Daydream Believer2012/03/03 23:57

 ザ・モンキーズのデイヴィ・ジョーンズが亡くなったというニュースには、意外にもショックを受けた。
 私は特にモンキーズのファンというわけではないし、世代的にもピンとは来ない。すなわち、知識先行でモンキーズに接してきたわけだが、やはり音楽のいくつかはとても良いと思っている。
 ブリティッシュ・インベイジョンのバンドの多くが自主発生的にバンドを作り、好きな音楽を自作し、のし上がっていったの対し、モンキーズは端からマネージメントの意向で「作られた」という経緯があるために、そういうフィルターを通して見られるのは仕方が無い。
 しかし、彼らが(与えられた物にしろ)残した音楽や、60年代のポップで伸びやかで吹っ飛んだイメージは、とても重要だと思う。特に「ザ・モンキーズ・ショー」というコメディ番組の存在は、十分に評価されるべきだ。

 音楽では、やはり "Daydream Believer" が好きだ。この一曲を残しただけでも、モンキーズは称えられてしかるべき。
 そのようなわけで、"Daydream Believer" 特集。

まずは、SUBOから(スボ。スーザン・ボイルのこと。ジョンに教えてもらった)。



 うーん…上手いけど…ちょっと違うな。この曲はもっとあっけらかんと、ちょっとアホみたいに歌った方がかえって感動的。

 お次もブリット勢。90年代にヒットを飛ばした、ロブソン&ジェローム(もともとは俳優)のカバー。



 これは良い。オリジナルに忠実で、じつに歯切れがいい。
 さらにブリット勢が続く。ケヴィン・ローランドのカバーをどうぞ。



 ケヴィン・ローランドって、こういう声だったっけ?なんだか "Come on Eileen" のイメージしか持っていないの不思議な感じ。あと、Booshでの物まね(?))。
 ブリット勢ばかりもどうかと思うので、ぐっとさかのぼって、フォー・トップス。



 上手い!上手いけど…どのカバーを聞いても、やっぱり "Daydream Believer" はオリジナルが一番。オリジナルが一番いい ― そう、そう思わせるモンキーズはやっぱりすごいのだ。たぶん。
 「モンキーズ・ショー」のDVDセットを、ずっと買おう買おうと思いつつ、買っていなかったことを後悔している。今からでも買おうと思うのだが…さぁ、追悼もので何か出るのだろうか?

Bohemian Like You2012/03/08 23:12

 私はサッカーに興味がない。(…唐突だが、こういう書き出しが多いような気がする。)基本的にスポーツを見るのは好きだし、野球やF1はファンと言って良いほど好きだ。
 しかし、どういう訳かサッカーには興味がわかない。自国のナショナル・チームを応援するという気分もあまり持っておらず、せいぜいプレミア・リーグでリヴァプールが勝つといいなぁとぼんやり思っている程度だ。
 NHKが週末の夜に放映するスポーツ・ニュース番組はよく見る。この番組で、サッカーのパート ― Jリーグ限定なのかどうかは分からない ― になると、テーマ曲のように流れるのが、ザ・ダンディ・ウォーホルズの、"Bohemian Like You" だ。
 この"Bohemian Like You" は大好き。この1曲のためにアルバムを購入し、ほかの曲はほとんどピンと来なかったという、典型的なアーチストが、ダンディ・ウォーホルズというわけ。



 やはり細工もけれんもない、ストレートロックな、リフが最高。最後までそのテンションを保って突っ走る自信と貫禄が、この曲の良さなのかも知れない。

 ダンディ・ウォーホルズは、この曲がヴォーダフォンのCMに使われたことによって、一気に有名になった。当時ヴォーダフォンはこの曲を使ったCMをインターナショナルに流しており、日本でも展開していたので、かなり流れた。
 そのCMを見た私は、曲の良さとともに、出演者が妙にアンバランスなような気がしていた。すなわち、当時トップ選手だった某日本人サッカープレイヤーと、やはり当時(今も?)非常に持てはやされていた英国人サッカープレイヤー、そして皇帝と呼ばれ、フェラーリで絶頂期を迎えていたミハエル・シューマッハである。
 三人とも有名は有名だが、それぞれの隔たりの大きさに、なんとなく変な気分がした覚えがある。それくらい、シューマッハというのは図抜けていた。

