Fools2014/03/02 20:08

 ディラン様ラジオこと、[Theme Time Radio Hour] はそろそろシーズン1の終わりを迎えようとしている。本国での初回放送が4月1日に近かったため、テーマは"Fools"。エイプリル・フールの話題がいろいろあって面白かった。特に、カメの話が。ああいう話、大好き。

 "Fool" といって真っ先に思いつくのがフォガットの "Fool for the CIty"。この場合の "Fool" は、イカれているとか、ぞっこんとかいう意味だろうか。



 フォガットはベスト版を1枚だけ持っている。なぜフォガットを持っているのかは、実は謎。どういう経緯で彼らを知って、ベスト版を買うことになったのか、まったく覚えていない。
実はついさっきまで、アメリカの ― 西海岸のバンドだと思っていた。UKのバンドとは知らなかった…

 "Fool" には「道化師」という意味もあり、スモーキー・ロビンソン&ザ・ミラクルズの "Tears of a Crown" に登場する Crown, Fool はこちらにあたる。



 そして、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの "Fooled Again (I don't like it)"。1976年のデビューアルバムに収録された。
 BBCの番組に出演した際の映像があるが、これがかなり格好良い。当然だが、どのメンバーも初々しい。この時期のマイクには珍しく、ややオーバーアクション。



 もうすぐ、エイプリル・フール。さて、今年はどうしよう?

The Rolling Stones in Tokyo 2014 (No. 2)2014/03/05 22:44

 3月4日東京ドーム。今回の来日で2回目のストーンズ。先週と同じく、開演は19時。やはり同じく満員。
 席も先週と同じでスタンド1階、三塁側。やや角度があったため、チャーリーがぎりぎりで見える感じで、正面のモニターは見えなかった。

Start Me Up
You Got Me Rocking
It’s Only Rock 'N' Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Angie
Doom And Gloom
Silver Train
Honky Tonk Women
Slipping Away
Happy
Midnight Rambler
Miss You
Paint It Black
Gimme Shelter
Jumpin' Jack Flash
Sympathy For The Devil
Brown Sugar
You Can't Always Get What You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction

 幕開きは "Start Me Up"。やはりこの曲の方が乗りが良いような気がする。

 スローパートは "Wilde Horses"はなく、"Angie "。実は、ウクレレの発表会で "Angie" を弾くので、この選曲は嬉しかった。テンポの早い演奏で、さっぱりと聞かせてくれる。

 さすがに機材の調整がうまくいったのか、先週よりはだいぶ音響が改善していた。キースもいくらか演奏しやすそうだ。
 ハウリングも十分の一ほどに減っているように感じる。やはり初日は手さぐりなのだろうか。ストーンズほどの経験を積んだバンドでもそういうものか。

 一番ぐっと来たのは、なぜか "Tambline Dice"。ストーンズが格好良く、さりげなくプレイする姿が良かった。
 最後に曲を終わらせるためにテンポを落としながら、満足そうに微笑んでいるチャーリーを見ると、涙が出そうになった。
 チャーリーといえば。要は、どの曲もチャーリーがまとめているのだという感じがした。カウントこそチャーリーではないが、曲をしめくくるのはチャーリーだし、随所でチャーリーに「強制終了」されている場面が見られた。

 キースは、先週よりはさすがに元気だった。"Miss You" の時、ミックやロニーと一緒に花道へ行かなかったのはなぜだろう。その後で一人で花道を走り、挨拶するだけして、そのまま帰っていった。ギターソロを披露するわけでもなく。
 キースのソロは、まず "Slippin' Away"。そして "Happy" で、曲を変えてきた。私は "Happy" が好きなので大満足。
 それにしても、キースは歳をとった。二歳上のチャーリーよりも老いて見えたし、あの腰を落としたり、片足立ちにするようなパフォーマンスが見られなかったのは残念。またいつか、あんなキレキレのキースが見てみたい。

 ミックは相変わらずの圧巻パフォーマンス。先週よりは会場のテンションが高いことを実感しているように見える。ステージの端から端まで走るパフォーマンスは、"Brown Suger" と決まっているらしい。こちらに向かってくる三塁側の方が見応えがある。
 ミックは、メンバー紹介で、ダリル・ジョーンズの時になぜか「チャック・・・!」と言ってしまい、爆笑されていた。

 "You Can't Always Get What You Want" のコーラスは、S学園のコーラスだそうだ。
 オーディエンスのコーラスは、先週よりも調子良く歌えたのだが、どういうわけか、チャック・リーヴェルのピアノがうまく入れず、リズムがずれてミックも笑いだしてしまった。そこはチャーリーがさくっと救う。助けて、チャーリー!ありがとうチャーリー!

