Baloo My Boy2013/07/14 21:32

 私は特に映画が好きだと言うわけではないが、どうせ見るなら、明るく楽しいコメディ、そして構成と脚本が良く出来ていて、できれば音楽もイカしていると良いと思う。
 その点、きのう輸入DVDで見た映画、[A Field England] はまったく逆の映画だった。監督はベン・ウィートリー。
 ジャンルはホラーということになっている。ピューリタン革命の内戦時を舞台としているが、あらすじはあるような無いような。ホラーに麻薬(この場合キノコ)作用による幻覚幻聴、暴力と精神支配とか、とにかく私が好きになる要素が一つもない。
 ではどうして見たかと言うと、私の好きなコメディ・デュオ,ザ・マイティ・ブーシュのジュリアン・バラットが出演したから。



 ところが、その目当てのジュリアンが冒頭2分くらいで退場してしまう。見るのを止めてやろうかと思ったが、大どんでんがえしをされると困るので最後まで見たが…やはりダメだった。たぶん、もう二度と見ない。
 せっかくジュリアンと、リース・シェアスミス(リーグ・オブ・ジェッントルメン)が揃っているのだから、やはりコメディが見たい。

 どんな映画なのかが分かった以外、ほぼ収穫のない映画鑑賞だったが、一つだけ、挿入歌が良かった。エンディングにも使われている。心優しいキャラクターのフレンドが歌う、素朴な歌だ。



 "Baloo my boy" もしくは、"Lady Anne Bothwell's Lament" というタイトルで知られる、古いスコットランドの歌だ。古いというのは、16世紀末ごろにはその原型は出来てただろうとのこと。
 歌詞はバルーと呼ばれる幼子のために、母親が子守歌を歌っているという内容。最後の歌詞には、外国の戦場にでかけた父親が血を流した姿で母子の夢枕に現れ、子供にキスをする。そしてバルーは母親に残された最後の喜びとなる。
 ありきたりな内容だが、美しい。

 メロディは色々なバージョンがあるようだが、この映画で使われたものが一番良かった。出だしが少しチャイコフスキーのピアノ・コンチェルトに似ている。
 映画はともかく、この曲はとても気に入ったので、ティン・ホイッスルで吹くために楽譜にしても良いかも知れない。スコットランドの曲だが、そこは気にしないことにする。