 全く関係ない話になるが、F1レーサーと、CMの話。日本ではあまり多くはないが、ヨーロッパではF1パイロットが出演するCMがたくさん流れている。
 この映像は…そういうCMの一つなのだろうか?それとも全然関係ないのだろうか?見ようによっては、レッドブル(ドリンク)のCMのようにも見えるが。



 「セバスチャン・ベッテルのお買い物」ってことになっているけど、この人、中身は絶対ベッテルくんじゃないよね?!あの指の立て方さえすれば、ベッテルという解釈をしなきゃいけないのだろうか?それにしても、人を食った動画で笑える。
 そして、店を出て、一瞬レッドブルをコックピットのどこに置くべきかを迷っているのも笑える。狭いんだよね。

The Untouchables2012/03/10 23:01

 偶然 ― 何かの拍子に、Potyomkin villages (ポチョムキン村。18世紀,帝政ロシア時代に活躍したグレゴリー・ポチョムキンに関する伝説と、それにちなんだ比喩表現)という言葉が話題に上った。
 さらに、ポチョムキンと言えば、エイゼンシュティン監督の映画「戦艦ポチョムキン」。「戦艦ポチョムキン」と言えば、名シーン「オデッサの階段」 ― そして、その名シーンの名パロディである、ブライアン・デ・パルマの映画「アンタッチャブル The Untouchables」に思いが至った。「戦艦ポチョムキン」における、「オデッサの階段」を彷彿とさせるシーンが、「アンタッチャブル」のシカゴ駅のシーンに登場する。

 この1987年の映画「アンタッチャブル」では、ケヴィン・コスナーも、アンディ・ガルシアもとびきり若くて格好良い。音楽は、数々の名作を生み出した、エンニオ・モリコーネが担当し、グラミー賞を受賞した。オープニング・テーマ曲は、今でもテレビなどで、マフィアに関するシーン等によく使われている。



 世代によっては、「アンタッチャブル」と言うと、アメリカで何シリーズも作られたテレビドラマが先に思いつく人も居る。私も子供の頃、その再放送か何かを、見たような覚えがある。理髪店で整髪中のギャングのところで銃撃戦がおっぱじまるのが、印象的だった。

 しかし、実はデ・パルマの映画も最高と言うわけにはいかない。私が一番面白いと思っている「アンタッチャブル」は、エリオット・ネス(財務省酒類取締捜査官。アンタッチャブルズのリーダー)による回想録だ。日本では、翻訳がハヤカワ文庫で出ている。内容がすべて真実かどうかはともかくとして、とにかく小説としてとても面白い。
 当時(禁酒法時代)のシカゴ、アメリカのカルチャーや雰囲気、困難なミッションを行う上で大事なこと、人選、適材適所、各メンバーの個性などが、うまく噛み合ったり、失敗したり。今は絶版だが、古本などでは入手可能。おすすめの一冊だ。

 全く関係ないが…「アンタッチャブル」のパロディ作品を一つ。
 90年代英国BBCのコメディ(スケッチ)・ショー,「ザ・ファスト・ショー The Fast Show」から、「ジ・アンプロナウンサブル! The Unpronounceable」これは、テレビ版「アンタッチャブル」のパ、パル…ロー…ディ。発音できないッ!!!



 全員がいろいろ発音できない。ホシの名前も、秘書の名前も、FBIも。
 さらに馬鹿馬鹿しいことに、「帰ってきたジ・アンプロナウンサブル!」…も、ある。

Test, DB, TV, F1, Party2012/03/18 20:15

 ここ最近、試験勉強を継続していた。今日がその本番だった。手応えは最悪。私はいつもそうだ。ピアノなど、何ヶ月にもおよぶ練習の結果が、たった5分程度の本番演奏で吹っ飛んでしまう。
 いつものことながら、上手くいかなかった試験の帰り道は寒い。

