4月1日2009/04/01 00:00

 春の人事異動で、私はトム・ぺティ・&ザ・ハートブレイカーズに入ることになった。
 デビューから今年で33年を迎えたバンドは、また新人を入れて、気持ちも新たに録音やライブに取り組もうというわけである。

 私の担当は、主にピアノ・キーボード。TP&HBはこれから、ザ・バンド編成になるとのことで、第二の鍵盤弾きとして雇われた。そうなると当然、ベンモントと私のどちらがガース・ハドソンで、リチャード・マニュエルなのかで、悶着になった。
 すると、ベンモントは「お前は歌わないだろう」の一言で、私をガースにしてしまった。

 私は基本的な疑問として、「ハートブレイカーズに女の子は居ないんじゃないの?」とトムに尋ねた。すると彼は、青灰色の瞳を見開いて、「女の子だったの?」と聞き返したので、会話をする気が失せた。
 一番お近づきになりたかったマイクに接近してみると、熱心に雑誌を読んでいる。ギター雑誌かと思ったら、「元気なブタの育て方」だった。私を育てるつもりで雇ったのだろうか。たまごっちか。

 ピアノはカワイの方が良いと提案したら、ベンモントが口をきいてくれなくなった。しまった、「テンチ家の兄弟」を書くにはベンモントの助けが欠かせないのに。
 ロンが、日本が懐かしいと言う。「タイホーは元気?」と言うので、「大豊」かと思ったら、「大鵬」だった。

 マネージャーさんによると、残業は月10時間まで。バグズの助手として、楽器データのキー・パンチもする。
 しかし、コンピューターがマックなのだと言う。私にとってのマックは、音大のコンピューター音楽センターにずらりと並び、すべて故障中という印象でしかない。困った。

 とりあえず最初の仕事は、アメリカ人たちに「日本にはニンジャなんか居ない」という事実を説明することと、ヒゲを生やすことになりそうだ。
 私がレコーディングで何らかの顕著な貢献をすれば、ボーナスが出るらしい。私は、トムさんからウクレレをもらいたい。もちろん、ジョージからもらったやつ。

キャンベル家の豚2009/04/03 23:47

 日本のTP&HBファンサイト、Here Comes A Heartbreaker !を知って一番良かったことは、同じTP&HBファンの素晴らしき仲間と友達になれたこと、その楽しい友達づきあいが長く続いていること。
 二番目が、私一人では決して入手できなかったであろう、いろいろなTP&HB映像や音源に、仲間の助けで触れることができるようになったことだ。
 そんな映像の中でも、特にお気に入りなのが、1994年のドキュメンタリー番組、"Going Home"。1時間強の、TP&HBヒストリー。RDADの小型版と言う感じ。

 メンバーや友人の面々などのインタビューが収録されいる。その中でも私のお気に入りは、マイクのインタビュー。彼がこれほどまとまって喋っているのを見たのは、これが初めてだった。
 おそらく、マイクの自宅と思われる邸宅の、日差しいっぱいのお庭で話しているのだが、あるシーンで突如、マイクの足元にペットがノコノコと侵入してくる。



 マイク・キャンベルのペットはミニブタ!

 マイクをアイドル視している私は、正体不明の興奮と喜びに打ち震えんばかりだった。実のところ、ペットなんてどうでも良さそうなのだが…マイクと、ブタさんの取り合わせが、可愛くて可愛くて。とかく、日本人の女の子というのは、こういうのが好きなものだ。
 マイクのペットじゃなくて、マイクの子供たちのペットかも知れないが、それこそ私にはどうでもよく、マイクはミニブタを可愛がっていることになっている。

 動く映像としては、Runnin' Down a Dream のTrailerの、一番最後に一瞬だけ登場する。  私はこの予告編でブタさんを発見して、本編にも登場するに違いないと期待したが、実際は予告編だけの特別出演だった。
 でも、やっぱり惜しいシーンだったからこそ、予告に残ったのだろう。



 アメリカではミニブタを、pot-bellied pig と言うそうだ。大まかな分類としては、100キログラム以下のブタらしいが…100キロ?!

