Somthing in the Air2009/10/29 23:18

 Superhighway Tourは絶好調だ。
 ちょうど半分くらいまできたのだろうか。80年代あり、21世紀あり。マイクが「うふふふふ…」とか言いながら選んだ(…って事にしておく)、演奏の数々。かなり胸にグっとくる。
 来月の、 [The Live Anthology] の発売が待ちきれない。

 今週の配信で一番好きなのは、"Something in the Air", 1993年ゲインズヴィルでのプレイだ。
 何と言っても、トムとハウイの完璧なユニゾンが圧巻。[Greatest Hits] の録音もこの二人のユニゾンなのだが、このライブ音では、そのユニゾンの凄まじさが目の前で展開されるかのように鮮やかで、生々しい。
 特に、ハウイの声の凄さ ― マイクもきっと、それを私たちに聞かせたいのではないだろうか。トムの声より、ハウイの方が大きく聞こえる。

 Superhighwayの解説では、"Tom and Howie nail the lead vocal in perfect unison" と表現している。
 nail という言葉の使い方に、「へぇ」と思った。
 私が持っているこの言葉のイメージは、まさに「釘で打ち付ける」というもので、記憶の中には、モンティ・パイソンで使われた「ヴィンス、彼があなたの頭を床に釘で打ちつけて以来、彼に会いましたか? Vince, after he nailed your head to the floor, did you ever see him again? 」という下りのヴィジョンがある。
 ぴったりとくっつき、隙間のないトムとハウイの声。もちろん、二人ともそれぞれの楽器を持っているのだろうが、それこそ肩でも組んでのワン・マイクじゃないかと思うほどの、声の密着度が圧倒的だ。

 "Something in the Air" のオリジナルは、1969年発表された、サンダークラップ・ニューマンのシングルである。カバーも多い。
 ウィキペディアによると、タイトルは最初 "Revolution" だったそうだが、ビートルズの楽曲との混同を避けたとのこと。この選択は正解だろう。
 YouTubeには、この曲をバックに60年代ごろの様々なレコードジャケットをコラージュした動画が、あがっている。



 曲の格好良さもさることながら、このレコードジャケット・コレクションも面白い。全然知らないアーチストも居るし、「おお!」と声を上げたくなるものもある。やはり60年代という計り知れないほどのパワーには敵わないなと、妙なところで再認識した。
 動画の最後にザ・フーが来ているのだが、ピート・タウンゼント贔屓の画像になっている。これに意味があるのかどうかは分らないが、サンダークラップ・ニューマンの"Something in the Air"は、ピート・タウンゼントがプロデュースしている。