 そういう訳で、記事を書くのが滞っていた。本当なら、南北戦争の記事が書きたい。
 ネットのニュースでチラっと見たのだが、最近「世界史」(通史)の文庫本がよく売れているそうだ。たしかに、読みやすい媒体で、しかも一貫したものがあると、読みたくなる。
 そのノリで、南北戦争関係の本も色々出て売れてくれると良いのだが。

 ザ・ドゥービー・ブラザーズのマイケル・ホサックが亡くなったというニュース。別に、ショックのあまりコメントできず、"Listen to the music" の動画をあげるのが精一杯だった ― というわけではない。コメントするほど、彼のこともドゥービーのことも知らないのだ。
 ドゥービーは、せいぜい "Listen to the music" を知っている程度のところから、数枚アルバムを買ったに過ぎない。[Toulouse Street](1972), [The Captain and Me](1973), [What Were Once Vices Are Now Habits](1974),[Stampede](1975) の、4枚。
 ホサックのニュースを聞いて、そういえばドゥービーはどうだったかしらと、この4作品を聴いてみたのだが、どれも珠玉も名作。これほどのクォリティの名作を4年連続で発表していたというのは、ぞっとするぐらい凄い。
 これら4枚を買ったのはずいぶん前だと思うが、どうしてそれ以降のアルバムは買っていないのだろう。何か理由があったか、なかったか覚えていない。

 テレビドラマ・パーフェクト・カップル・ベスト10!という記事に、マーティン・フリーマンの名前を発見して、びっくり仰天。あ、いや、アレはネタだろう?!ネタなのにそんなパーフェクトとか、そんな、とんでもない…!
 と、思ったら、[The Office] のティムの方だった。ああ、びっくりした。なにぶんにも、エゲレス人は何言い出すかわからないからな。ハワード&ヴィンスとかさ。
 リストに、Bluemoon のマディ&デイヴィッドが入っているのが嬉しい。あのころのブルース・ウィリスが好きだ。

 F1 GP 2012年シーズン開幕。なんと、フジテレビがF1放映を地上波から追い出してしまった!なんてことだ。BSでしか見られない!録画がしにくい!自室の機器は、地上波しか録画できないんだぞ!ひどい世の中である。
 仕方がないので、BSフジで(怒)オーストラリアGP観戦。久しぶりに、カワイちゃんと、今宮さん。そして、森脇さん。なんだかテンションが低い。…しかし、どんどんカワイちゃんの異常にマニアな解説が絶好調に…まぁ、それで良いと思う。「F1大好きです!」などとぬかす女子タレントなんぞ雇われるよりはよほど。私は右京さんとマッチも好きだけど。
 さて、レース。がんばれ、ベッテルくん。ああ見えて実はかなり凄かったシューマッハ。マルドナードぉぉぉぉ…!!!カムイは大したもんだ!ライコネンって、あんなでかい声出るんだ。普段、小さな声で「ぶつぶつぶつぶつぶつぶつぶつ…」言ってる印象しかない。フェラーリもそうだが…マッサは一体どうしたんだ?代わりにカムイでも入れちゃえば?
 マクラーレンのピットに、デイモン・ヒル発見!
 カワイちゃん「ヒルも年取りましたね~」
 今宮さん「格好良く年取りましたね。」はい、今宮さんの言うとおりです!
 F1関係者は当然、全員[George Harrison: Livin in the material world] のDVDボックスは買ったのよね?見たのよね?!見てないとは言わせない!

 母校の教授が退官することになり、そのお祝いパーティに参加した。同期生は私を含めて三人で参加。懐かしい先輩や後輩達に会えて、楽しかった。意外とどの人も変わっていないし、私たちも「全然かわっていない!」…とのことだった。
 先生の方も、ちゃんと覚えていて下さった。私は直接講義を受けたり、卒論の担当だったりしたわけではないのだが、小さな学科で、しかも和気藹々とした仲良し学科だっため、違和感なくパーティも楽しめた。
 先生は、バッハを中心としたバロック音楽や、モーツァルトなどの研究で活躍され、著作も多い。パーティでも、クイズ大会の景品としてそういった著作の一つをいただいた。
 私はロックほどにはクラシックに思い入れも愛情も持っていないが、やはり楽しい音大生活はジャンルを飛び越して人生の宝物になっている。