 ところでこのミニブタ、トコトコと出てきたは良いが、この場所はもしや、お庭でバーべキューをやる時のスペースなのでは?

ハッチ大作戦2009/04/06 21:26

 金曜深夜の名物番組、「タモリ倶楽部」は、先週と今週「空耳アワー」の総集編となっている。
 この一年で、私の中でのNo.1 の空耳作品は、先週にすでに紹介されている。次回、後半もあわせての年間No.1 が決まるわけだが、私のNo.1はもう出てこないかもしれないので、ここで言及することにした。

 アーチストは、ジンギス・カン。曲は「ハッチ大作戦」。この映像の、46秒目から聞こえる。

 「あっちが船橋であっちが浦賀さ」



 このジンギス・カンというドイツのユニットについては、良く知らないし、詳しく知ろうとするのが野暮のような気がしてきた。このワケわからん加減を自然体で楽しむのが、ヤーパン人としては最適ではないだろうか。

 カール・マイの古典児童文学に登場する、冒険好きなハッジ・ハレフ・オマルが、この歌の主人公。フル・ネームは「ハッジ・ハレフ・オマル・ベン・ハッジ・アブル・アバス・イブン・ハッジ・ダウド・アル・ゴサラ」…だ、そうだ。
 要するに、「アラブ風」という事になっている長ったらしい名前を、サビで延々リフレインしているのである。船橋と浦賀は、この名前の後半部分にあたる。

 この空耳の絶妙なところは、登場した地名が船橋と浦賀だという事だ。
 船橋は、首都圏在住なら耳慣れた地名だが、じゃぁ何があるかと言うと私には即答できない。一方、浦賀は黒船のおかげで名前だけは全国区だが、これまた他に何がどうといわれてもピンと来ない。
 しかし、ひとたび船橋と浦賀の位置関係を確認すると、なおさらこの空耳が可笑しい。ぜひ、一度地図で確認することをお勧めする。ハッハッハー♪

フェリックス・メンデルスゾーン2009/04/09 22:31

 日本語ウィキペディアによると、今日4月9日は、南北戦争が終結した日だそうだ。
 正確には、リーがアポマトックスで北軍に降伏したのが1865年4月9日のこと。南部連合の首都リッチモンドはそれよりも前、4月3日には陥落している。首都を逃れた南部連合国大統領デイヴィスが逮捕されたのは、ずっと後の5月。
 さらに、南部の深部ではまだ南軍の抵抗が続いており、4月9日をもって終戦,戦闘がピタリと止まったわけではなかった。テンチ家の兄弟たちが降伏するのも、5月になってからである。

 本題。
 前項で、「アラブ風」ということになっている、長い名前の人物に言及して、思いだした。クラシックの作曲家で長い名前の人と言えば、一番に思い出すのが、ヤーコプ・ルードヴィッヒ・フェリックス・メンデルスゾーン・バルトルディ。通常、フェリックス・メンデルスゾーンで知られている。
 今年2009年は、メンデルスゾーンの生誕200年。誕生日には賑々しいイベントが行われ、日本の普通のニュースにも取り上げられるに違いないと思っていた。そこで、彼の誕生日を確認してみると、なんと過ぎていた。2月3日生まれ…しかし、そんなニュースは目にしなかった。
 私は誕生日を認識していなかったくせに、この状況に憤慨してしまった。確かに、モーツァルトやベートーヴェンほどのビッグ・ネームではないが、メンデルスゾーンはかなり良いやつだ。…これは、私の中の偏見。ともあれ、今年は一年間メンデルスゾーン・イヤーとして、さまざまな演奏会が企画されている。
 ちなみに、来年2010年はロベルト・シューマンと、フレデリック・ショパンの生誕200年。特にショパンは人気のある作曲家なので、これはかなり商業的にも賑やかな事になるだろう。オリンピックに挑む浅田真央は、ショートとフリーに、それぞれシューマン,ショパンを持ってくれば良いのに(変な編曲不可!)。
 さらに言えば、2011年はフランツ・リストの生誕200年。この3年間の生誕密度はクラシックにおいては、他に類を見ない。

 メンデルスゾーンは、良く知られている他のクラシック作曲家とは、かなり異なった育ちをしている。ものすごい大金持ちの家のお坊ちゃまなのだ。
 私は彼を、クラシック界のベンモント・テンチだと思っている。(いや、ベンモントがロック界のメンデルスゾーンなのか…?)