 前半以外は、ほぼ先週と同じセットリスト。おなじみのヒットパレードをみんなで楽しむ。

 最高に格好良いロックスターたちは、木曜日の公演を終えると、日本を後にする。次はいつ来てくれるのだろうか。
 ロニーがソロ公演で来てくれたら、絶対に行くし、やはり海外でのストーンズ公演も見てみたい。
 ここはやはり、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールに期待したい。アリーナ級ではないので難しいだろうが、ぜひとも体験してみたいと思うのだ。
 ストーンズが行ってしまうと寂しい反面、また彼らに会いに行こう、また素敵なロックで素敵な時間を過ごそう、と思わせる2回のライブ観戦だった。

 やはり私はロックンロールが大好きだ。たかがロックンロール。でも大好きなんだ。

 と、ここまで書いてシンミリしていたのだが。………

 やはりもう1回見るべきではないか?!

The Rolling Stones in Tokyo 2014 (No. 3)2014/03/08 21:14

 3月6日東京ドーム。

 今回のストーンズ来日公演は、初日と二日目を見るべく、例のバカ高いチケットを購入していた。
 ところが、二日目が終わってみると、にわかに寂しくなってしまい、どうにも最終日も見たい気持ちが抑えられなくなった。そもそも、チケットはあるのだろうか。
 翌日、さっそく確認してみると、10000円とだいぶお安い(?)値段で、当日座席指定券引き替えのチケットがまだ買える。ただし、ステージの一部や、演者が見えないと言う。この際、モニターが見えるだけでも構わないと思い、早速購入。
 当日、仕事を終えてからドームに行き、引き替えてみると席はライト側の外野席。つまり、ステージを後方から見ることになり、確かにステージは左翼側しか見えない。それでも、ステージそのものは近く、ミックやキース、ロニーは見えるし、彼らが見えなくてもモニターはちゃんと見える。これが意外と良い席だった。
 面白かったのは、この外野席、私をふくめて殆どがお一人様だったこと。おそらく、どうしても見たくなり、人を誘う余裕もなく突撃してきた人々が多いのだろう。その気持ち、良く分かる。

 セットリストは、以下の通り。友人はオープニングを "Jumpin' Jack Flash" と予想したが、これがみごと的中した。

Jumpin' Jack Flash
You Got Me Rocking
It’s Only Rock 'N' Roll (But I Like It)
Tumbling Dice
Ruby Tuesday
Doom And Gloom
Respectable
Honky Tonk Women
Slipping Away
Before They Make Me Run
Midnight Rambler
Miss You
Paint It Black
Gimme Shelter
Start Me Up
Sympathy For The Devil
Brown Sugar
You Can't Always Get What You Want
(I Can’t Get No) Satisfaction

 初日と比べたら、見違えるような演奏の良さ!まず音響が大幅に改善されていたし、ハウリングも僅かしか聴かれない。キースも調子よさそうで、どのイントロもばっちり決まっていた。
 ストーンズほどのバンドであっても、やはり回数をこなして経験を積むことで音楽はより良くなっていくのだ。当然といえば当然だが、この認識を新たにした。
 観客にも同じ事は言えるようで、おそらく2回目、3回目の人も多かったことだろう。盛り上がりもひとしきりだった。

 今回も "Tumbling Dice" で泣けてしまった。どういう訳だろうか。キースがステージの左端にきて、手を振ってくれた。涙がポロポロこぼれる。
 なんとなく、キースとはもう会えないような気がした。

 スローパートも、今回の "Ruby Tuesday" が結局一番良かった(二日目の "Angie" はちょっとテンポが速過ぎた)。モニターを見ると、キースが何かしかめ面をしてスタッフに合図をしている。どうやら、キースのコーラス用マイクがなかった模様。
 まさかミスで置き忘れるとは思えないので、キースが急に歌う気になったのではないだろうか。途中でマイクが出てくると、キースは機嫌良くコーラスを歌っていた。

 ファン投票の曲というのは、本当にファン投票の結果なのだろうか。よく分からないし、まぁ、どちらでも構わない。私は "All Down the Line" か、"Respectable" が聴きたかったので、今回の "Respectable" は嬉しかった。
 ミックが「スペシャルゲスト!」と言うので、もうミック・テイラーが登場するのかと思ったら…

 「ハッテイ!」

 …はってい?