 そもそも、母校の、その学科は音楽ならなんでもアリな、バイタリティのある所だった。むしろ、クラシック一辺倒な人には辛かったかも知れない。バロック以前の西洋クラシックはもちろんだし、いわゆる「みんぞく音楽」と呼ばれるジャンルや、古代,中世,近世,近代の日本音楽、数々のポピュラー音楽…そういうものを抵抗なく聞き、積極的に演奏してみるようなバイタリティが求められた。
 私はそれが平気どころか、むしろ大喜びであれこれと手を出したり、調べたり、語ったりして過ごした四年間だった。ハイドン研究の先生と、ビートルズの良さを語り合ったり、教室でディランを聴いたり、雅楽や能楽や、バロック・リコーダーに精をだしていたころが懐かしい。
 たった四年間だが、とてつもなく楽しく、輝いていた時代の仲間や、先生たちにあうと、改めて良い時代を持てたことを幸福だったと思うのだ。

Some Gilrs Live in Texas '782012/03/20 22:29

 ローリング・ストーンズの1978年にテキサスはフォート・ワースで行われたライブをDVD化した、[The Rolling Stones : Some Gilrs Live in Texas '78] は、去年の11月に賑々しく発売となった。
 しかし、時あたかもジョージ映画熱の真っ盛り。続いてBBCからは[SHERLOCK]の新シリーズは届くし、さらに試験などもあって、どんどん後回しになり、この休日を利用してやっと観賞した。



 ストーンズのライブ映像というと、比較的最近のものばかりよく目にしていたので、これはなかなか新鮮な感じがした。この78年のツアーがそういう趣向だったらしく、派手なステージ演出はなくて、舞台上でバンドが演奏をひたすら披露するシンプルな構成になっている。
 カメラワークもシンプルで、どちらかと言うと凝ったカメラ割りが苦手な私には好都合だ。もっとも、このシンプルさは映像で鑑賞する必要性が低いということにもなる。そこはなかなかよく分かっているようで、映像収録と同じ内容で、オーディオCDがついているのが嬉しい。



 私は[Some Girls] というアルバム自体がストーンズの中でもかなり好きなので、曲目などはとても満足。"Respectable" など特にお気に入り。以前、SNLでのこの曲の演奏を見たが、この時はミックが声をからしていたいたのが残念で、今回のライブ映像はその点でもうれしい。
 非常に印象的だったのは、ロニーと、スチュ。ストーンズは本当にロニーをメンバーにできて幸運だったと思う。最初から最後までまさに「弾きまくる」ロニーのロック・ギター・プレイヤーとしての才能がまさに光を放っている。キースによるとロニーは非常に耳の良いギタリストだそうだが、その意味もよくわかるような気がする。

 そして、ピアノを担当している、イアン・スチュワート。姿はほとんど映らないが、その存在感のあるピアノの音は、ハートブレイカーズのベンモント・テンチを髣髴とさせる。
 トム・ペティやマイク・キャンベルは自分たちのバンドをどんなバンドにしたいか、何等かの目標も持っていただろうし、ストーンズもその一つではなかっただろうか。もし、ストーンズのバンド・サウンドも理想の一つだったとしたら、スチュのピアノもきっとイメージ・サウンドに鳴り響いていたのではないかと思うのだ。

 ボーナス映像は、前述したSNLや、ダン・エイクロイドとのモック・インタビュー。ニュース映像では、「もう16年も続けている!」…と言っているのが、今となっては笑える。
 そして、去年と思しきミックのインタビュー映像。なんだか…画面の光具合がなんとなく変。もしや、ミックの皺を目立たせなくするようなライティングがほどこされているのだろうか?…女優か?!まったく、どいつもこいつも…

 ライブ80分,ボーナス40分にオーディオCDがついてのDVD、日本版にしてはお安いのではないだろうか。更に輸入盤ならもっと安い。英語の字幕はあるとのことなので、こちらでも良いような気がする。特にライブ本編でのミックのMCは大したことを言っていないので、輸入盤もおすすめだ。

マイク・キャンベルのギター大好き!2012/03/25 20:35

 トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズ公式ファンクラブからのメールによると、マイク・キャンベルが [Mike Campbell: The Guitars] なるドキュメンタリーを制作したそうだ。
 全部で15エピソード、まずは4月3日から、ウェブ上でファンクラブ会員向けに公開されるとのこと。

Mike takes us on a tour of his guitar collection and explains the stories and significance behind the instruments as they relate to his own personal journey and the music of Tom Petty and The Heartbreakers.