 日本ではあまり知られていないが、フェリックスの祖父モーゼスも、かなりの有名人である。啓蒙主義からロマン派へという思想潮流にあった18世紀末における、偉大なる哲学者なのだ。モーゼスは貧しいユダヤ人として生まれたが、その哲学思想と業績は、哲学史に燦然と輝いている…らしい。私も多くの日本人のご多聞に漏れず、哲学はほとんど分からない。ただし、この偉大な祖父は、フェリックスが生まれる前に亡くなっている。
 モーゼスの二人の息子は銀行家となった。メンデルスゾーン&Co.銀行はベルリンで創業し、メンデルゾーン兄弟の弟エイブラハムに息子フェリックスが生まれる頃には、かなりの成功をおさめていた。
 エイブラハムの代で、一家はキリスト教に改宗し、名前の最後に来る「バルトルディ」は、キリスト教徒としての名前としてつけられた。しかし、フェリックスは敬虔なクリスチャンであると同時に、ユダヤ人である自己を強く認識しており、バルトルディの名はあまり使わなかったようだ。

 フェリックスはその裕福な家庭で十分な教育を受け、五ヶ国語を操り、そして音楽において天賦の才能を開花させた。
 彼の功績についてはここでは詳しく述べないが - いくらか、別の機会に語りたいこともある - 私が好意を持っている理由のひとつに、彼がバッハ・オタクだったことがある。
 メンデルスゾーンはバッハと、その作品の偉大さに敬意を持ち、それ知らしめることに尽力した。今日、私たちがバッハの音楽に慣れ親しむことができるのは、一部メンデルスゾーンのおかげでもある。
 そして、メンデルスゾーンはバッハを愛するあまり、自分でもバッハの形式を模した作品を残している。ピアノ科の学生にとってはおなじみのピアノ作品の数々の中には、そういた「バッハ萌え」の曲があり、これが私の好みなのである。…要するに、私もフェリックスと同じく、バッハ好きらしい(ただし、自分で演奏する範囲のみ)。
 ビートルズが好きなあまり、ビートルズっぽい曲を作って、「ビートルズっぽいね!」と評されて喜ぶ様が、フェリックスに近いものがある…かも知れない。

 メンデルスゾーン&Co. は良好な経営を続け成功をおさめたが、20世紀にドイツでナチ党が政権を取ると、ユダヤ系として政府に資本を接収され、解体に追い込まれた。そのメンデルスゾーン&Co.の資本を取り込んだのが、今も世界有数の銀行として君臨している、ドイツ銀行である。

On my shopping list2009/04/12 00:17

Better not forget it / On your shopping list / You can stop and buy one
(Traveling Wilburys "Wilbury Twist")

 最近はあまりCDなどを買いあさっていないが、いくつか買う予定のもの、欲しいものが控えている。

Bob Dylan [ Together Through Life ]
 ディラン様のニュー・アルバム。4月28日発売。これは楽しみ!どうやら、セッションにはTP&HBのマイクとベンモントが参加したらしい。マイクがギターを弾いているトラックがネット上で聞くことができるらしいが、ここはググっと我慢。妄想は膨らむ。マ、マ、マ、マイクということは…ここはググっとロックな感じで、ジョージばりな何かで、ディラン様が泣いたりしたり…(以下略)

The Beatles [全オリジナル・アルバム・リマスター]
 いつ出るのかと言われつつ、別に出なくても良いけどと思っていたら、本当に出ることになった。9月9日発売。音質だのステレオ機器だのに関して、びっくりするほど無頓着な私は、特に燃えることもないのだが、一応オマケの未発表映像に期待するか。
 それにしても、1枚2600円とは、相変わらず強気だ。とりあえず、普通にステレオ・ボックスを購入する予定。MONO Box…?それが何であるかを理解する気力もない。