 モニターをみてやっと分かった。布袋寅泰だった。彼のことは良く分からないが、ギターは上手い。でもやっぱり、ギターソロはロニーのものだ。あの曲では特に。

 "Honky Tonk Women" は、二日目までよりも、ぐっとテンポを落とし、重い演奏になった。これが格好良い!ミックは「テンポ上げて!」と合図していたが、大して上がらず、そのまま重い演奏で終始した。私はこちらの方が良いと思う。

 キースのパートになると、会場の熱がぐっと上がる。私の周囲のお一人様男子たちが、「キース!」「キース!」と大騒ぎ。
 キースもゴキゲンで「ムハハハハハハ…」などと笑っている。
 ごめん、前言撤回。ステージでうろつく姿を、「ギターを持ったハイカイ老人」などと言った(言ってないけど)私が悪かった。キースはやっぱり凄い!カッコイイ!パワフル無敵のロックンローラーだ!きっと、また会いに来てくれるに違いない!

 "Midnight Rambler" の見所はミック・テイラーのギター・プレイなのだが、一方でミック・ジャガーのダンスも見逃してはいけない。ストーンズに関して、いまさら年齢がどうこうと言うのはいかにもバカバカしいと思うのだが、さすがにミックのダンスは凄いと思う。
"Miss You" で二日目、ミックやロニーと一緒に花道の向こうへ行き損ねてしまったキース。今回は、ちゃんとミックが花道の入り口でキースの方を振り返って待っており、無事に三人でセンターステージへ向かった。
 最終日ということでサービスだったのか、最後にブギーのオマケパートもついた。  最後の最後、"Satisfaction" のエンディングも特別バージョン。さすが、最終日、ゴージャスだ。

 かくして、ストーンズの最終日はめでたく終わりを迎えた。
 終わりよければ全て良し。
 演奏のしにくそうな様子もなく、音楽としての仕上がりも良く、ミスも少なく、ギターとホルンの音程も合っていたし。観客達も調子よく歌えたし。
 今まで、どのバンドもどうせプロなのだからあまり変わりはしないだろうと思っていたのだが、やはり最終日の方が出来が良いらしいということを実感した。ディラン様などはそうではなさそうだが、とにかくこれからは出来るだけ後の日程の公演を見た方が良さそうだと思うようになった。

 色々勉強になり、最高にロックで楽しませてくれたストーンズ、ありがとう。また来てね。

Bob Dylan The 30th Anniversary Concert Celebration (Deluxe Edition)2014/03/11 21:37

 ボブ・フェストこと、ボブ・ディランのデビュー30周年コンサートがいよいよリマスターされ、DVD, Blu-rayになった。まずは輸入版からの発売。私はこれを購入した。字幕は英語でいいことにする。

 ディスクをセットするや、鳴り響くエリック・クラプトン…。
 がんがん鳴る鳴るエリック・クラプトン。
 まだまだ鳴り響くエリック・クラプトン…

 ちとうるさい。

 気を取り直して、まずボーナス・フューチャーからチェック。

 やたらと出てくるエリック・クラプトン…
 リハーサルに、インタビューに、人の話に出る出るエリック・クラプトン…
 タバコの煙モクモク、歩く仏壇エリック・クラプトン。
 この人、絶好調だったのだろうか。

 これまで、ブートビデオや、YouTubeで見ていた、リハーサル風景が綺麗な映像で見られるのが嬉しい。"My Back Pages" は全編入れてくれてもよかったと思うのだが。有名な、「あの…俺の番だと思う…」のシーンも欲しかった!

 こちらの4分20秒。やっぱり絶好調だ。



 ジョージのサウンド・チェック!きゃぁ!ジョージ!普段着を来ている分、あの凄いジャケットより素敵。ジョージと言えば、どうして "If Not For You" は収録されなかったのだろう?何か重大な問題…データが無くなっちゃったとか?
 ジョージと言えば。私のテンションが一番上がったのは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのサウンド・チェック。これまた普段着のTP&HBの姿が、まずツボ。そしてそれを舞台の下手から見ているジョージ!ジョージが!マママママイク、お気持ちを一言!

