Liszt / Consolation No.3 & Piano Concerto No.12013/11/10 20:01

 前の記事でカーネギー・ホールについて書いたとき、アルトゥール・ルービンシュタイン(ポーランド出身 1887-1982)が登場した。
 それで、数週間前に彼のリスト・アルバムを買ったことを思い出した。買っただけで封も切っていなかった。



 そもそも、特にリストが好きでも何でもない私が、どうしてこのアルバムを買ったのかというと、自分が "Consolation"(慰め)の3番を弾くことになったからだ。
 私はリストにまったく向いていないが ― どの作曲家にも向いてはいないが、とりわけリストは苦手なのだが、とにかくたまにはロマン派を弾こうということになり、最近弾いたロマン派というと、ショパン、シューマン、ブラームス…それでリストに回って来たというわけ。
 リスト特有の超絶技巧はまっぴらご免なので、技術的には比較的簡単な "Consolation" を選んだ。メロディの美しい名曲で、よくプロのピアニストたちもアンコールなどで披露する。

 ルービンシュタインの演奏はこちら。かなりテンポのある、やや硬めの演奏。メロディが甘いので、演奏自体はさっぱりとした味付けといったところか。



 自分の演奏の参考にするためにCDを買うに当たって、ルービンシュタインに特別な思い入れがあったわけではない。ただこの2枚組アルバムは、ピアノコンチェルトに、ピアノ・ソナタをはじめ、メフィスト・ワルツやハンガリー狂詩曲など、いろいろ入っていてお買い得だったから。それだけの理由。
 あと、ジャケットの葉巻を持ったルービンシュタインが格好良かったからかな。

 ピアノ・コンチェルト1番は、いつぞや、誰かがフィギュアスケートで滑っていた人がいた。
 冒頭のテーマからして派手で格好良い。リストはまだ十代の頃にこの曲に着手したと言われ、24歳の時にとりあえず一度は完成した。しかしその後も改訂を繰り返し、最終的に初演を迎えたのは彼が45歳の時だった。
 ピアノの魔術師であり、オーケストラの曲でも大曲を残しているリストのこと、ピアノ協奏曲という形には思い入れも強かっただろう。
 ルービンシュタインの演奏は堂々たる風格に満ちているが、ここでは動画で紹介したいので、マルタ・アルゲリッチ。まだお若い。
 いかにも彼女らしく、ドッカンドッカン!ダイナミックに、迫力満点の演奏。リストなんだから、これくら派手じゃないとね。
 この曲が別名「トライアングル協奏曲」と呼ばれる所以である、第3楽章は、9分44秒から。トライアングル大活躍。