テレビの使い方2012/12/11 22:38

 テレビが壊れた。
 特にテレビ好きという自覚はない。日本のドラマやバラエティ番組は見ない。しかし、野球やF1、フィギアなどのスポーツ観戦には欠かせないし、ニュースなどの情報収集にも必要。タモリ倶楽部、ブラタモリ。そして海外ドラマや、コメディ、音楽関連、映画などのソフトもテレビを使って見る。パソコンでテレビというのは、あまり好きではない。そして、時計代わり。
 そのようなわけで、テレビが壊れると困る。

 壊れたのは、電源スイッチ。消すために押し込んだら、テレビが消えたまでは良いが、そのスイッチボタンがめり込んだまま、戻らなくなった。これでは点けることが出来ない。
 ややや、これはマズイ。こういう時、私はとりあえずドライバーを持ち出して、開く。ビデオや時計が壊れても、とりあえず自分でこじ開け、直すことが多い。腕時計の電池交換も、簡単な仕組みなら自分で交換する。
 さて、今回の場合、電源スイッチの下に仕込まれたバネが完全に破損しており、自力では修復不能になっていた。ここさえメーカーが直せば、テレビの機能そのものに問題はないはず。
 しかし、私のテレビはブラウン管でこそ無いものの、地デジ対応前の古いタイプだ。これを修理に出したところで、直してくれるのか。一体いくら掛かるのか。そもそも今、新品テレビは値崩れを起こしている。
 面倒になって、買うことにした。
 寝室で使う小さなタイプ。国産にはこだわったが、その他録画機能などはあまり興味がなく、お値段はたいしたことが無い。私がある月にモータウンを買いあさった金額より安い!(一体どれだけ買ったんだ)

 テレビというこの20世紀の発明。なかなか大した物で、ビートルズがアメリカ上陸時に一気に知れ渡ったのはテレビの影響だというのは、有名な話だ。
 テレビの普及とともに、映画は滅びると言われて久しい。確かに、集客力は格段に落ちたのだろうが、映画というメディアが滅びるという気配は一向にない。文明人というのは器用な物で、多様な娯楽にはそれなりに多様に順応するらしい。

 インターネットが普及した今では想像もつかないような、テレビの使い方をした時代もある。私が子供時代の記憶として残っているのは、日本の歌番組。誰かアイドルが歌番組で歌うその企画、アイドルが大きなカレンダーの前でじっと立ったまま歌う。数秒ごとにそのカレンダーは、ある年の1月から12月にかわって行く。

 「この画面をカメラで撮影し、現像すれば、アイドルのカレンダーが出来上がります!フラッシュはたかないで下さい!」

 この時、兄がカメラ、カメラと大騒ぎしたかどうかは覚えていない。

 最近買った本に、同じようなことをした ― つまり、テレビの画面を、カメラで撮影した人を発見した。ジョージ・ハリスンである。
 去年の映画、[Living in the material world: George Harrison] と一緒に、「素顔のジョージ・ハリスン」という、豪華写真集が発売されたが、その中に登場する。



 テレビの形状や、写真の画質から言って、撮影したのは70年代だろう。自宅でテレビを見ていたジョージが、大好きなボブのちょっと前の映像を見て、とっさにカメラで撮影したらしい。
 どこぞの一般人じゃあるまいし。そもそもジョージなら、いつだってディランはウェルカムではないか。ディランのジョージ好きはかなりのものらしいが、ジョージの方も凄まじい。
 こんな突っ込みどころ満載の写真を、ばっちり載せてくれるオリヴィアも凄い。そしてやはり彼女は、われわれジョージ・ファン女子の同士なのだと、再認識させられた。本当に、私たちの好きなジョージ、私たちの好きな素敵なジョージを女子目線で理解していらっしゃる。信頼しております。強い嫁、オリヴィアさん。