The Chieftains in Orchard Hall2012/11/23 22:20

 モダン・アイリッシュ・トラッドバンドの雄,ザ・チーフタンズが結成50周年を迎え、来日した。
 私はこのバンドを「チーフンズ」と発音しているが、「チーフンズ」というのが一般な表記らしい。
 今回の来日公演はいくつか行われるが、私は11月22日のオーチャード・ホールを選んだ。場所が良いというのもあるが、主な理由は、オーケストラや、私が特に興味のないミュージシャンとのジョイントは極力避けて、チーフテンズを存分に楽しみたかったからだ。



 印象的だったのは、リーダーのパディ・モローニ。いいお歳だが、若々しくMCをこなし、バンドを引っぱり、ゲストを紹介し、コンサート全体をまとめる。レコーディングはもちろん、長いチーフテンズの活動を引っぱり、チーフテンズそのものを常に作り続けている。パディの存在そのものが、チーフテンズと言っても過言ではないだろう。
 イーリアン・パイプは重みを持ち、ティン・ホイッスルは軽やかで自由。いい加減なのではなく、律儀でありながら軽快。ああいうホイッスルが吹きたい。
曲の構成にも工夫がこらされていて、飽きさせない。ストーンズの “Jampin’ Jack Flash” のリフを挿入するなど、茶目っ気も発揮していた。

 そして、本物の伝説たる、フルートのマット・モロイ。私としては、ザ・ボシー・バンドのメンバーとしての印象が強い。
 横笛というものはあれほど、どっしりとした音を出すものだろうか。フルートなど持っていないかのように、マットという人物そのものが楽器で、生まれた時から、楽器として生きているような印象だった。横笛は音が不安定という概念は、当てはまらない。

 とりわけ格好良い!…という存在だったのは、フィドラーのカナダ人,ジョン・ピラツキ。長く細い脚のイカしたお兄さん。格好良くフィドルを弾いていたと思ったら、楽器を置いてすっと立ち上がり、もの凄いステップダンスを披露した。しかも兄弟のネイサンもステップダンサー。
 フィドルを素晴らしく弾けるというだけでも十分格好良いのに、凄いステップダンスもこなす。どちらが彼にとってメインかも良く分からない。

 和太鼓との共演などは私にとっては無くても構わなかったが、悪くもなかった。ハイランド(スコティッシュ)・バグパイプの登場も、それなりに楽しい。
 そして最後に登場した、レディ・チーフタンズ。日本の女性アイリッシュ・ミューシャンたちが結成したトリビュート・バンドだ。結成から日が浅く、どうなるのだろうかと思っていたら、めでたく本家のステージに呼ばれた。私もなんとなく出るだろうという、予感がしていた。客席にメンバーの姿がなかったので。

 格好良い演奏と、楽しい雰囲気。オーチャード・ホールでのコンサートの模様は、来年2月、WOWOWで放映予定だそうだ。どこまで放映するかは分からないが、とにかく楽しみだ。

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