Wilburys Book(仮称)
 今年こそ出すと、Genesis出版が宣言しているので、出るはず。買うはず。しかし、価格が怖い。ちなみに、「コンサート・フォー・ジョージ」の豪華本は、50000円以上した。でも買った。良いんだ。私は既に魂を十字路で悪魔に売っている。

Howie Epstein [ Early trucks Vol 2]
 ハウイのMySpaceによれば、2009年の早いうちに発売予定とのこと。早いうちというのは、First Quarterではないのだろうか…?ともあれ、非常に楽しみにしている。

George Harrison…の、何か
 何が出るのかは知らない。4月14日に公式に発表されるが、まさかまだスコセッシの映画関係ではないだろう。リマスターが出ていない、EMI時代のアルバムのどれか…ということは、想像できる。
 ジョージに関しては、その4月14日に、ハリウッドの殿堂入りということで、ハリウッド・ブルヴァードの星セレモニーが行われる。ここにノコノコとやってくる「おじさん」は誰なのか?期待、期待!

シェイクスピア全集
   これは以前から売り出されている物。70年代から80年代にかけて、イギリスBBCで制作された、当時シェイクスピア作と認定されていた全37作品の映像化ドラマの、DVDボックスセット。シェイクスピアで好きな作品もあるし、中にはモンティ・パイソンのジョン・クリーズ(じゃじゃ馬馴らし)や、ロジャー・ダルトリー(間違いの喜劇)など、ものすごい出演者もあるので、欲しくてたまらない。
 ところが、日本版の価格を見て、目玉が飛び出した。444000円。よんじゅうよんまんえん?!何度確認しても、44万4000円。これは、「買うな」と言っているようなものである。冗談じゃない。絶対買わない。
 PALで良いので、英国Amazonをチェックすると、37枚ボックスセット、送料込みで12000円程度。…こ、これは…!!!買いでしょう。PALはPCで見れば良いのだし、日本語字幕はなくても、英語はあるでしょう。
 しかし、問題もある。実のところ、37作品すべて欲しいわけではない。「タイタス・アンドロニカス」とか、「アテネのタイモン」とか、要らない。わたし的には、実は「ロメジュリ」も要らない。しかし、ロジャー・ダルトリー演じるシェイクスピアは欲しい!目下、真剣に検討中。

Walk of Fame in Hollywood2009/04/17 22:08

 4月14日、LAのハリウッド・ブルヴァード,ウォーク・オブ・エイムではジョージ・ハリスンの星型設置セレモニーが行われた。
 セレモニーとなれば、当然夫人のオリヴィアと、息子のダーニが出席するが、問題は他の「ジョージの親友」の誰がやってくるのかということ。
 私は、「誰か一人程度」を期待していたのだが、ふたを開けてみると、揃いも揃ったり…!
 トム・ペティ,ジェフ・リンの二人は、いつものメンバー。さらに、ジム・ケルトナー、ジョー・ウォルシュ、モンティ・パイソンのエリック・アイドル、意外なことにポール・マッカートニーも居た。
 さらに、CFGにも参加したトム・ハンクス。私はジョージとトム・ハンクスのエピソードを具体的には知らないのだが、どういう交友だったのだろうか。やはりパイソン絡みだったのだろうか?
(蛇足。ハンクスとぺティ。この二人トムさんが、サタデー・ナイト・ライブのエンディングで、「Shall we ダンス?」をしたことがある。 その映像を、もう一度見たいのだが…どこかに転がっていないだろうか?!)

 これはセレモニーのニュース映像。



 写真はこのあたりに色々。

 ええと…全体的に、ポールが前へ、前へと出過ぎ。まぁ、ポールはポールなので…当然か。
 一番私の目を引くのはトムさんなのだが、困ったことに全くの普段着で来てしまったらしい。たとえ醤油のシミがついていても、驚かない。周りはある程度の格好 - スーツとかを着ているので、なおさら目立つ。  去年、アメリカのステージで見たトムさんの容姿は、すべてがツヤツヤ,キラキラで輝いていた。それとは対照的な脱力トムさん。
 どうやらトムさんは、晴れ舞台のために徹底的に自分を磨いて、本番に臨んでいたらしい。よぉし、分かった!今日からトムさんを女優と呼ぼう!大女優も、スッピンにジャージで出てくれば、ただの人だ!