 ウィルベリー兄弟だけで盛り上がっているわけにも行かない。
 コンサートを冒頭から通して見ようと思ったのだが…ううむ。冒頭の1曲がきつい。一番好きな曲なのだが…どうしても合わない。演奏も、ビジュアルも。ご縁がなかったようで。するっと早送り。
 今は亡きルー・リード。プロンプターの歌詞をガン見しているが、曲の選択は格好良い。私も "Foot of Pride" は大好きだ。

 ピアノのレッスンやら、ウクレレの発表会やらで、なかなかちゃんと見る時間が取れないので、今日はここまで。ゆっくり楽しむことにする。

Angie2014/03/14 21:47

 ザ・ローリング・ストーンズの有名な曲の一つに、"Angie" がある。
 アルバム[Goats Head Soup] に収録されているこのスロー・バラード。もともと、それほど名曲だとは思っていなかった。ストーンズにしては甘すぎるという理由だろう。

 ウクレレでなにを弾こうかと考え、ストーンズも弾いてみたい。 Angie" なら、どうにかなるのではないかと思った。
 例によって自分で譜面を起こすために、しつこく聴いている内に、だんだんこの曲が好きになってきた。
 譜面にするとさらに実感するのだが、曲の構造は実にシンプル。サビらしいサビはなく、メインテーマが延々 Am-E7-G-F-C で回る。それにブリッジらしき G-Dm-C-F-G がつくというだけ。

 しかし、ストーンズの録音を聴くと、実に美しく、説得力がある。穏やかな曲だが、ピアノ(もちろん、ニッキー・ホプキンズ)が素晴らしく引き立ち、ストリングスも分厚く、重厚なサウンドになっている。
 それでいて、アコースティック・ギターのエッジの効いた音が機関車のように曲を前に進めてゆく。
 単純で甘いけど、奇をてらわず、情感豊かに、素直に作った名曲ではないか。

 ミュージック・ビデオは2種類あるとのこと。こちらのバージョンは初めて見た。



 大人しいビデオなのに、ツッコミどころが多すぎる…。

 ええと、ギターの二人。なんですか、そのピンクのバラ。ネックと弦の間に挟んでいるのか?あそこは、タバコを挟むところではないのか?(歩く仏壇)なんだか、ニョキっと生えすぎて、笑うところにしか見えない。
 ミックの爪はゴールド。まだまだ化粧が濃い時期だから仕方がないか。
 そして、背後でかったるそうに叩いているチャーリー。
 いや、誰よりも突っ込まれるべきは、ミック・テイラーだろう。うむむ。これが、ミック・テイラーか…。このあいだ、東京ドームで見たおじさんは、本当に同一人物だろうか…?

 そして、最後に降ってくるピンクの花びら。
 降らすのが遅すぎるような気がする。もうちょっと早く ― せいぜい、3分くらいから、だんだん降らせていくべきだろう。

 つっこみを入れつつも、ミック・テイラーがピアノの前に座り、延々ミック・ジャガーのどアップが迫り来るもう一つのバージョンよりは良いような気がする。いや、"Angie" は音だけでじっくり聞き込むのが一番良いに違いない。

 ウクレレの発表会は今週末。笑ってしまうほど低次元な私の演奏ではあるが、少しでも良い "Angie" になることを願っている。

Saint Patrick's Day2014/03/17 21:19

 3月17日は聖パトリックの祝日である。

 聖パトリキウスは4世紀末から5世紀にかけて生きた人で、アイルランドにキリスト教を広めたということになっている。当然、アイルランドの守護聖人であり、英語名であるセント・パトリックの方が一般的だろう。
 セント・パトリックは、キリスト教の三位一体を説くために、シャムロック(三つ葉のクローバー,カタバミの一種)を手にしたと言い、このシャムロックはセント・パトリックの、そしてアイルランドの象徴となり、ひいては緑が象徴の色となった。