 自分のギターコレクションから、個人的なエピソードやハートブレイカーズの音楽に及ぼした影響について紹介してくれるとのこと。これは楽しみだ。
 噂によると、iPad アプリ[George Harrison: Guitar collection] でのマイクは、ひたすら「うっとりしている」とのこと。なんだか想像がつく。そういう、ギターを抱きしめてひたすら「うっとりしている」マイクも、結構好きだ。
 どうせなら、このドキュメンタリーに邦題をつけよう!題して、「マイク・キャンベルのギター大好き!」
 「大好きー!」と叫びながら、右手を勢いよく挙げること。

 マイクがギターを弾く姿は、私が初めてハートブレイカーズを聴いた ― 同時に見た時から、非常に印象的だった。忘れもしない、"So you want to a rock 'n' roll star"。二人のリッケンバッカー。変な衣装のブロンド・フロントマンもさることながら、その隣りではにかんだような笑顔で凄いギターテクを披露している、痩せた青年の格好良さは格別だった。



 この映像が私にとっての初TP&HBなのだが、それ以来マイクのギターは常に必要不可欠。トムさんのブロンドを引き替えにしてでも、マイクのギターだけは守らなければならないのだ。
 トムさんのいるところ、マイクと彼のギターがないと、どうも落ち着かない。Bridge School Benefit でトムさんとベンモントだけがプレイしていたことがあるが、見ているこっちが不安で泣きそうになる。
 そんな中で、さすがにトラヴェリング・ウィルベリーズだけが例外だ。マイクの存在感は、ジョージにしかカバーできないのだろう。
 そのジョージを心から敬愛しているマイクもまた、大好き。その彼がジョージそのものであり、これ以上ないスライドを聴かせてくれる、ハートブレイカーズ・バージョンの "Handle with Care" も歴史に残る名演奏だ。

George Harrison: Early Takes2012/03/27 21:10

 ジョージの新しいアイテムらしきものが発売される。
 George Harrison, Early Takes



 ニュース記事はこちら

1. My Sweet Lord (demo)
2. Run Of The Mill (demo)
3. I’d Have You Any Time (early take)
4. Mama You’ve Been On My Mind (demo)
5. Let It Be Me (demo)
6. Woman Don’t You Cry For Me (early take)
7. Awaiting On You All (early take)
8. Behind That Locked Door (demo)
9. All Things Must Pass (demo)
10. The Light That Has Lighted The World (demo)

 曲目を見る限り、DVD/BR ボックスに付属していたボーナスCDと同じ内容。ボックスを持っている人にとっては、無用の長物。
 しかし、ボックスを持っていない人には、ぜひ購入してほしい。このCDの内容ははっきり言って素晴らしい!デモや初期バージョンの寄せ集めだが、ビートルズ・アンソロジーとは比べものにならないほど、聞き応えがある。私が特に好きなのは、"Let it be me" 。ディラン・バージョンとも聞き比べると、涙が出るほど美しい。
   もう一つ、魅力的なのは、このジャケット。映画とは色合いが違うようで、すごく格好良い!

 私?ええ。もちろん買いますが、何か?