 脱力していても、ジョージ・イベントは十分楽しんだ模様。ポールに接近されて強張るダーニも、トムさんはお兄さん扱いでリラックスしているように…見える。私には見える!
 それにしても、ダーニは「父親に似ている」と言われるのが嫌なのだろうか?どんどん乖離して行く…どーんどんかい…り…CFGの時が一番、ジョージに似てて可愛かったなぁ…

遥かなり西部戦線2009/04/20 23:13

 3月25日の記事で紹介した、内田義雄氏の著書「戦争指揮官リンカーン」には、こうある。

 とにかくあの広大なアメリカ大陸における戦争である。大陸の広さを想像できないと、一体どんな戦争だったのかがなかなかわからない。西部では、いくら歩いても人にも会わないし、人家も見えない広大な原野や森林が広がっている。戦闘は点で行われるだけに過ぎず、点と点ががなかなか線でつながらないのである。

 まさにその通りで、リーが活躍する東部戦線に比べて、西部戦線は掴みづらい。しかも、テンチ家の兄弟の活躍の場がその西部なのだから困る。
 2009年11月25日の記事では、ブラッグ率いる南軍が、交通網を駆使して大回りし、1862年7月末までにチャタヌーガに集結したところまで進んだ。一方、ビュエル率いる北軍は、チャタヌーガのやや南西に位置するディケーターあたりに陣取り、ようす見に徹していた。

 やがて南軍はチャタヌーガから北進を始めた。テネシー州の州都ナッシュビルが陥落したことにより、その北に位置するケンタッキー州も北軍の手に落ちつつあるあった。これを取り戻すための作戦を、南軍は始動したのである。このため、この作戦は「ケンタッキー作戦」と呼ばれる。
 南軍の動きを知った北軍は、敵に向かって猛進するのかと思えば、さにあらず。なぜか南軍に対して平衡に北上し、まずナッシュビルに入った。どうやら、広大な西部戦線においては、東部戦線のスチュアートのような偵察行動もままならず、慎重になりがちのようだ。…むろん、これは指揮官の性格にもよるのだが。
 9月中旬、南軍はマンフォードビル(地図赤い印)に入り、ナッシュビルからルイビルに至る鉄道網を手中に入れた。ブラッグはさらに北進して、ルイビルを落とすべきだった。この町にはオハイオ川が流れており、交通の要衝に間違いないのだ。しかし、ブラッグはマンフォードビルで守りに入り、結局ビュエルの北軍は鉄道を使わずにルイビルに無事到着。しばらく、両軍の約100kmを隔てたにらみ合いになった。



 10月初旬、南軍はそろりとマンフォードビルから北進。その動きを見て、北軍もルイビルから南下して、とうとう10月8日ペリービル(地図緑の印)で激突した。

 さんざんじらした割には、双方にとって実りの少ない戦闘だった。結果としては南軍が、1ヶ月半前に居たチャタヌーガまで退却したので、ケンタッキー作戦は失敗し、南軍が負けたことになっている。
 しかし、死傷者という意味での損害は、北軍の方がひどかった(北軍4200, 南軍3400)。
 南軍のブラッグは大胆な兵力移動と、時間をかけた作戦を展開した割に、ほとんど成果を得ることができず、一方ビュエルも戦況を7月の状態に戻しただけ。…と、両将軍とも能力不足を露呈した。
 その結果の人事は、対照的だ。ビュエルはローズクランツ(ジェイムズ・テンチが戦死した、ヴァージニア作戦における北軍の将の一人)に取って代わられた。一方、南部連合大統領デイヴィスのお気に入りだったブラッグは、西部戦線指揮官の地位にあり続けた。

勝手にLet It Roll!2009/04/22 22:53

 きたる2009年6月16日、ジョージ・ハリスンのソロキャリア全般を網羅する(はずの)ベスト・アルバム [ Let It Roll : Songs by George Harrison] が発売される。
 ソロ・キャリアのみだからと言って、ビートルズ時代の名作が含まれないのは惜しいので、コンサート・フォー・バングラデュのライブ・ヴァージョンで3曲収録するというのは、なかなか粋なはからいだ。