 セント・パトリックの命日である3月17日はセント・パトリック・デーとして盛大に祝われる。本場アイルランドではもちろんだが、多くのアイルランド系移民が住むアメリカで大規模化,大衆化した。
 特にニューヨークは5番街の真ん中に荘厳なセント・パトリック大聖堂が鎮座するだけあって、盛大らしい。もはやアイルランド系ではなくとも、カソリックではなくとも、はてはキリスト教徒でなくとも、楽しく祝う日になっている。日本でもパレードが行われるくらいだ。

 この日、人々は緑色のものを身につける。服、帽子、派手なサングラス、なんでも良いらしい。しまいには川や噴水の色が緑色になる。
 もちろん、ギネスを飲みまくる。
 こちらは、ギネスのCM。お酒なので、もちろん大人がハイテンションになるのが可愛い。



 "Saint Patrick's Day" という伝統的な曲もある。
 ジグで、セット・ダンスを伴う。ダンスにしてはややゆったり目のテンポ。

 フラッシュ・モブも含めて、YouTubeには様々な "Saint Patrick's Day" の様子がアップされているが、ここではなにやら妙な味わいのあるものを紹介。



 ハープを弾いているのは、Fiachra Ó Corragáin という、コークを中心に活躍しているプロのお兄さん(なんと読むのか分からない)。
 なんだか究極の「道ばた」っぽさが良い。意味深に置かれた鉄板の愛想の無さがさらに良い。そして何の感慨もなく現れて、何の感慨もなくステップを踏むダンサーがさらにシュール。

 セント・パトリック・デーといえば、10年前のこんな記事を思い出した。ロニー・ウッドが医者に、タバコをすぐにでも止めないとヤバイと言われたのだが…

2004年3月15日 BARKS ストーンズのロニー・ウッド、医者から…

 この記事、日本で出たのが3月15日である。なのに、ロニーは「聖パトリック・デーの17日に止めるつもりだ。」などと悠長なことを言っている。

 今すぐにやめろ!

 あれから10年。先日のドームでも、ロニーは元気に、キースと後ろでモクモクとふかしていた。セント・パトリックのご加護だろうか。

Richie Havens2014/03/20 22:27

 [Bob Fest] を少しずつブルーレイで見直している。
 今までの媒体がビデオだったため、ずいぶん長い間このコンサートをきちんと見ていなかった。見たとしても、TP&HBやジョージだけだったり、"My Back Pages" だけだったりする。
 前にも書いたが、1曲目がどうにも苦手だし、シンネイド・オコーナーの一件などもあって、特に前半を見ていなかった。オコーナーのシーンは、改めてみてみると、さっさと歌ってしまえば良かったのにと思わずにはいられなかった。ブーイングの影響というよりは、彼女自身の問題、彼女自身の選択だというのが、感想だ。

 そんな中、思わず目を見張ったのは、リッチー・ヘイヴンスだ。1967年にカバーした、"Just Like a Woman" を歌っている。
 その独特なギター演奏にまず目を奪われた。濃密で情熱的で、延々と続くストロークは、意志の強さが必要だろう。
 そして最も驚きなのは、左手の親指の使い方。ジミ・ヘンドリックスも左手の親指で弦を押さえるし、ジョージもたまにやるが、リッチー・ヘイヴンスはこれを多様する。多用するどころか、セーハ(全ての弦を一本指で押さえ込む)を、親指でやってのけるのだ。ほよど手が大きく、手首が柔らかくないと出来ない芸当だ。
 こういうところに目が行くようになったのは、私自身がフレット楽器を始めたからだろうか。

 1970年には、"Here Comes the Sun" をカバーし、ヒットさせている。



 この曲独特のアクセントの移動も、変拍子もなんのその。ひたすらストロークで中央突破する潔さが凄い。ある意味、アヴァンギャルドにすら思える "Here Comes the Sun" だ。

 1970年の "Going Back to My Roots" は、ロック寄りの曲だが、相変わらずのストローク。



 リッチー・ヘイヴンスをジャンルで言うと、まずフォークという言葉が来るらしい。さらに、ロックやファンクといった具合。
 ジャンル分けのことはよく分からないが、私にはニーナ・シモンが一番近い人に思われた。

