ディラン@Zepp 東京 その12010/03/26 23:44

 3月24日水曜日、今回の来日ツアーでは、2回目のライブ鑑賞。今回は1階フロアでの立ち見となった。
 私は、初めてお台場のパレットタウン(ダサいネーミング)に行った。あまり買いものに執着がないせいか、ヴィーナスフォートも別に心躍ることなく。ちょっとした勘違いで、心づもりの倍の値段でピアスを買ってしまった。

 整理番号順に入場するため、Zepp東京の外で並ぶのだが ― ほぼ苦行状態だった。寒いし、雨だし、風は強いし。あのブーツはもう駄目だ。Aブロックの600番台で、フロアでの立ち位置は比較的前の方だが、いかんせん私は背が低い。平均的な日本人女性よりもずうっと低い。
 普段は「うどの大木」という言葉を心の支えに生きているが、さすがにこういう時は、馬鹿でも良いから大きくなりたい。

 名古屋と同じように、規則正しく、効率的でも、でもとてつもなくロックなディラン。雰囲気としては、さすがに2階席よりはずっと盛り上がっていて、興奮の度合いも高い。しかし、視界が悪い。時々、わずかな隙間からディランの姿が見え隠れする。名古屋では蛍光グリーンだったシャツが、今回は蛍光イエロー。ジャケットの縁取りもイエロー。どうしよう、次回は蛍光ピンクだったら。
 「ああ、あの頭さえなければ、ディラン様がよく見えるのに!」と、思いどおしで、いっそのことパイソンに出てくるアッティラ・ザ・ハンになりたい(首をホイホイ刈る)。確かに、私の身の丈が短いのが悪いのだが、ディラン様が小さいのも良くない!もっと背が高ければ…と、意味なくディランに責任転嫁をする。
 ライブの半ばにもなると、後方からの押しが激しく、通勤ラッシュとディランの素敵なコラボレーション。暑いし、足は痛いし、押されるし、何も見えないし…。どうも常人より低い位置に居ると、空気が薄いような気がして、ディラン様が居なかったら気絶したんじゃないだろうか。

 でも結局、残るのは「ディランが格好良い」という、凄まじい事実のみ。まるで煮えたぎるようなロックが、あの会場に渦巻いて、今にも屋根を吹っ飛ばしてしまいそうだった。
 個人的には、"Mr. Tambourine Man"や、"Stuck inside of mobile with the Menphis blues again" が嬉しかった。
 今回のディランは、あと一回。どんなライブになるのか楽しみなのと同時に、日本公演が終わってしまう事が寂しくて、もう悲しくなっている。

 それにしても、お台場という場所の悪さは、さすがにこたえる。せっかくディランが9時頃にはライブを終了しても、えっちらおっちら帰宅するのに時間がかかって仕方がない。
 視界的にも、そして体格差から来る苦痛という意味から言っても、やはり交通の便が良くて、ちゃんと座席のあるハコが良いな…と、軟弱なロックファンである私は思うのだ。