 気になるのは、これはVol.1 となっていること。つまり、Vol.2, Vol.3 と続くのだろうか?楽しみだ。

スティーブンス・フォート2012/03/30 22:52

 1864年7月9日、南軍のアーリーはシェナンドア渓谷を経由しての、北部連邦首都ワシントンDC攻撃の寸前まで来ていた。この日、モノカシーで北軍ウォレス率いる軍勢をアーリーは破りはしたが、この一日は北軍にワシントン防御の時間を与えた。
 ピーターズバーグでリー率いる南軍の包囲にかかっていた北軍のグラントは、手元からホレイショ・ライト率いる軍勢を南からポトマック川経由で、ワシントンへ援軍としてよこしていたし、ワシントンはワシントンでマクック(西部戦線での不首尾のため、ワシントンに引っ込んでいた)を中心として、首都防衛のため砦を守りを固めていたのだ。
 
 南軍のアーリーはモノカシーの翌日から、さらにワシントンへと軍勢を進めた。彼は一部の騎兵を、機動力をもってワシントン急襲にあてたが、こちらはさすがに大きな成果を得なかった。
 一方、歩兵は手堅くワシントン北部の砦(Fort フォート)の攻略にあてた。狙いは、ダイヤ型になっているワシントンDCの北の頂点付近、スティーブンス・フォートである。南軍の攻撃は7月11日から本格化した。
 砦での戦いというものは、攻撃側にとって困難だ。相手は砦にこもって守りを固めている。近づこうとしても、胸壁から狙撃されてなかなか進まない。こういう時の常套手段として、南軍側もスティーブンス・フォートに対して狙撃を行った。
 この時、首都防衛の強い意志をかためた北部連邦大統領エイブラハム・リンカーンが、妻を伴って(!)このスティーブンス・フォートを訪れていた。南軍がワシントンに迫っているという事態に、首都はややパニック気味だったのだ。それをおさえるためにも、大統領みずから悠然と前線に赴く必要があったのだろう。
 フロックコートにトップハット(シルクハット)に身を固めた ― つまり軍服ではない ― リンカーンは、飛んでくる弾丸もものともせずに、最前線の堡塁付近に身を乗り出していた。彼の長身は有名だ。しかも平服で、トップハットときている。南軍兵士やアーリーが、それこそリンカーンであることを知っていたかどうかはともかく、格好の標的となった。
 伝説ではこの時、とある士官がリンカーンに怒鳴ったことになっている。

 "Get down, you fool!" 「しゃがめ、この馬鹿ッ!」

 この話はかなり有名らしいが、その手のエピソードにおいてありがちなことで、作り話だとも言う。
 怒鳴った士官が誰かというと、グラントによってワシントン防衛のために派遣されていたホレイショ・ライトという説もあれば、当時23歳、志願兵として従軍していたオリバー・ウェンデル・ホームズ Jr.だったという説もある。後者は名前を聞いただけではピンと来ないが、後に連邦最高裁判所判事を務めた人物であり、『コモン・ロー』の著者 ― 法律家としては、一級の有名人だ。
 この法律家ホームズは、セオドア・ルーズベルト大統領によって、1902年に連邦最高裁判所判事に任命されたのだが、そのルーズベルトの学生時代の友人で、日露戦争時にアメリカに停戦調停を依頼するよう、交渉したのが金子堅太郎だった。ホームズJr.は、金子が若い頃、その家庭教師を務めたという、妙な縁がある。

 若きホームズJr. が実際にリンカーンに怒鳴ったかどうかはともかくとして、大統領は狙撃されることなくスティーブンス・フォートの視察を終えた。
 アーリー率いる南軍の攻撃は翌7月12日も続いたが、結局この砦を抜くことは出来ず、撤退を決意した。グラントが派遣したライトの援軍をも押し返すことは、もはやアーリーには無理だった。
 南軍は退却を開始し、7月14日には再びポトマック川を渡って、ヴァージニア州へ退いた。

 包囲されているなら、逆に別働隊でもって的の首都を攻撃するという、諸葛孔明ばりの大胆なリーの作戦は、ある程度までは成功していた。実際、ワシントンを中心とした北部連邦にパニックを起こしたし、グラントもライトの軍勢を差し向けなければならなかった。さらに、穀倉地帯であるシェナンドア渓谷付近を南軍が押さえたことで、兵糧攻めの効果が出るのが遅れることになった。
 それでも、リーと、アーリーの作戦はスティーブンス・フォートが限界だった。