骨折の話2010/01/21 22:54

 お正月に見損ねたものの、再放送がありがたいドキュメンタリー。

ビートルズに愛された男 クラウス・フォアマン
BShi 1月31日(日) 午後10:00~11:30

 お正月のビートルズ関係番組集中放送のなかで、唯一見たいと思った番組。メモした付箋を目立つところに張り付けておいたのだが…YouTubeでウハウハ言いながらオードリーを見ていたら、完全に忘れてしまった。
 つまり、クラウスはオードリーに負けた…らしい。
 この話の流れで、骨折のトピックというのは不謹慎なようだが…まぁ、ライオンを見ると松島トモ子を思い出すのと同じようなもの。

 1983年、トム・ぺティは音楽づくりが上手くいかないストレスがこうじた揚句、左手で自宅の壁を殴りつけ、複雑骨折した。完治して、またギターが弾けるようになるまで、8ヵ月かかった。
 本人が具体的に言うには、"Rebels" のオーバーダブや、ミックスが上手くいかず、改めてデモを聴いてみるとデモの方がよっぽど良かったのが、ひどいストレスとなり、ギタリスト生命にかかわる事態を引き起こしてしまったとのこと。


トムさんwithギプス。しかし、この写真、無暗に可愛いなぁ…女優め。

 この負傷した時について。トムさん本人は、自分の手が見る見る内に「ミッキーマウスみたいに」腫れあがったこと、医者には「もうギターは弾けない」と言われたこと、手術が大掛かりで、電気ショックも含めたリハビリも大変だった…ということを語っている。病院には、トニー・ディミトリアディス(マネージャー)と一緒に行ったらしい。

 では、ハートブレイカーたちはどうしていたのだろう?
 私が持っている文章では、唯一 [Runnin' Down a Dream (book)] に、マイクのコメントが載っている。

 あの日のことは覚えているよ。ぼくがドン・ヘンリーと一緒に作った "The Boys of Summer" をミキシングし終えた時だ。あの日、ぼくはこの曲をスタジオに持ち込んで言った。「よし、こいつをチェックしてみようぜ。」トムはそこらへんに座って、聴いていた。あいつが何を考えていたのか、ぼくには分らない。とにかく、トムが二階に上がって行った直後、壁を殴りつけた。ほぼ、(二階に上がったのと)同時だった。

 あのぉ…ぺティさん?!あなたまさか、"The Boys of Summer" の仕上がりに嫉妬したんじゃないでしょうね?!

 …と、私は咄嗟に思った。
 思ったついでに取りとめもなく述べるが、その「一瞬」の後、どんなやり取りがあったのだろうか?どうもマイクがケガ人の(特にトムさんの)介抱をするという図が想像できない。「冷やせばぁ~?」ぐらいしか言わなかったんじゃぁ…?

 さらに思ったこと。左手を負傷して、トムさんはギターを弾けなかったわけだが、右手は無事だった。ピアニストなら、右手だけでもピアノを弾くだろう。
 試しにトムさんは右手だけでギターを弾いたのか?ネックはどうする?わかった、誰かが背後から左手を回してコードを押さえる。ギター版二人羽織。実行可能なのか?呼吸の合う人とならなんとか…?トムさんより腕が長い人なら出来ると思うけど。

 もっと勝手に想像を掻き立てると、ジョージというギタリストに思いが至る。CRTで萩原さんも言っていたが、ジョージは実に独特のコードの押さえ方をするらしい。
 トムさんはジョージと付き合うようになって、いろいろと変わったコードの押さえ方を習ったと言っている。負傷していた時、動く指だけでなんとか弾こうと練習した体験を持つトムさんには、ジョージの弾き方が、さらに魅力的だったのかも知れない。