 まだトラックリストは発表されていないので、さっそく勝手にリストアップすることにする。
 問題は、曲数だ。TP&HBの例で言うと、一番手頃なGeatest Hitsで19曲。拡大版のAnthologyで34曲。6枚組ボックスの前半をベストセレクションで占めたPlaybackでは50曲。
 最初に私がジョージの曲を適当にピックアップしてみたところ、なんと54曲もあがってしまった。さすがに多すぎるので、中間をとって34曲まで削ったのだが、これも泣く泣くである。
 順序はともかく、私のベストセレクションをあげると、以下のようになる。(カッコ内は、収録アルバム)

My Sweet Lord (AHMP)(これは必須)
Wah-Wah (AHMP) (最近はカバーも多い)
Isn't It a Pity (AHMP) (ジョージの曲では一番に好きな曲)
What Is Life (AHMP) (ヒット曲は必須)
If Not for You (AHMP)(ディラン様は外せない)
Beware of Darkness (AHMP)(CFB & CFGの思い出に)
Awaiting on You All (AHMP) (好きな人も多いはず)
All Things Must Pass  (AHMP)(アーチストに人気の曲じゃない?)
While my guitar gently weeps (CFB)(本当はプリンス・トラストの方が好きなんだけど)
Something (CFB) (あの盛り上がりが最高!)
Here comes the sun (CFB) (ひたすら美しかったね)
Give Me Love (Give Me Peace on Earth) (LITMW)(ヒット曲だし!)
Living in the Material World (LITMW) (ジョージの哲学だし!)
Dark Horse (DH) (ハスキーヴォイスが新しい魅力?)
Far East Man (DH) (ロニー・ウッドは外せない)
You (ET) (隠れた名曲だと思う)
This Song (33&1/3) (ノリノリで良いよね)
Crackerbox Palace (33&1/3) (ビデオも良いし)
Love Comes to Everyone (GH) (超超超名曲!!!)
Here Comes the Moon (GH) (太陽だけじゃ寂しいし)
Blow Away (GH) (ビデオは変だが、名曲!)
All Those Years Ago (SIE)(FABファンにサービス)
Wake Up My Love (GT) (ベース必聴!)
That's the Way It Goes (GT) (CFGの思い出に)
Gone Troppo (GT) (イカレた感じが素敵)
Mystical One (GT) (これは名曲!私のお気に入り)
Cloud 9 (C9) (スライド炸裂)
This Is Love (C9) (すかっとさわやか)
When We Was Fab (C9) (FABファンにサービス)
Got My Mind Set on You  (C9) (ヒット曲だし!)
Cheer Down (BODH) (トムさんトムさんトムさんトムさん)
Any Road (BW) (明るいのに、泣ける名曲)
Rising Sun (BW) (しっとりしてて好き)
Marwa Blues (BW) (グラミー賞を取っている!)

 [ All things must pass] や、[ George Harrison], [ Gone Troppo] などは、私にとって捨て曲無しの「まるごとベスト盤」のようなアルバムなので、本当に泣く泣くという感じ。本当なら、[ Live In Japan] からも、2曲ぐらいは入れたい。
 「え、それが入って、あれは入らないの?!」と言う曲もあると思われるが、私としては “Mystical One”は絶対に外せない。あの曲は、ほんとうにジョージの人柄がよく反映されていると思う。
 あとの問題は、アートワーク。私の好みは、C9~ウィルベリーズ期なのだが。
 それから、トムさんあたりに「ぼくのジョージ」と題する文章を寄せてほしい(「ぼくのバーズ」のパクリ)。むろん、それがディラン様でも一向に構わない!両方ともだったら、さらに大歓迎!頼むよ、ウィルベリー兄弟!