1962 Rickenbacker 4252014/03/23 21:36

 5月16,17日に行われるオークションに、ジョージ・ハリスンのリッケンバッカーが出品されるそうだ。

Vintage George Harrison guitar set to be auctioned

 1962年のリッケンバッカー425。ジョージは、1963年に姉のルイーズを訪ねに渡米した際、これを購入した。オリジナルの色はファイアーグロウだったが、ジョージのリクエストで黒く塗り直されたとか。ジョンのとのコンビネーションを考えてのことだ。
 ジョージがリッケンバッカーを持っている画像はたくさんがあるが、この425はあまり多くない。特に愛用していたというわけではなさそうだ。
 数少ないこのギターを用いた動画の一つが、テレビ番組 [Ready Steady, Go!] 1963年の、"I Will Get You"。襟なしジャケットのFab4が初々しくて可愛い。
 この動画、少し回転が速く、音も高いと思う。



 さらに、テレビ番組 [Thank You Lucky Stars] の "Money" でも使っている。こちらは上下につぶれているため、ジョンのがに股が目立つ。



 ビートルズの初期は良い。いつ聴いても、いつ見ても良い。若さ故の ― 司馬遼太郎の言葉を借りれば、「きよらかさ」があり、とてつもなく輝いている。あのジョンの声もその後のどんな時期の彼よりも魅力的だ。

 このリッケンバッカー425を、ジョージはジョージ・ペッカムという人物に譲ったそうだ。なんでも、この人はビートルズ初期からの知り合いで、ブライアン・エプスタインがマネージメントを担当したザ・フォーモストというバンドにも一時期いたことがあるそうだ。
 ペッカム氏以降、このギターがどういう来歴を持ち、今回のオークションに出品されるに至ったのかは、分からない。ただ、ロックンロール・ホール・オブ・フェイムに展示されていたこともあるそうだ。そのときの紹介動画もある。



 この動画のバックに流れているのは "I Want to Hold Your Hand" だが、この曲の録音にも、リッケンバッカー425が使われたそうだ。まさにロック史に燦然と輝く名曲を作った楽器ということになる。
 どんな値段がつくのだろうか。40万から60万ドルが見込まれるというのだが…一桁間違ってはいないかと何度も見返してしまった。4000万円から6000万円?!本当だろうか。凄まじいものだ。

Petty's Maximum Rock 'n' Roll2014/03/26 22:28

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの新譜が、いよいよ夏に発売されると言う。タイトルは、[Hypnotic Eye]。11曲が収録されると、ローリング・ストーン誌のインタビュー記事が伝えている。

 うぁああああああああ!!

 ストーンズが帰り、ディラン様のお越しを心静かにお待ちしているのに!
 もうすっかり頭がとっちらかってブロンドにーちゃんが(いや、おじさんだ)ギターを持って「マクシマム・ロックンロール攻撃!」をぶちかますではないか!!
 ああ、神様、仏様、ディラン様。ディラン様のお出ましなのに、どうしてくれよう。

 先月のTP&HBファンのオフ会では、ベンモントのソロ・アルバムが賑々しく発表されたことだし、かき消されるのも可哀想だから、ハートブレイカーズのアルバムは、早くても年末かもね…などと、優しくまったりとした会話が交わされていたはずだが。
 いやはや、来ますか。夏に。

 とりあえず、落ち着いて記事を読んでみる。
 冒頭からトムトムペペティ大炸裂。

 「こんなバンド、他に知っているかい?」(ニヤリング)「ぼくは知らないね。」彼は誇らしげに答えを出した。

 いきなりノロける。
 このアルバムは60年代ロックと、1976年や1978年の初期アルバムのノリへの回帰であり、マイクが言うには…

 「マイクが言うんだよ。『お前、最初の2枚のアルバムみたいに歌ってるよな』って。たぶん、このアルバムはそういう風に聞こえるんだ。でも、あれから30年も経っている。」

 きゃー!マイクったら、マイクったら、マイクなんだからー!つまり、アレですか?!トムさんが、



こーんなんとか



 こーんなんだったりするわけですね?!

