも参加している。ほぼクラプトンのバンドだったが(ハイジャック・バンド)、ジョージの人脈で参加したメンバーの姿もあって、面白い。
そもそも、スタン・リンチの抜けたハートブレイカーズのドラマーに、スティーヴ・フェローニが迎えられるのも、このライブでマイクがスティーヴと共演したことがきっかけだった。
ジョージの周囲を見渡すと、豊富なな交友網が次々と現れる。音楽も、ルックスも、そして友達の多いところも、ジョージの魅力だと思うのだ。
「大人のロック!」というくらいなら、バーズや、ザ・バンドや、TP&HBくらいあっても良さそうだが。
そもそもこの雑誌、創刊当時にちらりと立ち読みをして、内容の怪しさにおどろいたことがある。バングラデシュ救済コンサートがなぜか「カンボジア救済」だったり、ジェイコブ・ディランがボブ・ディランの「ひとり息子」だったり。
それはともかく、このたび、この「大人のロック!」特別編集版のムックとして、「ジョージ・ハリスン 至福のサウンド」なるものが発売された。
一応、購入。
この手のムックの場合、よく冒頭にインタビュー記事などがあるが、この本も例外ではない。これって要らないと思う。
それ以外は、ジョージのレコーディングやライブの情報など、かなり詳細に網羅しているようで、資料的になかなか良いと思う。
特に目新しい情報、ビックリするような情報はなかったのだが、一つ長年の疑問が解けた。ゲイリー・ムーアと、ジョージはどういう縁で友人になったのかということ。
これまで、その問いに答えた人がおらず、今年のCRTジョージ祭りで、本秀康さんも知らないと言っていた。
この本によると、ゲイリー・ムーアはジョージと同じヘンリー・オン・テムズの住人で、その縁での交友なのだと言う。
確認してみると、確かにご近所だった。ただしゲイリー・ムーアは、正確にはヘンリー・オン・テムズではなく、その6キロほど南の集落シップレイクの住人である。鉄道の駅一つ分離れている。
ベーシストのウィル・リーが、インタビューでこんな話をしていた。
ぼくはイングランドで、ゲイリー・ムーアとアルバムを作っていたことがある。録音していたスタジオは、ジョージ・ハリスンの家フライアー・パーク・オン・ヘンリー・オン・テムズにとても近かった。
ちょうどウィンブルドン選手権の時期で、休み時間には大きなテレビで試合を見ていた。ある日の夕暮れ、ぼくらはロジャー・ウォータース所有の大きなお屋敷内のスタジオの食堂で、夕食をとっていた。すると、ふたつの人影がこちらに近づいてくるのが窓越しに見えた。よくよく見ると、それはジョージ・ハリスンと、ジョン・マッケンローだった。
ぼくらは一日中、ウィンブルドンのマッケンローを見ていたんだ。その彼が目の前にいるもんだから、もうびっくりさ。一体、ここで何やってるんだ?
二人は、ぼくらが町に居ると聞いて、ジャムでもやろうと、やって来たんだ。
ジョージ、マッケンローともお友達だったのか…。相変わらずだなぁ。
このウィル・リーの話に出てくる「ロジャー・ウォータース所有のお屋敷」というのは、ピンク・フロイドの人の家のことだろうか。おそらく、シップレイクに住んでいるゲイリー・ムーアにとって、便利なところにあったのだろう。デイヴィッド・ギルモアもテムズ川沿いにスタジオを持っている(ボートハウス?)が、これとは別だろう。
ちなみに、ウィル・リーの話は、さらに続く。
そんな訳で、ジョージはぼくらを彼の家に招待してくれたり、いろいろした。
1年後のある日、ぼくの留守電にメッセージが入っていた。
「やぁ、ウィル。ジョージ・ハリスンだ。例のテレビ番組からきみをかっさらって、アルバート・ホールで一晩、一緒にプレイしてもらいたいんだ。電話して。」
弟のロブは、ジョージの真似が得意だった。だからこのメッセージも、弟だと思って、折り返しの電話はしなかった。その日の夜になって、ぼくは弟に電話で言った。「さっきのジョージのもモノマネ、そっくりだったな。」すると弟が言った。
「電話してないよ。」
「わぁぁぁ!電話しなきゃ!」
電話をしてみると、ジョージが、彼自身の最後のコンサートとなる、ロイヤル・アルバート・ホールでのコンサートに、招いてくれるとのことだった。あれは93年のことだったと思う。
本当に、まじで大興奮だった。アンコールにはリンゴが登場して、”While My Guitar Gently Weeps” と “Roll Over Beethoven” を一緒にプレイした。ほんと、信じられないよ。まさに、ロックンロール・ヘヴンだった。ぶっとんでいた。どんなにものすごいことだったか、言葉ではとても表現できない。
ジョージが留守電で言っていた「例のテレビ番組」というのは、CBSの番組 [Late Show with David Letterman] のこと。ウィル・リーは、この番組のハウスバンドの一員。
ジョージ最後の主役ライブとなったロイヤル・アルバート・ホールは1992年なので、93年というのはリーの勘違いだろう。マッケンローは1993年を最後に引退しているので、その辺りは間違っていない。
このロイヤル・アルバート・ホールでのライブには、ゲイリー・ムーアや、ちょうど英国ツアーが終わったばかりのハートブレイカーズのマイク・キャンベルも参加している。ほぼクラプトンのバンドだったが(ハイジャック・バンド)、ジョージの人脈で参加したメンバーの姿もあって、面白い。
そもそも、スタン・リンチの抜けたハートブレイカーズのドラマーに、スティーヴ・フェローニが迎えられるのも、このライブでマイクがスティーヴと共演したことがきっかけだった。
ジョージの周囲を見渡すと、豊富なな交友網が次々と現れる。音楽も、ルックスも、そして友達の多いところも、ジョージの魅力だと思うのだ。
最近のコメント