バリー・マニロウ2009/04/26 23:05

 鉄腕DASHで、パッション・フルーツ栽培のBGMが、「コパカバーナ」だった…。

 当ブログの親サイト、Cool Dry Placeの、ツアーレポートにも登場する、友人Mは、アメリカのデラウェア州に住んでいる。ある日、本屋で [The Bob Dylan Scrapbook 1956-1966] が値引きされているのを発見し、私のために買ってくれた。丁度、会社の同僚がデラウェアに仕事で行っており、私へのこのプレゼントの運搬役をつとめた。



 同僚は帰国・出社して私を見ると言った。「Mさんから、本を預かって来たよ。バリー・マニロウの本。」

 バリー・マニロウと、ディラン様をどうやったら混同できるんだ!?

 バリー・マニロウは、1943年ニューヨーク,ブルックリン生まれ。ジュリアード音楽院で学んだというのだから凄い。ジャズやミュージカルを含んだ、ポップス全般にわたる作曲、演奏、プロデュース、そして歌唱と、何でもこなせる天才タイプのミュージシャンである。
 日本では圧倒的に[コパカバーナ]で有名だ(11月19日の記事も参照)。



 どうして、途中で衣装替えをするのか、どうしてお姉さんと踊り始めるのかはともかくとして、脚が!長い!長すぎるぞ、バリー・マニロウ恐るべし!
 日本のポップス界との交流も多いし、21世紀に入ってもますます元気に活躍している。コンサートでの「コパカバーナ」の盛り上がりも健在のようだ。

 それにしたって、ディラン様と間違えることはないだろうと、ぶつぶつ言いながらウィキペディアを見ていると…

1988年のパーティーの際にボブ・ディランから抱擁を受け「あなたがしていることを止めないでくれ。我々はあなたの影響を受けている。」と言われ…

 ディラン様にハグされただとぉ?!バリー・マニロウ、おそるべし!

Together Through Life2009/04/29 22:18

 いよいよ、ボブ・ディランのニュー・アルバム [ Together Through Life ] が発売された。まずは輸入版のみ。
 実は、発売前日27日の夜にも、HMVへチェックしに行っていた。国内版の場合は発売日前の夕方には店頭に並ぶ場合があるので。どうやらそれは、国内版だけらしい。



 さて![ Together Through Life ] ― ここ最近のディランのアルバムの傾向に比べて、かなり軽くて明るい印象。曲の長さも短めが多く、曲調はリラックスした感じの ― ある意味お気楽な感じがする。私としては、歓迎すべき傾向。ブルース風味も強くて、しかもそれが重苦しくないところが良い。
 アート・ワークも格好良い。クールで軽快。[ BOB DYLAN ] という、その名に宿る呪術のごとき力を、うまく配分し、しかもそれだけには依存していない。(あの赤黒の超豪華ベストは、「それだけ」に依存し過ぎなのでは?)
 インナーの写真ディラン。久々に格好良い。ほんと、久々に!ポイントは、ぼかし・うつむき・ハーフシャドウ!たばこ…やっぱりまだ吸っているんだ(禁煙した話も聞かないけど)。もぅ、しょうがないなぁ。吸いすぎないでね。

 注目のプレイヤー陣営。そう、目玉はなんと言っても、ギターとマンドリンのマイク・キャンベル!
 どうやら全曲に参加しているらしい。派手さはないが、粋で気の利いた素敵フレーズが、縫うように現れて、そのたびに胸が高鳴る。ああ、マイクが居るんだ…とても楽しそう。
 あまりにも程よくなじんでいるので、心配になってきた。マイク、ディラン様バンドの一員としてツアーに連れて行かれちゃったらどうしよう。去年、マイクとベンモントが「来年のハートブレイカーズは休みだから~」などと言っていたが。ハートブレイカーズは休みでも、副業は休まない。働き者なのは大変結構…
 いやいや、トムさん。しょうもない格好して、家の近所をノサノサしていると、大事な相棒をディラン様に取られちゃうよ?さすがのトムさんも、ディランには抵抗できないでしょ?(その前にマイクが抵抗…しない?)

 今回のアルバム発売前に、ベンモント・テンチもセッションに参加したという情報が流れたが、クレジットにその名はなかった。「彼の事だからどのセッションに参加していてもおかしくない。マイクも居るし。」…ぐらいの確実度情報だったのだろうか?
 ゲーテなら大抵の事は言っているだろう。ベンモントなら大抵のセッションには参加しているだろう!