 「自分でも、『ロックンロール・レコード』を作りたいんだということは分かっていた。」ペティは、彼のスタジオ ― イカしたヴィンテージ・ギターや、その他の機材に囲まれた演奏スペースでプレイバックを聞き終わると言った。
 「長い間、アルバムの最初から最後までロック一色なものは作っていなかったからね。」
 ここや、ハートブレイカーズのLAにおけるリハーサル・ルーム「クラブハウス」で録音をするのに、3年かかった。
「まず、曲がなきゃならない。本当に良い曲を10や11揃えるには、時間がかかる。」


 むむッ?曲を書いたのは全てトムさんなのだろうか?それとも、マイクの曲もあるのか?この記事でははっきりしない。ともあれ、プロデューサーはトムさんとマイク、そして [Highway Companion] 以来、すっかりお馴染みのライアン・ウリアーテ(と、読むのか?)とのこと。

 "American Dream Plan B" を最初にバンド・メイトと一緒に演奏した後、彼は言った。
 「聞いてくれ。いいか、たしかに良いと思うけど、もっとエキサイティングな何かが必要なんだ。」
 さらに笑って付け加えることには、トムは間違いなくリーダーであり、ソングライターではあるけど、バンドのメンバーはそれぞれちゃんと自己を持っていて、良くないときにはそれなりに良くない反応になり、それを隠しもしないと言う。


 新譜のほかにも、[Wildflowers] に未収録の10曲を加えて再発売するとか、ライブ音源を出す計画があるなど。そして、最後にこう付け加えている。

 「このバンドはまだまだ成長していっている。まったく大したものだよ。ますます盛んだね。今でも、彼らこそ一緒にプレイしたいっていう仲間だ。そして、ぼくの曲を一番理解してくれるんだ。」

 だいたいこんな感じで、終始いつもの、ポジティブなトムさん。
 こんなまだ桜もやっと咲くかという時に、こんなに期待を持たせて!一体、いつアルバムを発売する気なのだろうか。インタビューではもちろんサポートツアーもすると言っている。うむむむ…今年の後半は色々あって遠征は簡単ではないぞ。
 またロンドンにでも行ってくれないかな。そうしたら乗り込むのだけど。

One Chance2014/03/29 22:01

 映画「ワンチャンス」を見た。
 2007年テレビ番組 [Britain's Got Talent] の初代チャンピオン,ポール・ポッツの成功物語の映画化である。
 ポール・ポッツはスーザン・ボイルよりも前に注目を集めた歌手であり、私は彼の方が好きだった。映画化の話はだいぶ前に出て、いったん頓挫したが、去年完成し、このたび日本で公開された。



 冴えない男が、家族や友人に励まされて成功を掴むという、至って普通の物語だが、自然とポールを応援してしまうし、彼の歌声に心が震える。
 UKモノが好きな人にはとてもお勧め。ウェールズのなんの変哲もない鉄鋼町の風景、いかにもUKっぽいまずそうな食べ物、パブ、いかにも普通の ― つまり、いくらかダサいUKの人々がなんとも言えない。ポールはもちろん冴えない。ガールフレンドも特にはイケていない。でも、ユーモアがあって、心優しく、共感を覚える。
 やはり印象的なのは、ポールのお母さん。子供の頃からポールを励まし、味方になってくれる。
 そして、ポールが勤めている携帯電話販売店の店長ブラッドン。ゲームにはまっているオタクで、飲んだくれで、ギャグは滑る。それでも気の良い男で、ポールを励まし、店をまかせてくれる。

 ベニスの音楽学校の風景も良かった。校内に入ると、至る所に楽器を鳴らす学生がいる様子が懐かしい。さらに、いかにも居そうな声楽の先生が素敵。
 パヴァロッティの登場は笑ってしまった。オシャレに派手なスカーフに、白い帽子、赤ワイン、生ハム&グリッシーニ、そして手に持った白いハンカチ。パヴァロッティが普段からそんな感じだったとは思えないのだが、こだわりがあって良かった。

 劇中で流れるポールの歌は、ポール・ポッツ自身の声。
 ポール・ポッツの声は、明るく、やや軽い。当人はカレーラスに憧れたらしいが、どちらかと言うとパヴァロッティ(奥さんにバカ呼ばわりされる)の方が近いかも知れない。

 こちらは、実際にポール・ポッツが出演したときの、[Britain's Got Talent] の映像。クラシックのコンクールではなく、いろいろな出し物のあるテレビ番組ならではの盛り上がり。登場する前のインタビューでは自信がないとこぼしているポッツ。
 この一連のシーンは、映画でも再現されている。



 さて、いよいよボブ・ディランの来日公演が始まる。
 私は東京での初日3月31日と、中日4月4日、そして東京最終日の4月8日に鑑賞予定。整理番号が一番良いのは、初日。さて、ロンドンから4ヶ月。ディランはどんなパフォーマンスを見せてくれるだろうか。