Do You Love an Apple ― 2014/02/10 20:39
3月公開予定で、見たい映画がある。原題は[Philomena]「フィロミーナ」だが、「あなたを抱きしめる日まで」というダサい邦題がついている。
内容はいたって真面目で、いわゆる「感動モノ」のようだが、スティーヴ・クーガンが制作に関わり、出演しているので、面白そうだ。
スティーヴ・クーガンは、UKの有名なコメディ・クリエイター、コメディアン、俳優。非常に多才な人だ。コメディ・プロダクション,"ベイビー・カウ"を作り、そこからはザ・マイティ・ブーシュなどが出ている。当然、クーガンはブーシュのエグゼクティブ・プロデューサーでもある。
映画の評判は上々だし、コメディとしても良さそう。
実話を元にしており、原作はマーティン・シクススミスの "The Lost Child of Philomena Lee"。
そうか、そうか、原作があるのかと思い、この本を購入して早速読み始めた。日本語訳があるかどうかは知らない。
読んですぐに分かったことは、どうやらこの原作は映画とはまったく視点が違っており、予想したような話ではなかった。私がクーガンをたよりに求めたコメディ要素はない。
それでも、本としては至って面白く、順調に読み進んでいる。途中からどんどん予想外の展開になってびっくりしている。そういう話だったのかと…。映画のネタバレになるので、詳しくは言えないが。
ともあれ、半ばあたりを読んでいると、面白い下りにぶちあたった。
1976年、アメリカはワシントンの大学コミュニティラジオ局でDJを務めている男子学生が、アイルランドに思いを馳せ、行こうかどうか考えていたある日、レコード片手にラジオ局から帰ってきて、恋人に興奮しながら言うのだ。
「こんな不思議なことってあるかい?あんな会話をした後で…とにかく、聞いてみてくれ。アイルランドのバンドなんだ、いいかい?アイルランドだぜ!」
「ラジオ局に行ったら、デスクにこのレコードが置いてあったんだ。ぼくは知らなかったけど、ザ・ボシー・バンドという、アイルランドのバンドだって。初めて聴いたのに、ぼくはこの曲を知っていたんだ!このレコードは発売されたばかりなのに!人にきいたら、アイルランドの古い曲だそうだ。ぼくが赤ん坊の時にこの曲をきいて、それが頭の中に残っていたに違いない!」
ここを読んだとき、思わず息をのんだ。ザ・ボシー・バンドがここで登場するとは。
"Do You Love an Apple" は、ボシー・バンドのデビューアルバム、[The Bothy Band] に収録されている。発表は1975年。Triana Ni Dhomhnail の声が美しい。
登場する大学ラジオ局はワシントンにあり、レッド・ゼッペリンや、デイヴィッド・ボウイ、そのほか色々、雑多に流していたのだが、その中に発表されて間もないボシー・バンドがあるのにはたまげてしまった。
ボシー・バンドのウィキペディアを見ても、チャートについては記載がない。彼らのアルバムは評判は良かったものの、どの程度売れたのか、アメリカでの評判はどうだったのかは分からない。
それでもこうやって、ノンフィクション系の物語に登場する以上、音楽に詳しい学生などがボシー・バンドのデビュー・レコードを手に入れ、人に聴かせていたということは間違いなさそうだ。これは良い事を知った。
映画 [Philomena] は私が今読んでいる原作 "The Lost Child of Philomena Lee" の筆者であるマーティン・シクススミスが、年老いたフィロミーナと出会い、彼女の息子を探す行程を物語にしており、原作とは視点がまったく異なる。
だから、このボシー・バンドのエピソードが、映画でどう扱われるかは分からない。しかし、アイリッシュ・ミュージック・ファンとしては、どこかでうまく取り入れてくれると嬉しい。日本での公開が楽しみだ。
内容はいたって真面目で、いわゆる「感動モノ」のようだが、スティーヴ・クーガンが制作に関わり、出演しているので、面白そうだ。
スティーヴ・クーガンは、UKの有名なコメディ・クリエイター、コメディアン、俳優。非常に多才な人だ。コメディ・プロダクション,"ベイビー・カウ"を作り、そこからはザ・マイティ・ブーシュなどが出ている。当然、クーガンはブーシュのエグゼクティブ・プロデューサーでもある。
映画の評判は上々だし、コメディとしても良さそう。
実話を元にしており、原作はマーティン・シクススミスの "The Lost Child of Philomena Lee"。
そうか、そうか、原作があるのかと思い、この本を購入して早速読み始めた。日本語訳があるかどうかは知らない。
読んですぐに分かったことは、どうやらこの原作は映画とはまったく視点が違っており、予想したような話ではなかった。私がクーガンをたよりに求めたコメディ要素はない。
それでも、本としては至って面白く、順調に読み進んでいる。途中からどんどん予想外の展開になってびっくりしている。そういう話だったのかと…。映画のネタバレになるので、詳しくは言えないが。
ともあれ、半ばあたりを読んでいると、面白い下りにぶちあたった。
1976年、アメリカはワシントンの大学コミュニティラジオ局でDJを務めている男子学生が、アイルランドに思いを馳せ、行こうかどうか考えていたある日、レコード片手にラジオ局から帰ってきて、恋人に興奮しながら言うのだ。
「こんな不思議なことってあるかい?あんな会話をした後で…とにかく、聞いてみてくれ。アイルランドのバンドなんだ、いいかい?アイルランドだぜ!」
「ラジオ局に行ったら、デスクにこのレコードが置いてあったんだ。ぼくは知らなかったけど、ザ・ボシー・バンドという、アイルランドのバンドだって。初めて聴いたのに、ぼくはこの曲を知っていたんだ!このレコードは発売されたばかりなのに!人にきいたら、アイルランドの古い曲だそうだ。ぼくが赤ん坊の時にこの曲をきいて、それが頭の中に残っていたに違いない!」
ここを読んだとき、思わず息をのんだ。ザ・ボシー・バンドがここで登場するとは。
"Do You Love an Apple" は、ボシー・バンドのデビューアルバム、[The Bothy Band] に収録されている。発表は1975年。Triana Ni Dhomhnail の声が美しい。
登場する大学ラジオ局はワシントンにあり、レッド・ゼッペリンや、デイヴィッド・ボウイ、そのほか色々、雑多に流していたのだが、その中に発表されて間もないボシー・バンドがあるのにはたまげてしまった。
ボシー・バンドのウィキペディアを見ても、チャートについては記載がない。彼らのアルバムは評判は良かったものの、どの程度売れたのか、アメリカでの評判はどうだったのかは分からない。
それでもこうやって、ノンフィクション系の物語に登場する以上、音楽に詳しい学生などがボシー・バンドのデビュー・レコードを手に入れ、人に聴かせていたということは間違いなさそうだ。これは良い事を知った。
映画 [Philomena] は私が今読んでいる原作 "The Lost Child of Philomena Lee" の筆者であるマーティン・シクススミスが、年老いたフィロミーナと出会い、彼女の息子を探す行程を物語にしており、原作とは視点がまったく異なる。
だから、このボシー・バンドのエピソードが、映画でどう扱われるかは分からない。しかし、アイリッシュ・ミュージック・ファンとしては、どこかでうまく取り入れてくれると嬉しい。日本での公開が楽しみだ。
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